FREEというバンドはどうでしょう、もはやジジイのロック好きでしか知らない存在かも知れません。

69年にデビューした当時平均年齢10代後半の赤ちゃんたちによるブリティッシュ・ブルース・ロックバンドです。

 

そんなFREEによる4thアルバム『HIGHWAY』。

良い。

 

が、前作『Fire and Water』の大ヒットの勢いに乗れず、売り上げは伸びなかったようです。

その原因はマネージメントの甘さによるものとも、またドロドロと粘っこい作風が受けた『Fire and Water』に比べリラックスした雰囲気のせいで地味な印象を与えてしまっているからとも言われております。

 

しかし表面上は地味でもそこは独特のFREEサウンド。地味の一言で片付けられるものじゃございません。一癖あります。

 

元々FREEサウンドの魅力ってのはその独特の物憂げな空気感。まさしくFREEにしか出せない音。

それが乗ることにより『HIGHWAY』の地味な雰囲気はまるで映画のエピローグシーンのような、大きなクライマックスの後の独特の喪失感に近い奇妙な空気感を纏い心に染み入ってくるのです。

ある種の悟りの境地のような…。

 

結果『HIGHWAY』は一部のファン(一説によると僕のみ)の間で「『Fire and Water』を上回る傑作である」とも言われております。

(尚、各プレイヤーは絶好調の模様)

 

今の時代に受ける音楽性では全くございませんが、本当に人の心の奥底に届く音ってのは、FREEのように生々しく、プレイヤーの息遣いまで聴こえてきそうな音のことでしょう。

 

コンピューターの音ばっか聴いてるとロボットになっちゃうぞ。