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■スパイの動機~情報分析官(インテリジェン・スオフィサー)とは?



インテリジェンス(諜報)という言葉を知っているでしょうか?。


昨年読んで、佐藤優氏の著作『自壊する帝国』 で知った言葉なんですが、この言葉は凄く僕に影響を与えたようで、どうも、スパイやテロ防止活動や情報局というものに関する僕のイメージを一新してしまった。こういうことがあるので、人生は面白い。しかもちょうど、『24』を見て、そのイメージによる解釈でそれらの作品を見ると、より一層物語りに深く没入できて、なんといううれしいシンクロニシティなんだろう。ちなみに、佐藤優氏の『自壊する帝国』『国家の罠』の2冊、昨年2006年度読んだ中の本でも最高の本といえます。読書人の必読の書。下手な小説の数百倍は面白い上に、かつ現代日本社会を分析視したり、大きな流れで捕まえるに非常に役に立つ本。まさに必読、と僕には思える。超オススメですよ。


>外務省は、途轍(とてつ)もなく優秀な情報分析官を失った。おかげで読書界は類(たぐ)い希(まれ)なる作家を得た。退官した外交官がよく出すノー天気な自画自賛本が100冊かかっても敵(かな)わない密度の濃さと面白さ。

米原万里さんの書評 より  


佐藤 優
自壊する帝国  

評価:★★★★★星5つのマスターピース

(僕的主観:★★★★★星5つ

おもしろいだけでなく、この本によって、僕は読書体験を、より深くする契機を持った。


それは、この本の体験によって、スパイの見方が変わったことだ。


これまで、刑事ものやスパイものの物語や映画や伝説を聞くにつけ、どうも不思議に思っていることがあって、それは、こんな『ミッションインポッシブル』『007シリーズ』などの華々しい活動はあまりに、空想的で、「らしくない」とは思うのだけれども、それ以外のイメージがないので、いったいスパイというのは、具体的に、実際的にどういうことをしている人か?ということがよくわからなかったのだ。ところが、この『自壊の帝国』というあるチェコ語の勉強をしたかったという同志社の神学部出身の学究肌の青年が、ノンキャリア外交官となり、優秀な情報分析官として成長していくビルドゥングスロマンを物語として読むうちに、なぜある人が、スパイとなっていくのか?、スパイという人種が、どういう育ちや生まれを動機を持っている生き物か、ということがよく理解できるようになったのだ。これではじめて、インテリジェンス(=諜報活動)の意味が、よくわかるようになった。わかるというのは、具体性と実感を持って理解できる気がしている、ということだ。


   



■公開情報からすべての必要なことは得られる~諜報とは?


小室直樹の『大東亜戦争勝、こうすれば勝てた』(・・・・勝てないと思うけど(笑))の本の中で、原爆やらさまざまな画期的な科学技術や参戦の事実が、当時の公開情報(たとえばただの新聞記事)ですべてわかってしまうということが論証されていた。

 
小室 直樹, 日下 公人
大東亜戦争、こうすれば勝てた  


しかし、このことが、一国の意思決定に左右するには、二つのことが必要である


①優秀な情報分析官が、外交官など駐在員として世界中に散らばっている。それらの人間が、語学など地元情報を駆使して、総合化して、ストーリーや事実の断片を作成する


②それらの情報分析官の世界中から集められる情報をフィルタリングして、


③意思決定の意味があるタイミングと形で、意思決定者に提供できる集約機関を持つ


もっと抽象化すると、


1)断片の収集


2)一次ストーリー化


3)分析センターへの集約


4)二次ストーリー化/意思決定に資する形式で


という構造に分解できる。


これを考えると、いろいろなことがわかる。


たとえば、なぜ総合商社が、世界中で凄まじい情報収集・分析能力を誇るのか?。外交官などの駐在員が遊び暮らして現地に居る必要性がなぜあるのか?。

また、世界を支配する帝国であるイギリスとアメリカが、MI6(イギリス諜報部)やCIA(アメリカの情報部)などの情報局を持っているのか、また日本がなぜ持っていないのか?といったようなさまざまなことが分析可能になる。


そんなこよわかってどうするんだ(笑)。と思う人もいるだろうが、物語を高い次元で楽しんだり、一つの物語の背後にある世界という厚みを実感するには、教養が不可欠で、、、ある特定の解釈フィルターを頭に実装させたときに、広がる世界の様相は、なんといえぬ知的エキサイティングだからです。



■参考記事

『国家の罠~外務省のラスプーチンと呼ばれて』国事に奔走する充実感①
http://ameblo.jp/petronius/entry-10020654061.html


『自壊する帝国』 佐藤優著  ユーラシアと東欧を通して世界の文脈を見る①
http://ameblo.jp/petronius/theme-10000395107.html  


『自壊する帝国』 佐藤優著 千の天使がバスケットボールするよりhttp://blog.goo.ne.jp/konstanze/e/736a73b35960224cc50c93855cd2e3e4






佐藤 優
国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて  

評価:★★★★★星5+αつのマスターピース

(僕的主観:★★★★★+α星5つ

   


■情報が上層部に上げられる過程のフィルタリングという物語

このことを前提とした上で、24シーズン2を見ると、非常に興味深い。


というのは、CTUという部局の連邦捜査官は、実働部隊か?といえば、どちらかというと、実行力を持った情報分析官・・・・インテリジェンスオフィサーであるという側面が強いからだ。


今日の近代国家の広域犯罪を相手にする警察官には、どうしてもそういった側面が強いのだ。

なぜならば、国際テロリズムでは、常に相手が国家であったり、戦争の可能性や、マーシャルロー(戒厳令)のような非常事態が前提となっているからだ。


また、大統領というわかりやすい唯一の意思決定者に、『上げられてくる情報』の恣意性やさまざまな誤報を、彼らのブレインたちがどう選別して、分析しているか?


