「ひとり時間、何するの」って何度か聞かれましたが、特にあまり何も思いつかず。
ギリギリになるまで予定をたてたくなかったんでしょうね。とりあえずのんびりしたかった。
でも、ひとり時間が始まって、つい最近南仏に行った友人と話していたときに、ぶわっ!と甦りました。
そうだ、私、ずっと南仏行きたかったんだった。。。
南仏と言っても広いのですが、マティスのチャペル、そしてグラース。
この2か所はもうずっと長い間行きたくて、エドにも言っていたのですが、機会もないまま、現実味を帯びない願望レベルにとどまっていて。
でも、グーグルマップで見たら…車で6時間。
全然行けちゃうじゃん。どうしよう…行っちゃう行っちゃえ
*アメリカ育ちのせいか、運転に対する耐性はわりと高いようです。1日6時間+とか、昔はよくやってました。
思い立ったが吉日。行動は早い私。
ホテル、さくっとグラースの近くに見つかる。予約完了
月曜日の朝6時過ぎに起きて、7時前には出発。
空いていたので、1時間半で国境到着。
実家から東京行くよりも、うちからフランス行くほうが近いだなんて
今回不思議だったのは、一人旅だから誰とも話すことなく家を出て、もちろん車中でも音楽を聴くだけで無言、4時間ほど運転して、やっとサービスエリアで下りると、当たり前だけどそこはもうフランスで、フランス語の世界が広がっていたこと。
普通旅に出るときって、電車や飛行機だと、駅や空港でスペイン語を聞くし、アナウンスの言葉も変わるし、なんらかのトランジションがあるわけですが、車の中なんてまだ自分ちみたいなものだから、家から一歩出たら、あれ、フランスにいたみたいな非日常的な感覚を味わえて新鮮でしたやっぱり面白いなぁ、ヨーロッパ
グラースは香りの都です
かなり前に、ジュースキントの小説『香水』を読んで以来、ずっとずっと訪れてみたかった場所でした。
鼻が利くせいか、昔から香りにまつわる話は好きなんです。
私をここまで連れてきてくれた一冊
国際香水博物館の前で。
今回久々にめくってみましたが、詳細全然覚えてない…
でも、「グラースに行ってみたい」っていう強い思いだけは20年近くずっと残っていたのだから、本の持つ力はすごいですね
あと、博物館でグラースの歴史などを学んで、町を散策してから読み返すと、「あーここ今日歩いた」「この手袋の話あった」と本の内容に親近感を感じられたので、そういう楽しみ方もまたいいなと思います
老舗の香水ブランドフラゴナールの工場も見学してきました。
香水博物館では、実際の香水作りのプロセスを間近で見られるわけではないので、フラゴナールのガイドツアー(無料)はお勧めです。いろいろ商品を試させてくれるし。
上の階には、現オーナーの父親が世界中から集めた珍しい香水関連コレクションの展示があります。
どこもかしこも芳香に包まれて夢心地💖鼻がおかしくなりそうだけど。
なにせ一人なので、香水博物館の中でも動画をじっくり見ることができて、とても勉強になりました
1つ気になったのは、イヴ・サンローランが1977年に発売して一大センセーションを巻き起こした香水オピウム(アヘン)の紹介動画。ボトルのデザイナーは、日本の印籠をモデルにしたらしいのだけれど、動画の中ではっきりと、「印籠とは昔日本の武士がアヘンを入れて持ち歩いたもので…」と言っている…
そうだっけ違うよね黄門様、アヘン中毒
調べてみると、一応「薬」の入れ物だったということで、アヘンを入れていた人もいたかもしれないけど…でもこう言い切ってしまうのはどうかなぁ。引っ掛かりました。
さて、グラースの街自体は、そこまで感動的に美しくはなかったかな。普通に可愛い。
さすがに香水や石鹼のお店が異様に多いです。
私好みの味のある路地発見。
で、偶然古いグラースの写真をウェブで見てたら、どうも写真に収めたの(右)と同じ路地っぽくてびっくり
香水好きの大学時代の親友に、一人旅してて、グラースにいるんだよーってメッセージ送ったら、
こんなに素敵な返事が返ってきました。
I love that you have a chance to travel on your own again!! It was such a part of your pre- family life that I'm happy you're able to reclaim it a bit now that the boys are older.
昔の私をよく知っている彼女の言葉にハッとさせられました。
そうだよね、私、ほんとずっと旅してたよね。
バイトで稼いでは貧乏旅行してた。
単位落としてまでアイスランド行ってた。
就活しないでピースボート乗ってた。
大学院の卒業式すっぽかしてシリア行ってた。
このブログの紹介だって、「自分の二大趣味である語学と読書」って書いてあるけど、最初にスタートしたときは、「三大趣味である語学と読書と旅行」だったんだよね。でも、大きな旅行を全然しなくなっちゃったから、趣味って書くのもなぁ、って数年前に、淋しい思いで削ったんだった…
自分再発見。ワクワクが甦ってきたよ
2日目のハイライトは、マティスのチャペルです