かつてこの世にはスティーヴ・リーという人が存在していたんです。

2010年10月5日に不幸な交通事故で亡くなるまではね。

 

彼はロックヴォーカリスト。

GOTTHARD(ゴットハード)というバンドに在籍しておりました。

スイス出身、地元では国民的な人気を誇るバンドです。デビューは92年。

ホワイトスネイクやデフ・レパードなんかが好きな方はお気に召すであろう正統派のハードロックバンドで、楽曲良し、ライヴ良しで大衆性まで兼ね備えた完璧なバンドですが、日本含め未だ世界的な知名度は低しです。

その理由はいくつか考えられるのですが、ここでは長くなるので割愛。

 

ちなみに間違えがちですがゴッドハンド(GODHAND)ではございません。ゴッドハート(GODHEART)でもございません。中野にあるお相撲さんがやってるマッサージ屋のGOTTSUHAND(ごっつハンド)でもございません。

 

僕が一番好きなバンドであり、スティーヴ・リーは一番好きなヴォーカリスト。僕のヒーローです。

ああそして今回紹介するアルバム『OPEN』を聴きながら書いているちょうど今、名バラード『Let It Rain』が始まりましたよ。これを超えるバラードが果たしてロック界にどれほどあるでしょうな。

 

まあスティーヴやゴットハードについて書き始めたらこの世の文字など全て使い果たしてしまうのでまたしても割愛します。ゴットハードのアルバム一枚を紹介するに留めておきましょう。もちろんスティーヴ在籍時のね。

 

4thアルバム『OPEN』。

変なジャケット。

 

この頃はアコースティック的要素を積極的に取り入れていた時期で、ほどよくハードでもあり温かみのあるロックンロールアルバムです。

開放感のある『Free & Alive』に始まるこのアルバム、一聴した感じではアメリカのバンドなのではないかと思う人もいるでしょうな。

名曲まみれの大傑作ですが、まだブルースの影響下にあった頃のロックが好きな人には特に響くはず。『Hey Jimi』なんかはタイトル通りジミヘン賛歌のロックンロールでゴキゲンですぜ。

 

そしてテクニックと表現力を完璧に兼ね備えたスティーヴの歌唱の絶品たるや。

ライヴでこそ真価を発揮するタイプですが、CDでもその凄さはわかります。

 

とっつきやすく入門盤としては最適。

いい曲をいい歌で聴きたい、そんな当たり前の注文に当たり前のように応えてくれる普遍的な魅力のアルバム。

それがこれ。