そして、大統領自身が、どのようにそれを、判断しているか?というところが、分析された情報元に意思決定を行い、それが、憲法的な、理念的な拘束とどう関連付けられているかが、常時監視されるという状況の中で、試される。今日的な権力は、さまざまなモニタリングシステムでそのプロシディア(=手順)の正統性を、さまざまな局面から試され続けている。


世界最大の権力者である大統領であっても例外ではない。


組織で働いたことのある人は、部下や自分をサポートしてくれる機関を持ったときの「組織力」の強さってのを、実感したことがあるはずです。自分では考えられないようなスピードで、世界を動かしているような感じ。けど、、、「自分自身でやる」ことができないために、報告として上げられて集約する情報の真偽を見極めるという作業も同時に必要となります。これがめんどくさい。案外、情報というのは偏向が隠れていて、一見もっともらしい意見でも、様々なバイアスが隠されていることが多い。マネージメントとは、この自分で実際にやっていないことの真偽を、あげられた情報から判断するというかなり高度な技術を必要とする職務なんです。


それが権力者ではひどくなる。足をひっぱるためや、異なる意思決定をさせるために偏ったり嘘の情報を流したり、報告者となる首席補佐官やブレインが実は裏切っていたり・・・・パーマー大統領はそういったコトに苦しめられますが・・・これは別に物語だけの特殊事情ではなく、組織では一般的にあることです。こうした組織内部の偏向を見抜き、管理して、適切に手を打つということも指導者・マネジメンターには常に要求されるんです。


そういう視点で、デイヴィッド・パーマー大統領が何に苦しみ、何を意思決定しているのか?、、、そしてそれはどういう根拠に基いて?ということを考えながら見ると、なかなか興味深い。


CIAやイギリス系の情報機関の情報に踊らされて、イラクに大量破壊兵器がある!という大嘘(実際は様々な限定付きの情報だった)にのせられて、単独覇権主義のイラク戦争に突入したブッシュ大統領を非常に思い出させます。その政策や行動の是非はさておき、どこまで情報の真偽を見極めた上での意思決定であったかは、検証されたいところですね。情報公開が、20年後くらいにあるはずなので、非常に楽しみです。


さて、そういったあがってくる情報は、たとえばテロのような国家を揺るがす事件の場合、どういう風にフィルタリングされているのか、組織でもし裏切りや偏向が見つかった場合、権力者はどういった対応手段があるのか?ってのは、興味深い視点です。ぜひ、そういった視点で、シーズン2を見直すことを薦めです。

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■リーダーの決断~パブリックセキュリティの狭間で


ここ最近、庵野秀明監督の『トップをねらえ』 とクリント・イーストウッド監督の『父親たちの星条旗』『硫黄島からの手紙』 を見て、全体と個のテーマ#1というものを、考えていた。まさかこれほど、それがドンピシャに連想させる展開になるとは思っても見なかったが、そもそもこの脚本のテーマや物語の出発点を考えれば、当然だった。

あらすじにはこうある。

小型核爆弾テロ。(午前8時-午前8時)

シーズン1から1年半後のある1日が物語の舞台。 大統領となったパーマーのもとに「24時間以内にテロリストがロサンゼルスで核爆弾を爆発させる」という情報が届く。

僕は以前から、統合と分裂の狭間で病めるアメリカ社会を読むというテーマで、アメリカ合衆国を継続的にウォッチングしているけれども、アメリカ合衆国ほど、この全体と個の対立が激しく対立して、しかもそれが表へ噴出する国家はない。

一つは、アメリカ合衆国の歴史的立場から、世界の警察として地球人類のリーダと振舞わなければならないというやや帝国主義的なしかし決して否定できない現実が存在することがある。批判は挙げればきりがない(ましてや周辺属国である日本人の僕から見れば)が、しかし人類で最も実験的に、その理想を憲法の至上命題のmore perfect union・・・・より完全なる統合という言葉で追求する無邪気なアメリカ人を否定することも難しい。

潜水艦の『レッドオクトーバーを追え』という大人気小説Tom Clancy(トムクランシー)のジャック・ライアンシリーズが代表的で、そしてその他の小説やエンターテイメントで、アメリカの個人の決断が、人類の未来を担い、人類を代表しているというモチーフは、無邪気なほど何度も登場する。(ちなみに潜水艦者の最高傑作はこれだ!と僕が思う)






     

『ディープインパクト』『インディペンデンスデイ』などカタストロフィモノで、人類が異性人に襲われた時に、全世界のレジスタンスがアメリカ合衆国大統領の下に集結するというイメージは、他国が見ると少し笑ってしまうが、もし現実に異性人が攻めてきたとき全世界を統合できる理念と武力を併せ持つ国家は、事実上アメリが合衆国しかない、と言うのもまた事実だと思う。ちなみに、インディペンデンスデイの湾岸戦争のときのパイロット出身の大統領の呼びかけに、全世界の軍がレジスタンスとして立ち上がるシーンは、心が震えるほどカッコイイ!!。よく考えると、非常に帝国主義的傲慢な発想なのだが(笑)。でも、かっこいーもんは、しかたがない。

