前回記事で、スクワットではリブダウン=肋骨を下げる事が必須という事について書きました。肋骨が上がっている状態になると胸椎が反りやすくなり、しゃがんでいくに連れて体幹の力が抜けてしまうので、下半身からの力を上半身に伝えられなくなります。
☑️チェストアップ=胸椎が反り肋骨が上がった状態、は駄目。
☑️リブダウン=肋骨を下げる、が必須。
リブダウンせず、チェストアップした状態
リブダウンして、チェストアップが解消された状態
スクワットでシャフトを担いだ後に、肘を提げる事で肋骨を下げるのがリブダウンです。肘を身体の後ろ側斜め上部=背中側斜め上部に張りすぎる事の反動として、上半身のバランスを保とうとする事で、胸が反りやすくなりますが、肘、肋骨をお腹側斜め下に少し下げる事で、=胸の反りを防ぐ事が出来ます。
胸を反らないように上半身を前側に傾けて、丸めてしまえば、胸の反りを防げるのでは?と思うかもしれません。
しかしながら…
✔︎胸を一切張らない方が良いのか?少しでも張る方が良いのか?
について掘り下げていきます。
スクワットでは一般的に、上半身を丸めるのは駄目、上半身を丸めると腰を痛める言われます。それは正しい事です。
ただし…上半身を前側に丸めない事を強く意識しずぎると、今度はその反動で、胸、腰が反った状態になってしまいます。
スクワットでは、上体が前側に丸まるのも、背中側に反るのも共にNGで、頚椎〜胸椎〜腰椎で構成される上半身を一直線に真っ直ぐにする必要があるのです。つまりバランスが大事だという事です。
胸を張る=上半身を真っ直ぐにする
と解釈すると理解しやすくなると思います。
さてここで更に出る疑問が…
スクワットではそもそも骨盤前傾しない方が、上半身は真っ直ぐにしやすいんじゃないの?という点についてです。
✔︎骨盤前傾は全くしない方が良いのか?少しでも骨盤前傾した方が良いのか?
答えはNO!スクワットでの骨盤前傾は必須です。
理由は、スクワットでは少しでも前傾しないと背中側、肩甲骨でシャフトを担げなくなるからです。肩甲骨がかなり出っ張っている人でも、上半身を全く前傾しないで地面と垂直な状態だと、重いシャフトを背中、肩甲骨で担ぐ事は不可能だと思います。
骨盤前傾については過去記事で詳しく解説しているので、宜しければご覧になってください。
スクワットでは、骨盤前傾してシャフト=負荷を担ぎやすくする、且つ胸を反らさずに上半身を真っ直ぐの状態になるようにします。その真っ直ぐな状態というのは地面と垂直という意味ではありません。そこで大事なポイントが視線の向きです。実はスクワットでの視線ね向きは真正面ではありません。
視線を上記イラスト赤矢印のように斜め下にすると、骨盤前傾と胸を反らさないで上半身を真っ直ぐにする事の両立が可能になるのです。
パワーチューブさんの動画では、スクワットにおける上半身の使い方の説明の中で、前傾させながら胸を張る事を強調していますが、決して、胸を反るとは言ってません。実際に実演では、上半身を真っ直ぐな状態にする為に胸を張っています。