犬の成長と行動の変化 | シニア犬 最期まで幸せでいてほしいから

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犬の行動は変化する!

 飼い主さん別の飼育方法アドバイスはいったん終了し、犬の方に焦点を戻します。「子犬の時に社会化をさせたつもりなのに、成長するにつれて他の犬遊ばなくなってきたんだけれど、なぜ?」というご質問をいただきました。で、このタイトルになったわけです。

 犬の行動は、主として遺伝、学習、環境の3つの要素により常に変化し続けます。行動の種類によって、三つのうちの一つが強く出て残り二つの影響を抑えることがありますし、三者がある程度以上の強さでそろわないと発現しない行動もあります。遺伝というと、生まれた時から持っているのだから子犬のころに発現しその行動がそのまま継続すると考えがちですがそうではありません。遺伝子に組み込まれている行動がいつ発現してくるかは、その行動の種類によって決定されています。例えば、幼い頃に発現し成長につれて収束していく行動もあれば、性成熟期に発現し一生涯同じ強さで継続する行動もあります。もちろん、学習能力や、環境が与える影響をどの程度受けるかも遺伝によって左右される面を持っています。学習量によって環境が与える影響も変化します。つまり行動の発現には三つの要素が入りまじり、とってもややこしく、個体によって全く異なるということです(笑)。

 そもそも犬の社会化とは他の個体と遊ぶことではなく、他の犬との関係も含めて人間社会でうまくやっていく能力を養うことと私はとらえています。だから遺伝ではなく学習です。ご質問の他の犬との間で見られる社会性の変化なら、社会化は置いといて、発現している行動を考えるほうがわかりやすいかもしれません。遊び行動は母親、兄弟、物などに対して、幼齢期には野生動物を含めてほとんどの動物種で見られる行動です。遊び行動は弱い自らを保護してもらうために役立つと考えられています。確かにパピー期のあの行動にはやられちゃいますよね!ペットショップで子犬や子猫が良く売れるのもこのせいでしょう。つまり、親(犬)だけではなく時には種を超えて作用するわけです。遊び行動自体は、幼齢期に発現し成長と共に収束していく行動です。社会性で言えば、子犬の時のような激しい追いかけっこやじゃれ合い遊び、いわゆるワンプロと呼ばれるような、くみつほぐれつの遊びは次第に減少し、逆にお互いの匂いを丁寧に嗅ぎ合い一緒に歩いたり休んだりすることを静かに許容しあうというおだやかな関係性に変化していくわけです。

 始めて出会った成犬同志が遊ぶかどうかは、両者のこれまでの学習(似たような犬と遊んで楽しかった)、遺伝(遊び行動をより強く発現し続ける)、その場の環境(安心できる環境)によって決まります。他の犬への攻撃行動も全く同じで、これまでの経験(似たような犬と出会って嫌なことがあった)、遺伝(遊び行動が成長と共にほぼ収束する)、その場の環境(緊張を強いられる環境)によるわけです。遊ぶにしても攻撃するにしても3条件全てがそろえばその行動が発現するはずですが、先に書いたように条件のプライオリティが時によって違うのです。だから、時々飼い主は頭をひねることになるわけですね。でもここが行動学の面白いところでもあります。

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