健康診断をもう一度考える | シニア犬 最期まで幸せでいてほしいから

シニア犬 最期まで幸せでいてほしいから

ブログの説明を入力します。


テーマ:

健康診断の価値
 ワンコ達に幸せに長生きしてもらうために必要なこと、つまり、アニマルウェルフェア(動物福祉)に基づいた生活を提供することの重要性はいくら強調しても足りないように思います。具体的にはこれまでも述べてきた「5つの自由」です。その中で私の獣医師としての管轄は「Freedom from pain, injury or disease by prevention or rapid diagnosis and treatment」、「予防または早期診断と治療による痛み、外傷、病気からの解放」です。
 「予防」については多くの飼い主さんが対応しているように思います。具体的には狂犬病ワクチン、2~9種の混合ワクチン、フィラリアの予防薬、ノミ・マダニ・消化管内寄生虫の駆除剤などがこれに含まれます。
 では、「早期診断と治療」について考えてみましょう。犬が痛みを感じたり、どこかにけがをしたり、病気になったりした時、はじめにそれらを反映するのはわずかな行動の変化の場合があります。飼い主に甘える行動の少しだけの増減、少しだけ顔色が悪い、少しだけ動きが遅かったり足の運びが悪い、食べる量や飲む量の少しだけの変化、尿や便の回数や量の少しだけの増減・・・。この「少しだけ」というのが曲者です。でも、実は毎日犬と接している飼い主だからこそ気づく変化でもあります。で、早期診断と治療のためにはこの段階で動物病院に連れて行くことが大切なわけです。

 しかしながら、皆さんにも心当たりがあると思います。犬の行動だけでなく自分の体調だって毎日少しずつの変化の場合、不思議と慣れてしまうんですよね・・・。ある時、ゆっくり振り返って考えてみて「おや!たいへん!」と思うことってありませんか?
 健康診断を定期的に行うことの価値は大きくふたつあると思うのです。ひとつは今書いたちょっとした変化が積み重なってきているにもかかわらずその変化に慣れてしまってまだ動物病院に連れて行くという行動をとっていなかった時にかかりつけの獣医師がその変化を指摘する機会が与えられること。もうひとつには全く行動の変化が生じていないにも関わらず身体の中での変化が生じ始めていて、血液・尿・エックス画像・心電図・超音波画像などに変化が生じていることに気づく機会が与えられること。

 小・中型犬は9歳、大型犬は7歳、超大型犬は5歳までは年に1回、それ以降は年2回定期健康診断を受けることが望ましいでしょう。そして、たとえばるか(ポメラニアン)なら、7歳の時点で全く異常を感じていなくても心臓に関する検診(心電図、胸部エックス線撮影、エコー検査)を併せて受けるなどそれぞれの犬種がかかりやすい疾患への対応を獣医師と相談して行うことをお勧めします。早期診断・治療によってQOLを保った高齢期を過ごすことが可能になる、つまり私たちの相棒のアニマルウェルフェアを護ってやることが出来るということになります。

 毎春にフィラリアの予防薬や狂犬病ワクチン接種と同時に健康診断を依頼する飼い主は多いと思います。今年は私の友人達3人から定期健康診断で見つかった病気についてご連絡いただきました。Aちゃん(9歳)は血液検査で低たんぱく・低アルブミンが見つかり、その後の諸検査で特発性腸リンパ管拡張症と診断されたこと、B君(10歳)は血清検査で肝臓酵素の異常高値が見つかり、その後の諸検査で肝臓腫瘍と診断されたこと、C君(7歳)は心電図、胸部エックス線撮影で僧房弁閉鎖不全症と診断されたとのことです。いずれの友人たちも全く犬の行動の変化には気づいていなかったので、まさに晴天の霹靂だと言っていました。これらの報告を聞きながら定期診断の重要性を改めて皆さんに強調しておきたいと思った次第です。

獣医師・南佳子さんをフォロー

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります