今日はいきなりオーディブル。

 

なかなか刺激的なタイトルで、前半はなかなかの頻度で「バカ」というワードが。

僕もまあまあ使ってしまう言葉ですが、数多く聞くのはあまり気分が良くないかも。

別に自分に対して「バカ」と言われているわけではなくてもね。

全体的に非常に興味深く聴き終えることができました。

 

印象に残った点を3つ挙げてみましょう。

 

①バカの認知

バカは自身の能力を過大評価し、利口(適切な言葉ではないかもしれませんが、「バカ」の対比としてここでは用います)は逆に過小評価するとの実験結果があるそうで。

前者はこの世を生き抜く上で自身をよりよく見せる必要があったということで遺伝的に残された行動とのことで納得。

一方で後者も能力が高いことで出る杭は打たれるというか、もっと言えば時の権力者に敵視されて粛清されてしまうことから守るための能力としてこれも遺伝的に獲得しているとのことでなるほどなあと。

 

それは置いておいて、実験結果にはもっと興味深い点が。

被験者の下位1/4を「バカ」、上位1/4を「利口」とします。

バカは実際の得点が10点台にも拘らず自身で60点台を取ることができていると思っていて。

利口の方は得点が80点台に対して予想は70点台だったそうです。

過小・過大評価というのは既述ですが、バカのその乖離の大きさと言ったら驚きです。

この結果や他の実験結果から勘案すると、「バカは自分がバカであることに気づいていない」ということになるようで。

 

ただ、ここでふと考えました。

あり得ない例なのかもしれませんがそれ前提で。

10問の問題があって3問しか解けない「バカ」がいたとします。

でも彼の自己採点も3点で、しかも解けた問題とそうでない問題をちゃんと判別できているとしたら。

7問正解して自己採点では6点の「利口」と比べてみると。

6問は正答の自信があって、3問は誤答の認識がありながら、1問については不明ということだったら。

10問全て正誤をちゃんと認識できている「バカ」の方が賢いんじゃないかと思ったり。

何か深くないですか?

 

②道徳の貯金箱

一般に歓迎されがちな「道徳的なこと」を行うと、その他の場面で「不道徳なこと」を行う傾向があることが実験的に示されたとか。

例えば差別撤廃なんかを声高に叫んでいる人が、場面によっては実は差別的な言動・行動をしていることがあるそうで。

分かるような気もしますが、自分もそうなのかなあ?とちょっと考えてしまいました。

答えは出ないですが。

 

④愛は地球を救わない

寄付金を着服していた日テレ批判では無いですw。

この愛というのは家族とか友人とか自分に近しい人に向けられがちで、その結果対立を生みトータルでは平和にはなり得ないというようなお話です。

簡単なのは愛国心でしょうか。

日本を愛するがあまり移民を排斥しろというようなことはありますよね。

 

愛という気持ち・感情は無限なのかもしれませんが、それから生まれる行動にはお金や時間の有限的なものが必要で。

例えばですが、障碍者支援に熱心な女性がいたとします。

この女性に子供がいたとして。

支援活動のために母親の情愛を欲している時期の子供が放置されていたとしたらこれは不幸ですよね。

全然愛を感じません。

 

なかなか考えさせられる書籍でした。

 

歩き始めは曇っていましたが歩いている内に晴れてきましたね。



清々しい朝です。