 

この現実が、アメリカ人を、無邪気な正義の思い込みにはしらせている。アメリカの傲慢な覇権による国益追求により、どれほどの犯罪と弾圧が最悪の帝国主義的に行われてきたかを考えると、背筋が寒くなる。しかし、その正義は、決して、嘘ではないところが難しいところなのだ。「統治」という正義は、必ず少数者や弱小勢力の弾圧を生む。それは、歴史の事実だ。しかい世界の混乱が、強大な軍事力による圧倒的な制圧やバランスオブパワーによる均衡がなければ、どこまで広がるかわからない。部族で殺し合いが続くアフリカやアラブ世界を見ると、必ずしもアングロサクソン的な軍事制圧と均衡による世界の警察的な発想が、すべてダメだと否定することが難しい。社会学者の宮台真司さんがこれをサンダーバード的正義と評したが、なるほど納得だ。


だが、そういった無邪気な正義・・・・・全体を重視する志向を一旦おいて置いて、アメリカの国内に目を向けてみよう。アメリカ合衆国の建国は、その建国の父たちの理想は、連邦政府を作ること非常に嫌った。それは、統合的な国家権力が、いかに個人を犠牲にするかを、イギリス帝国の国王の弾圧に抵抗して共和国を建国したワシントンら、アメリカ革命の指導者たちは、国家の強権がいかに市民の権利を破壊するかを身に染みて分かっていたからだ。

A.ハミルトン, J.ジェイ, J.マディソン, 斎藤 真, 中野 勝郎
ザ・フェデラリスト

そのあたりは、そういった個人の自由を重視しながらも、どうしても大帝国グレートブリテンと戦わなければならなくなった建国の指導者たちが、連邦政府(=統合的な国家権力)を作る過程での悩みを見るとよくわかる。


アメリカという社会は、あれほど統合的な集権的な強大な連邦政府と、一人の個人に全ての権力(交戦権さえある!)をまるで神に支配を許された絶対君主のように与える『大統領制』という制度を持つくせに、信じられないほど集権的権力を忌み嫌う伝統もまた同時に持っている。

詳しくは述べないが、アメリカ合衆国が、13の独立国が連合することによってつくられた合州国であるという起源から、その13のそれぞれの独立国とそこに住まう人々の自由をいかに、連邦政府に侵されないか、ということが病的なまでに染み付いてDNAとして伝統となっている。いわゆる連邦VS州権論の問題だ。アメリカの各州の知事(ガバナー)は、ただの地方政体の長ではない。アメリカの連邦政府が州を設置したわけでも任命したわけでもなく、州(STATE)という単位でそこに住む人々が政府を立ち上げることからはじまる。そもそも、州と訳されているが、Stateという英語は、国家という意味だ。これらのいわゆる自治的な地元意識は、憲法で銃などの軍事力の保持や、保安官の制度に代表される警察権力の保持などが認められている(そんな国家は世界中捜してもまずない)。そこに住む人々の独立を連邦政府から守るために、地元の人々は、民兵(ミリシア) を結成し武装して防衛する権利さえあるのだ(合衆国憲法修正第二条)。この強烈な地元意識が、アメリカの国家の解体を志向するものであることは、わかるだろうか?。アメリカは、あれほど強大な国家に見えて、常に内戦の危機と国内の政治体の離反・分裂を内包しているのだ。それも憲法の保証の元に。アメリカでもっとも悲劇的で深刻な戦争が、対外戦争ではなくて、南北戦争という国内の内戦であることもこのことの証明です。

鈴木 透
実験国家アメリカの履歴書―社会・文化・歴史にみる統合と多元化の軌跡

この鈴木透教授の本は、アメリカの基礎を学ぶのに最高の教科書ですが、これを読むとアメリカ合衆国という実験的な人の理念によって建設された人工的な国家の、統合へ向かう熱狂的ない意思と、同時に、個人を重要視して強烈に分裂して独立していこうとする、正反対の力学・ドラマツゥルギーが同時にコントロールされている凄い国家であることが分かります。


アメリカの映画や様々な反応を見るときに、もっとも気をつけておかなければならないのは、アメリカ人というのは、そもそも連邦政府という権力を、信じていないし、国家というものは個人を絶対に支配する最悪のものであるというちょっと病的な陰謀史観を、たくさんの人が持っているという部分です。お上は偉いという水戸黄門的なアジア人の感性では信じられないほど、この意識は強い。こういったものがアメリカ人の発想としては基本的なモノで、それが病的になると連邦政府の人民への圧政(という思い込み)を潰すために、テロに走るものも少なくありません。

たとえば、この24のシーズン2で、核兵器によるテロから目をそらさせるためにあるテロ組織が利用されて、CTUの支局を爆破しますよね。あの首謀者は、ジャックに

連邦ビルを爆破することは正しい!といいます。

これは、アメリカ人ティモシー・マクベイによる1995年4月19日に起きたオクラホマシティ連邦ビル爆破事件 を強く連想させます。911以前のアメリカ最大のテロ事件で、事件当初はイスラム教徒によるものとの憶測が流れたのですが、実際はアメリカ人によるものということがわかり、全米に衝撃を与えました。まさにシーズン2の脚本の骨格ですよね。


