『スターウォーズ・エピソード3・シスの復讐/ジョージ・ルーカス監督』を見た! | 旧館:物語三昧~できればより深く物語を楽しむために

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HP:http://www.foxjapan.com/movies/episode3/


★★★★☆星4つ半


僕は実は、あまりスターウォーズシリーズが好きではない。傑作であるのは疑いようがないのに、どうもあまり見ることへの情熱はないのだ。


世代的なこともあるだろう。初めてエピソード1であの映像が出た時代は、70年代後半かな?もしくは80年代最初ぐらいだと思うが、まだCGまともになかった時代だ。あの時代に、あの映像を見たときのセンスオブワンダーは、凄まじかったと思う。ファーストガンダムに出会うみたいなものだ。その頃僕は、まだ映画なんて見る年じゃなかったので、思い入れが少ないのだろう。



そしてなによりも、本日全エピソードを見終わって考えてみると、やはり、この作品が傑作である理由は、


骨太の物語


であることだ。非常によく言えばシンプルで、悪く言えば子供だましの単純さ。僕自身は、もう少し複雑な心理的葛藤や世界観を好む性格なので、単純すぎて子供だましに感じてしまうのだ。



「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望 特別編」
「スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲 特別編」
「スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還 特別編」
「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」
「スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃」
「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」



とはいえ、その期待感のなさがよかったのであろう!。凄い凄いおもしろかった!!。新三部作中では、一番の傑作だと思う。


穴金(笑)(←こう変換された)




『アナキンが、ダークサイドに堕ち、ダースベーダーになるまでの悲劇』



といわれるが、本当に、それ以上でも以下でもなくストレートに骨太の悲劇でだった。

なにが素晴らしいかといえば、ハリウッドシステムによるスーパー大作で、


なにからなにまで悲劇


を描いた点であると思う。マイナーな作品ならいざ知らず、ハリウッドの大作は資金を回収する義

務があるので、ほとんどがハッピーエンドで終わります。それを、この規模で悲劇を描ききったの

はすごい。


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見ていて思ったのは、4点。


①これがハリウッドの大作にはめずらしい骨太の悲劇であること

②銀河帝国と銀河共和国の政治的理念の対立

③西洋的想像力の極み

④パドメのこと


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②銀河帝国と銀河共和国の政治的理念の対立


あまり物語のドラマトゥルギーに関係ないのですが(笑)、こういう背景をさえて見ると、なかなか違った世界が見てきます。

とてもオーソドックスな西欧の伝統や民衆的想像力をベースにしているSWは、それが故に古典ギリシア時代に遡るお馴染みの政治論争を舞台にしています。



凄く単純にいうと「政治体として独裁制と民主性のどちらが望ましく優れているか?」です。



こうしたことを知っていると、なぜ帝国と共和政の争いがスターウォーズの舞台であるかが分かってくる。


一度書評で書いたことがありますが、民主主義(デモクラティズム)は、独裁制と最も親和性がある政治体なのです。これは、古典ギリシャ時代からの西洋政治哲学の基本命題で、あまりにも基本的に過ぎて、わざわざ話すこともないくらい基本的なことです。


そもそも民主政体というのは、維持するのが凄くコストがかかる政体で、そのわりには、非常に効率が悪いシステムです。


都市国家ポリスのアテネで、戦争をするためにどんどん参政権を奴隷にまで拡大していって、兵士こそ増えたが、最終的には衆愚政治に陥って、その衆愚政治の打開策として独裁者が登場してきます。


民主政体は、参加する市民の民度に比例する政治体で、基本的に民度は時がたつにつれてレベルが下がりやすいのです。その非効率性の打破には、ほとんど独裁しかありえません。



SWでは、専制政治=悪で、共和制=善と描いていますが、必ずしも政治史的には、そうとは言い切れません。というのは、このアテネでの経験を生かして、その後西欧では、ローマ共和国において、安定した統治と市民の幸せのために、皇帝による専制政治(限定があるが)を選択するようになります。ココで重要なのは、民衆のために、専制政治が選ばれている点です。



僕は田中芳樹さんの『銀河英雄伝説』が傑作だなーと思っているのですが、それは、腐りきった民主主義よりも、効率で倫理ある専制政治のほうが、マシではないかという、ちょっといいにくいが実は重要な問いを発しているからです。



このように、西欧には伝統的に、政治体としての独裁制と民主性の葛藤を扱う癖があります。


その最も典型的なのは、1920年代当時最も民主的優れた憲法であったワイマール憲法が、圧倒的な民意を背景にアドルフ・ヒットラーを選択してしまった点です。


文化政策的には、ナチス・ドイツ第三帝国は、ユダヤ人排斥や人種・遺伝差別という、ちょっと受け入れられない最低の政策を実施しましたが、しかし経済政策に関しては、今でも経済学の教科書の最高例になるべきアウトバーン建設などの有効需要政策(今で言うケインズ政策ですね)を実施し、貧困と失業率・インフレで狂って混乱していたドイツ経済を、一瞬にして立て直し、失業率をゼロ!にまでして、全世界相手に有利に進められる圧倒的軍事力・産業力・科学技術力を作り出してしましました。これが、いかに凄いことかは、不況期の日本の政治的無能さを見ればわかると思います。



こういう葛藤が背景にあって、あの元老院による銀河皇帝選出問題があるのです。



というのは、武力を持たない元老院による共和体制は、それが故に内乱を発生させてしまい、それを押さえ込む軍事力と指導力がないが故に、常時内乱戦争状態が継続してしまいます。


ココでは描いていませんが、たぶん、ヨーロッパ的に考えれば、コソボやボスニアヘルツェゴビナのような民族浄化や虐殺が頻発していると考えられます。


こうした常時継続している内乱状態を、圧倒的な非常時大権で、戦争をなくそうとする銀河皇帝の政治センスは、実は、鋭いのです。



一方の非軍事化による内乱の継続を主張する平和主義者のパドメやジェダイ評議会は、ある意味、理想的な空想論者で、では、いま起きている内乱をどう処理するか?という現実対処に問題があります。


僕的には、これほどの豊かな政治センスを持つダース・シディアス(共和国議長)を、善悪二元論で、単純に悪と描くセンスは、まぁー70年代の米ソ対立華やかし頃のアメリカの脚本だなーと思います。


僕ならば、悩まずにシディアス卿に馳せ参じます(笑)。


だって、それで戦争なくなるんならいいじゃん!!。


別に、人種差別とかそういう狂った目的もないんだから、数千の惑星の交易レーンの安定性とか政治とか、そんな物凄い難しいことは、皇帝に任せりゃいーじゃん(笑)。


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③西洋的想像力の極み


SWは、西洋的想像力の極みが行き着いた最もオーソドックスな民衆的想像力をベースにしています

。たとえば、1920年ごろの映像作家フランスのルネ・クレール『眠りパリ』などや、そのベースとなった欧州の民衆が生み出した怪物たち(とりわけサーカスなどで演じられていたケルト神話などの古層の想像力から生まれた)などなどの映像などを見たことがある人ならば、その類似性に非常に感銘を受けるでしょう。


④パドメ・・・

つかれたので、これは後に・・・

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