保育って、なんだろう?
 
 
 
 
 
みんなで一緒に楽しむこと?
 
ひとりひとりの個性を伸ばすこと?
 
ケンカしあって仲を深めること?
 
 
 
 
 
答えは人の数だけあると思う。
 
 
 
 
 
ただ、根本をたどってみるとさ、
 
"わたし"と"この子たち"とか
 
一緒に過ごす。暮らすこと。
 
共にあること。
 
 
 
 
 
つまり、
 
"いきること"
 
じゃないかなと思うんだよね。
 
 
 
 
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僕、昔すごい時期がありまして。
 
会社員やめて、単身関東に引っ越して起業を目指してたときのことです。
 
 
 
 
必死であっちこっちご縁を求めて動きまくってたら、
 
お金が尽きたんです。
 
そして仕事もない。
 
さらには体調は最悪。
 
ストレスにまみれ、目やに、頭痛、鼻づまり、耳聞こえない。
 
 
 
 
 
そんな中、なんとか生きてくための収入がほしくてね。
 
当時、埼玉の和光市に住んでたんだけど、
 
必死こいて朝霞のハローワークまでチャリで走ってました。
 
 
 
 
 
和光市から朝霞って、坂道がデラ多い上に距離も遠くてさ。
 
でも最寄りのハローワークって、朝霞なんだよね。
 
で、この時冬でめっちゃ寒かった。
 
体調悪いしめっちゃ疲れるのよ。
 
 
 
 
 
 
死にものぐるい?で向かってたら、
 
歩道の端の金属の棒の出っ張りに、ダウンを引っ掛けてさ。
 
ダウンに穴が空いちゃったんです。
 
 
 
 
 
このダウン、
 
機械系の仕事してるときに奮発して買ったもので。
 
 
 
 
「ビリっ!!」
 
 
 
 
あ、人生終わった…
 
 
 
 
もうハローワークもいけんわ…
 
どうしよ。一張羅のダウン破れた。
 
恥ずかしい…ガムテープでも貼るしかないか。
 
 
 
 
 
と思ってなんとか帰宅したんだよね。
 
(今思えばこの程度で終わったってね(笑)
 
 
 
 
 
そしたらね…
 
 
 
 
 
なんか目の前に、もう一着ダウンがあるんだよね。
 
ユニクロのダウンでさ。
 
 
 
 
 
そしたら、思い出したんですよ。
 
 
 
 
起業するために通ってたビジネススクールの同期に、なかなかのお年のおばあちゃんがいてね。
 
その人が「これさんたにあげる」って、
なんかしらんけどくれたんです。
 
そのユニクロのダウンを。
 
 
 
 
もらったときは、
 
「(もっといいのもってるし、いらんなぁ…)」
 
って正直思ったんだよね。
 
 
 
 
 
でも、
 
いま最悪の状況になって、
 
唯一と思ってたベストが破れてしまい
 
「終わった」と思ってたら
 
目の前にある、このユニクロのダウン。
 
 
 
 
 
涙が溢れました。
 
あぁ…
 
 
 
 
僕はなんて幸せなんだろう。
 
こんなにも大切にしてくれる仲間がいる。
 
特に何かしてあげれたわけじゃないのに、
 
僕のことを想ってくれる人がいる。
 
 
 
 
 
そっか。
 
 
 
 
幸せを探して生きて、
 
僕はまだなにも持ってないと思ってた。
 
 
 
 
 
でも、
 
大切なものはもう全部もってたんだ
 
 
 
 
 
 
って、ほんとに腑に落ちたんだよね。
 
 
 
 
それは、
 
普段はまったく気づけないけど、
 
いつもそこにあるもの。
 
 
 
 
 
つまり、
 
家族だったり、
 
離れてても信じてくれてる仲間だったり。
 
 
 
 
 
そこに咲いてる花だったり、
 
青い空だったり、
 
ときに冷たい風だったり、
 
小川を流れる水や、雨だったり。
 
 
 
 
 
 
そう、
 
あたりまえなんてなにもなくて、
 
ぜんぶ奇跡だったんだ。
 
 
 
 
 
 
そんなことを気づかせてもらいました。
 
 
 
 
ユニクロのダウンを下さった方をはじめ、
 
その頃出会って心の底から話し尽くした仲間たち。
 
そのほか、たくさんの命の恩人たち。
 
機会を下さったみなさんには、
 
今でも感謝しています。たぶん一生。
 
 
 
 
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長くなってしまった(笑)
 
 
 
 
 
こんなことがあったから、
 
当たり前なような日々に感謝できるようになったし、
 
 
 
 
 
だから、
 
"保育"と呼ばれる子どもたちとの何気ない日々が
 
とてつもなく味わい深くて
 
愛おしい瞬間なんです。
 
 
 
 
 
 
つまり、僕にとって保育とは、
 
子どもたちとともに
"いきること"
 
 
なのです。
 
 
 
 
 
これが、その時のユニクロのダウン。
 
今でもありがたく、使わせていただいてます。
 
 
 
 
黒色だったのが、色あせて茶色になってきた(笑)
 
いしーさん、ありがとう😊
 
おかげで今日も、生きてます。