オクラホマシティ

イスラム教徒の手によると思われていたものが、実はアメリカ人自身によるものであったこと、またアメリカの連邦政府の強権や圧政により人民が支配され搾取されていると強く思い込んでいる層が実は根強くいることは、このシーズン2を見る上で、重要なポイントです。このあたりの常識がないと、途中の枝葉のストーリーが、意味を持ちません。とりわけ、ジャック・バウアーは、このCTU爆破の首謀者に対して説得する時に、連邦捜査官としての彼は受け入れられないにしても、人民を守るために連邦権力を破壊しようとするテロリストに、その守るべき人民を危険にさらす気か?というロジックで説得しています。この辺は、たぶん外国の人には、よくわからないことなのかもしれません。まぁ、とにかく様々なアメリカの物語を見るときに、ほとんど病的なテロリストから一般市民、政治家に至るまで、強大な国家権力が個人の生活を監視したり壊したりするというイメージがアメリカの市民には深く共有されていること、それが伝統であることを覚えておくと、興味深いです。

■パブリックセキュリティの問題は、個人の自由と社会の安全というテーマ

この国家権力が個人の生活をどのように侵すか?という問題は、全体と個というテーマの種類の一つで、とりわけパブリックセキュリティ(=公安問題)として、立ち現れてきます。個人の自由と社会全体の安全のどちらを優先するか?という近代法の極限の問題です。邦題では、『マーシャル・ロー』という映画がありますが、これは、国家権力が個人を自由を制限するには、個人ではなくパブリックセキュリティ・・・つまり国家自体が崩壊してしまう危険性がある場合にしか許されないという、法的に微妙な領域を扱っています。

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
マーシャル・ロー

■マーシャルローあらすじ(アマゾンより)

ニューヨークで、アラブゲリラの犯行とみられる連続テロ事件が発生した。動揺が広がるなか、アラブ系市民とほかの市民が一触即発状態になり、ついに軍は、アメリカ史上初の戒厳令(マーシャル・ロー)を施行する。ニューヨークは戦場となってしまうのか?
FBIとニューヨーク市警が共同で組織したテロリズム対策本部長のデンゼル・ワシントン、戒厳令軍総司令官のブルース・ウィリス、ミステリアスなCIA活動員のアネット・ベニング。それぞれが白熱の演技を披露する、ポリティカルアクションである。
テロリスト逮捕が先か、軍が市民に銃を向ける「暴発」が先か。サスペンスフルに展開するストーリーは目が離せない。監督のエドワード・ズウィックが脚本も担当している。(伊東文恵)

■アマゾンに以前書いたレヴュー

 9.11の前に作られたというのうが不思議なほど今の対テロの現実をえぐっている。逆に言うと、それだけアメリカ社会にとっては、9.11のようなテロがいつ起きても不思議は無いという感触があったと言うことなんだろうね。
しかし、こと「エンターテイメント」としては、とても分かりにくい。複雑な話を見事にまとめていた、『戦火の勇気』エドワード・ズウィック監督だったので、期待していたのだが。デンゼルワシントンの演技が、秀逸。しかし、その他の役者の存在感が、いまいちだった。というか、脚本がうまくなかったような気が。


20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
戦火の勇気

しかしながら、アメリカ合衆国憲法の歴史、太平洋戦争時の日系移民虐待行為(憲法違反として今なおアメリカで最大の歴史的恥部の一つ)などの背景の知識を持ってみると、興味深い。事実としてCIAや政府が独走して、国際法を簡単に踏むにじり、他国の元首であるノリエガ将軍を逮捕したことは、有名ですね。また社会学者の宮台さんが、何度か指摘しているが、これは公安問題(パブリックセキュリティ)の問題を扱っている。国家の治安(現体制の維持)を守るための軍事力が、結局のところの市民社会や国家を支える憲法や法のシステムを崩壊させかねないということですね。アメリカ社会のCIA、FBI、軍、政府などの組織がそれぞれどの理念や現実を背景に行動しているかを考えながら見ると、その緊張感はなかなかのものがあります。憲法や市民社会の自由の問題は、極めて抽象的なので、知らない人は、何を悩んでいるのか意味不明かもしれませんが。

とはいえ、これはアメリカからの視点でありアメリカの国内問題だけを扱っている視線を感じる。真の意味でのアラブ世界やアラブ系という他者は、感じられない。どうもアラブ人やパレスチナ人が理解不能に描かれすぎている気がするなぁ。でも、サイードのいうオリエンタリズムってそんなものかもしれないですねぇ。

えっと、近代社会では、とりわけ法の執行を司る警察官などの国家の安全に関わる仕事をする人々で、わかりにくいが複雑なシステムで意識されているのは、この個人の自由の制限と全体の安全を秤にかける行為です。欧米の政治学なんかでは、よくいわれますが、もしワイマール憲法下のナチス党を非合法として裏から潰すことをしていれば、あのような悲劇が行われなかったかもしれません。けれど、合法的な政党を裏から潰すというよるなことを、どういった正義の基準ですべきか、というのは悩ましいところです。カールシュミットの決断主義ですね。


カール シュミット, Carl Schmitt, 大久保 和郎
政治的ロマン主義

この個人の自由と制限にする問題は、とても抽象的でわかりにくく、とりわけ権力を市民自らの手によって権力者(=国王)から奪い取ったという歴史を持たない、アジアでは弱いものです。政治的自由とは、皇帝や国王などのお上が与えるもの、という意識がアジア的専制主義になれた歴史の元では、普通ですからね。


■何でこんなことを長々と説明するか?(笑)


僕の記事を継続的に読んでくれている人は、何故こんなことを長々と説明するかわかるでしょうか?。とりわけ、ネギまの連載を追っていく中で、難しいコトに回収せずに物語のご都合主義に合わせることこそエンターテイメントの基本であると言い切っていることを勘案すれば、この24も面白ければ、そんな複雑な背景はわからなくてもいいじゃないか、と言うこともできます。エンターテイメントのカタルシスがあれば、バウアーが勝てば、テロを防げればいいじゃないか、と。 でも、違うんです。これらの物語は、全体と個というものがストレートにテーマになっています。というか、「それ」こそが物語の核心なんですよ。だから、安易にご都合主義に回収するわけには行かないんです。仮に結論は、ご都合主義にしたとしても、物語のドラマツゥルギーは、この個人の自由と全体の安全をどこまで秤にかけるかという部分なわけで、その対立の深さと鋭さが、どこまで理解されているかによって、物語から受ける感動が違います。最近の刑事モノやテロリズムモノには、こういった背景を上手く物語にしているものが多い。全体と個というわけではないですが、警察官がいかに多くの近代的システムや組織力学に支配されているかということを、真正面から見据えたドラマとしては、やはりこれでしょう。日本では、先駆として押井守監督の『機動警察パトレイバー』の映画もそうです。これらは、どれも傑作ですね。昔のおきらくな『西部警察』とか『あぶない刑事』とかそういった刑事モノとは明らかに面白さの本質が異なっています。


ポニーキャニオン
踊る大捜査線 THE MOVIE ~湾岸署史上最悪の3日間!~
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踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!
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機動警察パトレイバー 劇場版
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機動警察パトレイバー2 the Movie

だから、こういったパブリックセキュリティに関する近代法の複雑な問題背景を知っていると、その最前線の究極の問題を突きつけられたジャックバウアー捜査官やデイヴィッド・パーマー大統領の決断の深さに、より深い感慨を覚えるのです。ましてや、911以後のアメリカはブッシュ大統領のいうテロとの戦争に突入し、日常的にこの問題が市民の自由を拘束し続けています。それは、世界中の全ての民主主義国家、近代国家でも同様です。だからそのアメリカの日常を追ったこの作品は、ぜひその問題を理解してみると、より深くコミットできると思うのです。

■やっと本題~デイヴィッド・パーマー大統領の決断はすばらしい

長くなりすぎたので、②へ続きます。


■参考記事

『硫黄島からの手紙』③ クリントイーストウッド監督 日本映画における戦争という題材

http://ameblo.jp/petronius/entry-10021294517.html

『父親たちの星条旗/Flags of Our Fathers』 クリントイーストウッド監督
http://ameblo.jp/petronius/theme-10000381975.html

160時間目「世界が平和でありますように」① 革命家は思想に殉じるべき
http://ameblo.jp/petronius/entry-10022483996.html

153時間目:綾瀬夕映の答えの予想~世界の理を曲げること

http://ameblo.jp/petronius/entry-10018551338.html

『Fate stay night』TYPE-MOON セイバーシナリオについて~不死性とは?
http://ameblo.jp/petronius/entry-10018303436.html

『トップをねらえ!1&2合体劇場版』 庵野秀明&鶴巻和哉監督 仲間を守ることと自己犠牲
http://ameblo.jp/petronius/entry-10020155175.html

#1:全体と個のテーマ

一言でいえば、全体・・・たくさんの人の幸福をとるか、個人の幸福をとるかという問題。少し水準を下げて具体性を持たせると、全体=国家やパブリック(公)のことで、個人は個人の自由と幸福追求の権利等の人権となる。もう一ランク水準を下げると、チーム(=仲間)とリーダーや一兵卒で、チームの目的を取るか、それともそこに集まった一人一人の気持ちを大事にするか、という二者択一を迫られるパワーバランスのこと。この概念を基礎としたテーマは、人類のあるあゆる活動で常に先鋭的に対立している重要問題。政治哲学などの学問の世界から、何か目的を持って人が集うところに必ず発生する問題。

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評価:★★★★★星5つのマスターピース

(僕的主観:★★★★★星5つ


 ああ・・・これは傑作だ。まだ夜の2時までしかいっていないが、もう傑作だと決断してなんら問題がない。ここまできたら、たぶんかなり速いペースでシーズンVまで僕は見ると思う。見事なドラマだ。これ絶対、見るべき素晴らしい作品ですね。僕はかなりアメリカなどにおける背景知識を持ってみているけれども、そんなものナシでも充分面白いし、ひきこむ。見事だ。


何が見事かって・・・・・僕はこの作品が、どういう風に放映されているか詳しくはしらないが、FOXテレビのテレビドラマで、たぶん毎週とか放映されているものなんだと思う。


下記の話で、話題にしていたんだけれども、


■160時間目「世界が平和でありますように」① 革命家は思想に殉じるべき
http://ameblo.jp/petronius/entry-10022483996.html



あのですね、エンターテイメントの素晴らしい作品ができるための条件、ってなんだと思いますか?


それは、やはり激しい競争があり、そして読者と創造者のコラボレーションがヴィヴィッドにおこなわれている、そういった商業主義的な仕組みが出来上がっているかどうか?だと思うのです。僕は、世界に広まったり、他の国で熱狂的に支持されるような良質のエンターテイメントを継続的に生み出せる国が、資本主義国の中でも一流の国家だと思っています。文化的にもね。というのは、それはその国に住む人々の『生活の質』を左右する娯楽(エンターテイメント)が、他国の大衆が受け入れられる普遍性と深さをもって、継続的に生み出される仕組みを作り出せている証左だからです。一流の消費者・受け手が存在しなければ、こういった大衆娯楽的な物語は作り出すことが出来ません。そのため、かなりの民度が・・・民主主義や消費が成熟していないと、作り出せないからです。実際、世界中で、他の国へ文化を輸出できるような国というのは、国家として、文化として非常に成熟していることがわかるわけです。日本のゲームしかり、韓国の映画しかりです。ハリウッドは、いうまでもありません。


>エンターテイメント(物語)は、文学よりも懐が深くて、集合論で考えると物語のほうが大きな枠なんだよね。つまりは、物語とは、人々から支持されカタルシスがありつつも、その中に文学的な奥深さを内包できるんです。だから、そのバランスを取りながら、同時代の読み手にカタルシスを与えつつ、同時代のたくさんの人が持つ集合的無意識を写し取ることによって普遍性に至るという到達の仕方をするんだと思う。つまりは、日本のマンガが世界を席巻する力を生み出したのは、いまだから結論出せるけど、やはり週刊連載という独得の時代反映のマーケティングシステムをつくり出したから、と思うんだよね。

http://ameblo.jp/petronius/entry-10022500608.html

12/30の記事から引用


何故この話をしたかというと、アメリカのテレビドラマの質の高さを論じる時には、やはり、この点を抜きには語れないからだと思います。魔法先生ネギま!の連載を追っていろいろ評価するうちに、やはり週刊連載というシステムを作り出した日本のマンガ市場は、非常に優れているのだなと思ったんです。いわゆる週刊ジャンプによる人気投票システムなんかはその最もよい例ですが、『人気』というマーケットメカニズムを軸に、評価というものを作り出していくことは、凄く重要で、このシステムが上手く成立したところに、素晴らしい作品が生まれるんでしょう。アメリカのショービジネスの世界が、いかに凄まじい競争のなかで行われているかは、いうまでもないのですが、昨今のアメリカのドラマは、そのシステムが非常に機能しているんだろうな、と思います。24時間という設定上の制約はあるので、そもそもある程度脚本上の結論を決めてはいるとは思いますが、週刊とかで放映されているんだから視聴率とか、凄まじい競争原理にさらされているだろうなーと思うのです。だって、『アメリカン・アイドル』 とか『プリズンブレイク』とかが放映している局なんだぜ!。すげーよ。あーーーすげぇアメリカに住みたいよ、俺。リアルタイムで見れたらなー。。。。

 

それにね、『プリズンブレイク』も『24』も、こういう犯罪モノやサスペンスみたいなものが、全然スキじゃない妻が、食い入るようにみるんだから、ホント万人受けするものなんだと思う。これは、見ていない人がいたら、見ねばなるまいって感じです。僕は、妻がスキかどうかをいつも面白さのバロメーターにしているんですが、彼女がとても好きな恋愛系の映画などではなく、妻の好きではない系統の作品で、それでも彼女が見て楽しかった、というものは、普遍的にいい作品で人気がある場合が多い。だから、彼女が食い入るように見ているこれらの作品は、たぶん凄いんだろうと思います。ちなみに、彼女は、ネギまというマンガでは、まほら武道会からいきなり面白くなった、と発言していたのも印象的だったな・・・それはどうでもいい話だが。



a


<<注意!!CAUTION>>

この先は、ネタバレなんで(この作品はネタバレすると最低です!見る気がある人は、すぐ画面を変えてください。





いやー『プリズンブレイク』でも同じ手法なんだけれども、誰が悪役かが最後の最後までわからないというか、、、、、毎週あまりにどんでん返しの連続なんで、連続して見ていないと、わけがわからなくなるほどなんだけれども、逆にいうと、たぶん毎週放送のドラマで視聴者をあきさせないようにすることで生まれた手法なんだと思う。


結局のところ、核爆発を起こそうとしたテロリスト『第二の波』の犯人アリ・サイアドの協力者、、、というか実行犯の一人は、マリーだったわけだが、ここまでひっぱってきて、だれが犯人かわからないようにするのは、見事だった。



『24-TWENTY FOUR- シーズン2』 AM8:00~PM13:00 イスラムの描き方が

http://ameblo.jp/petronius/entry-10022736154.html



ここで、中東系のテロリストへの扱いを非難したが・・・そのステレオタイプな誤解を与える描き方にはいまもって、批判的に思うが、、、、しかし、この結末を考えると、物語のドラマツゥルギーとして見事だ、ともいえる。マリーは、本気でレイザー愛していたとも思うし、こういう青臭い学生があるきっかけで(この場合は母親の死)テロリストに洗脳されてしまうというのは、よくある話だ。鯨を守れとか、緑を守れとか・・・社会運動に興味があったのに、行方不明の1月後からは、そういえば政治に興味を失った・・・と父親が話していて、「教育されると当然です、内面を見せないようにしますから」といわれたのには、非常に納得。このマリーとお姉さんの二人の姉妹の関係は、とっても深く描けていて、よくこの緊迫して時間がないドラマの中で描けているよなーと感心する。ほとんど背景説明をしていないんだけれども、物語が進む中で彼女たちの言い争いで、その関係がよく分かってしまう。人は、非日常にほおり込まれたりぶつかり合う時に、パニックになる時に本性が出るもんだ。母親が死んだ後、妹を守るため、愛するが故に、過保護にしてしまったことで、、、、その愛情による過保護の反発から、愛しくも姉を疎んじているという微妙な関係が、見事に表現できている。だから、彼女が、テロリズムに走った動機なんかも、よく伝わる。家族がちゃんと描けているからだ。にもかかわらず、本筋のストーリーとしては、このマリーたち家族のことやマリーがテロリストであったことは、物語の進行上の小さな物語に過ぎないなんだよね。それがすごい。


それに、トニー・アルメイダが中東系のレイザー(マリーの結婚相手)を尋問している時に、「ロンドンで育った僕が、イスラムの狂信派になるわけないでしょう?」


というセリフを返して、アルメイダが


「ロンドンに、先進国の若者をテロリストに勧誘するリクルートセンターがある」というやり取りがあったんだが、これってマリーがロンドンで育ったという話の伏線なんだよね、、、かなり時間の間隔に空きがあるので、連続で見ると見過ごしてしまいそうだが。いやーこういった米国内での家族の問題や差別の問題を、よーく絡ませているので、非常にリアリティを感じる。凄い同時代的だ。いいなー本当に。







20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
24 -TWENTY FOUR- シーズン2 ハンディBOX



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評価:★★★★星4(最終評価はまだ)
(僕的主観:★★★★星4つ)


シーズン1を妻とイッキに見た後、時間が取れなくて、おきっぱなしになっていた作品。見れば間違いなく面白い、と分かっていながらも、時間が取れないと見るのが厳しい。展開が速すぎるのと複雑すぎるので、一気に見ないとその面白さが半減してしまうからだ。なかなか、そんな時間取れないもん。そういえば、主役のキーファー・サザーランドは、2006年にエミー賞最優秀主演男優賞を受賞していますね。スタンドバイミー以来作品に恵まれなかったので、よかったですよねー。


サザーランド

とにかく、いま妻とイッキに見ていますが、ほ一気に見るとおもしろいなー。凄いわかりにくくて、二人で今の人物って、、、、こういう意味だよね?とか、しゃべりながら見ていますが、はっきりいって、そういったことが理解できていないくても、面白いところがなかなか凄い。さすがFOX。エンターテイメントを分かっている。


■あらすじ

アメリカの連邦機関であるCTUロサンゼルス支局の捜査官ジャック・バウアーとその同僚や家族がテロリストと戦うサスペンス・アクション。非常に多い登場人物、予想できないストーリー展開、ズームと意図的な手ぶれを多用したドキュメンタリー映画のような映像が特徴である。また、画面を多分割して同時進行する事態を描写する「スプリット画面」が多用されているのも印象的である。緊迫した任務中にも関わらず男女が色恋話を繰り広げることも少なからずあり、この点は視聴者には、賛否が分かれるところである。

■シーズン2のあらすじ


小型核爆弾テロ。(午前8時-午前8時)

シーズン1から1年半後のある1日が物語の舞台。 大統領となったパーマーのもとに「24時間以内にテロリストがロサンゼルスで核爆弾を爆発させる」という情報が届く。

妻の死による心の傷が癒えないジャック・バウアーは、CTUを休職していた。 一方、デイビッド・パーマーはアメリカ合衆国初のアフリカ系人種の大統領として活躍していた。 娘のキムはジャックとは離れて暮らしており、ロス市内にあるマシスン家でベビーシッターとして住み込みで働いていたが、一見幸せそうに見えるその家庭では、父親による幼児虐待が行われていた。

核の脅威からロサンゼルスを守るために、パーマー大統領の懇願により、ジャックはCTUに復職する…
http://ja.wikipedia.org/wiki/24_-TWENTY_FOUR-#.E3.82.B7.E3.83.BC.E3.82.BA.E3.83.B32



■やっぱりFOXなのかなぁ、、、イスラムの描き方が・・・


FOXテレビってのは、右傾化はなはだしい人気取りのテレビ局ではあるんだけれども、この対テロユニット(CTU)というのも、その上部機関であるアメリカ国土安全保障省 (DHS = U.S.Department of Homeland Security)#1とかが、もう法律ぶっ飛んでいます(笑)状態で、緊急事態に対応し続けるんだけれども・・・。こんな憲法無視のパブリックセキュリティ問題が常時顕わになっているような、ヤバイ危機が続きすぎるのって、いかにもいまのイラク戦争・・・というか、対テロ戦争を遂行中のアメリカの日常の雰囲気を表わしているなー。と思います。


#1:第43代大統領 ジョージ・W・ブッシュによって設立された。 過去50年にない規模で、国防総省に次ぐマンモス省であり、平時・戦時にかかわらず、大統領の命令によって業務を行うものとされている。 細菌テロなど現代生活を脅かす危険に対する機関であるので24時間体制で活動している。

#2:http://www.dhs.gov/index.shtm

でもさーこんなに危機ばかり続いていたら、さすがにヤバイでないかい?ってぐらいテロリズムによる巨大な危機の連続。これが全米を沸かす人気作品として放送されるというのも、アメリカにいかにテロリズムの危機という物語が浸透しているかがわかるなぁ。ドラマってのは、その国の日常の反映だからね。それに、このほとんど全てのテロリズムの原因が、イスラム系のテロ組織というのがなんとも気になる。微妙に、副目標でCTUの本部がテロの対象に狙われるときには、アメリカの連邦ビルを破壊することを目的とする一派などが出てくるが、やはりテロ犯罪の首班は、イスラム系の人間という偏見があまりに強く感じてしまう。こんなのテレビで放映していいのかな・・・と個人的には思ってしまう。あまりに偏見を助長するだけなのでは?って。


アメリカ人の女性と結婚する当日にCTUに踏み込まれた中東系の青年は、


「僕の兄たちは、処女としか結婚しなかった」


とか、いきなりしゃべるし・・・。そりゃ、イスラム系の文化で、貞潔についてそういうのはあるかもしれないが、ロンドン生まれの米国育ちの青年が、いかにイスラム系とはいえ、そんな誤解を生みそうな発言を、なんの注釈もなくいきなりストレートに言うというのは、ちょっとなぁ・・・。やっぱ偏見??としか、思えないなぁ。アメリカの映画やドラマの中では、中東系の男性はこの系統のセリフをよくしゃべるんだけれども、こういうセクシャリティに絡む発言って、すごく偏見や差別意識と結びついているので、不用意に背景も無視でしゃべられると、なんとなく、それでいいのかな・・と思ってしまいます。だって、日本の女性は、すべて芸者ガールで金出せば買えます、とかドラマでいわれたら、なんじゃそれ?って思うでしょう?。映画『ライジングサン』で、裸の女性の上に刺身を並べて食べていたヤクザみたいなもんですよ。

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ライジング・サン

明らかな日本人差別。芸者の存在がそういった売春的なモノと結びついているのは否定できないだろうけれども、そのへんは奥深い文化的な伝統とかいろいろあって、なかなか一言では説明しにくいものだ。そういうのを、すべてまとめてステレオタイプ化する危険性を、すごく感じてしまう。他の文化の存在を認めない、、、サイードのいうオリエンタリズムだなぁ、と思います。

鈴木 透
性と暴力のアメリカ―理念先行国家の矛盾と苦悶

エドワード・W. サイード, Edward W. Said, 今沢 紀子/オリエンタリズム〈上〉

ましてや、どうもそういったセクシャリティー・・・・とりわけ、白人の女性を他の人種の男性に奪われるという部分には、共同体的的な賛同による、リンチの伝統の発動を促がす伝統がアメリカにはあるわけで、そういうシーンにあのセリフってのはなぁ、と思ってしまう。まぁ、FOXってのは、凄まじく大衆に迎合した右傾的なテレビ局だから、そういう一般的なイメージを増幅して売りまくるってのは、基本戦略なんだろうなぁ、とか思ってしまう。


■アフリカ系アメリカ人初の黒人大統領デイヴィット・パーマー


とはいえ、そこが大衆的なものの結晶のドラマ。ここまで白人の老練なエリートたちを自然に従えるアフリカ系アメリカ人の大統領!というのが、これほどまでに長期にわたって、自然にメディアにのるというのもアメリカ社会がすごく変化していることの証左だなぁ、と思う。実際、パーマー役の黒人俳優は、民主党と共和党の両方から出馬要請があったとか(笑)。日本と同じですね。芸能人などメディアの露出が多い人が政治家になりやすいのは。


デニス
アメリカ人にとっては、大統領というのは、聖なる存在で、メディアでも『インディペンデントデイ』や『デーヴ』『エアフォースワン』など、強く気高い存在として、何度も出てきており、この役割が、仮にメディアの中の物語の役割であれ、アングロサクソンでの男性でない人物が演じるというのは、もうそれだけで非常に強いメッセージを持ってしまうのです。

ジェネオン エンタテインメント
エアフォース・ワン
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インデペンデンス・デイ
ワーナー・ホーム・ビデオ
デーヴ

以前、『ディープインパクト』でモーガン・フリーマンが、人類最後の日に当たる時の人類の代表として全世界に呼びかける黒人のアメリカ合衆国大統領という役割を演じていましたが、それを思い出しました。

ソニー・ピクチャーズ
ディープ・インパクト

まっ、とにかく見る価値はありますよ。面白いもん。漫画ばかりコメントを書いていましたが、2006年は、アメリカドラマにはまりまくった年でもあって、とりわけ、妻とは、『プリズンブレイク』に熱狂的にはまりました。これは、まだ未完ですが、、、すげーーーーーーーおもしろいっすよ!。おもしろすぎて、何が面白いか説明できていないけど、まだ(笑)。それに、『セックスアンドザシティ』『デスパレートな妻たち』『LOST』などなど、全部見終わっているものといないものがありますが、このへんは、もう本当に面白い!。やっぱり、物語っていいですねー。昨今のアメリカのドラマは凄いです。

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