【〇○婦問題】2021.06 (h) | ぺる Ⅱのブログ

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続・チラシの裏書き

 

 

 

目次 

 

2021

01(06/01)茂木外相、慰安婦問題で「韓国によってゴールポストが動かされている」と非難

02(06/03)「平和の少女像」東京のまん中で展示

03(06/11)2年以上凍りついた韓日関係、G7で接点探るか

04(06/15)釜山の大学生1700人、「日本は独島の領土表記を削除せよ」

05(06/16)裁判所「日本、韓国内の財産目録を提出せよ」…「慰安婦」被害者勝訴

06(06/16)日本は「感情に流される国」になりたいのか

07(06/17)韓国裁判所「韓日関係は司法府が検討すべき問題ではない」

08(06/17)[ニュース分析]韓国の「慰安婦」関連訴訟で裁判所の判断が分かれるわけは

09(06/17)日本マスコミ、相次いで「菅首相は韓国との対話に乗り出すべき」

10(06/18)日本政府、「従軍慰安婦」表記した教科書の修正を圧迫

11(06/21)[寄稿]日本軍「慰安婦」・強制動員訴訟の相反する判決と人間に対する礼儀

12(06/29)[フォトエッセイ]「慰安婦」被害女性たちの名前が刻まれた銅板…古び、色褪せても

13(06/30)ユン前検察総長、大統領選出馬会見で「文政権の理念偏向で韓日関係悪化」非難

 

 

 

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01 

茂木外相、慰安婦問題で「韓国によってゴールポストが動かされている」と非難
登録:2021-06-01 05:19 修正:2021-06-01 06:42

自民党議員の「軍人の性の問題は古今東西の課題」との主張に 
茂木外相「若い兵士への対処は各国の悩み」と同調



日本の茂木敏充外相/ロイター・聯合ニュース

 

 日本の茂木敏充外相が日本軍「慰安婦」問題を正当化する趣旨の日本の国会議員の質疑に同調し、韓国政府によって「ゴールポストが動かされている」と非難した。
 

 問題の発言は先月31日、参議院決算委員会で有村治子自民党議員の質疑で始まった。有村議員は「世界で旧日本軍の男性だけが戦時性欲があったのだろうか」としたうえで、朝鮮戦争当時、米軍を対象にした「慰安隊」と、日本で第二次大戦敗戦後、「RAA(特殊慰安施設協会)」によって設置された米軍専用の慰安所を例に挙げ、主張を展開した。さらに「すなわち、米軍も韓国軍も旧日本軍も、故郷を離れた軍人の性欲をどう制御するかは、軍隊組織が避けては通れない主要課題だった。戦場における最大の敵は性病だといわれるほど」だとし、「戦場や駐屯地における軍人の性の問題は古今東西、各国の各部隊が頭を悩ませてきた課題だった。古くは紀元前から、ナポレオン戦争においても、第一・二次世界大戦においても、日露戦争においてもいまだに性病を少なくすることに関する記録が残っている」と述べた。「にもかかわらず、韓国政府は(日本軍「慰安婦」被害に対して)『世界で類を見ない戦時の女性の人権蹂躙』などという新たなレッテルを貼ることで、日本を不当に貶めて孤立させ、事実に基づかない歴史認識を国際社会に喧伝している。このような文在寅(ムン・ジェイン)政権の主張は、歴史の公正性からみても、到底受け入れられるものではない」とし、「慰安婦問題となると、日本はただひたすら防戦一方だが、日本政府にはぜひとも事実に基づく反論を毅然と進めてほしい」として、日本政府の積極的な対応を求めた。また「(戦争など)有事には女性と子どもに本当に不条理なことがおこりやすいが、世界の常である。このような現実を直視して、私たちは立ち上がっていかなければならない。真に女性の人権と安全が尊重される国際貢献を進めて、国際世論で確かな渡り合いを日本として進めてほしい」とも主張した。
 

 答弁に立った茂木外相は「確かに有村議員の言うとおり、古今東西、海外に出かけて行っている若い兵士、彼らに対する様々な対処をどうするか、それぞれの国が、軍が苦労してきた。特に第一次世界大戦のときは、塹壕戦の最中にも避妊具というものが圧倒的に広まった」と述べ、有村議員の質疑に同調する発言をした。
 

 さらに茂木外相は「これまでも慰安婦問題を含む歴史問題について正確な事実関係と(日本)政府の考えについて、様々な形で国際社会に対して説明をし、発信してきた」としたうえで、「率直に言って、韓国によってせっかくのゴールポストが常に動かされる状況がある」と述べた。
 

チョ・ギウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
 

https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/997435.html
韓国語原文入力:2021-05-31 19:45
訳H.J

 

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02 

「平和の少女像」東京のまん中で展示

登録:2021-06-03 20:13 修正:2021-06-04 06:35

 

今月25日~来月4日まで新宿セッションハウスガーデン 
日本の市民社会「自由で差別のない社会のために」 
来月、名古屋でも展示



2019年「あいちトリエンナーレ」での展示当時の「平和の少女像」=資料写真//ハンギョレ新聞社

 

 展示の度に右翼の攻撃を受けた日本軍「慰安婦」被害者を象徴する「平和の少女像」が東京で展示される。
 

 日本の市民団体活動家などで構成された「表現の不自由展」東京実行委員会は、今月25日から来月4日まで東京新宿にあるセッションハウスガーデンで「平和の少女像」を含む「表現の不自由展」展示会を開くと3日明らかにした。委員会は「最近、日本では右翼の抗議が起こる恐れがあるという理由だけで、展示作品が撤去されるなど公共の場所で表現の機会を奪われる事態が相次いでいる」と主張した。彼らは「こうした行為は、憲法が禁止する検閲に該当する」として「権利と尊厳を回復するために、検閲された作品を集めて再展示する」と明らかにした。
 

 芸術家50人が参加する今回の展示会には、少女像の他にも日本軍「慰安婦」被害者の姿を表した写真、日本社会でダブー視される天皇関連作品などもリリースする。
 

 韓日関係の特殊性のためか、日本軍「慰安婦」被害者に関連した展示は、日本国内で毎回のように右翼の標的になってきた。2019年に名古屋で開かれた国際芸術行事「あいちトリエンナーレ企画展」に平和の少女像が出品されたが、右翼勢力の執拗な脅迫で展示開始後3日で一時中止を余儀なくされた。2012年にもアン・セホン氏が日本軍「慰安婦」被害者写真展を開く予定だったが、カメラメーカーのニコンが展示場のレンタルを一方的に取り消し、法的対応に乗り出した末に展示が開かれるという迂余曲折を経た。
 

 日本の市民社会活動家は「自由で差別のない社会を作りたい」として、右翼の攻撃にも屈せずに着実に展示を続けている。愛知県を中心に活動する市民団体「表現の不自由展・その後をつなげる愛知の会」も、来月6~11日に名古屋市で「平和の少女像」を含め「表現の不自由展・その後」展示会を開くことにした。
 

キム・ソヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/997904.html
韓国語原文入力:2021-06-03 16:17
訳J.S

 

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03 

2年以上凍りついた韓日関係、G7で接点探るか
登録:2021-06-11 06:55 修正:2021-06-11 07:10

文大統領・菅首相、ともにG7サミットに参加 
文大統領と菅首相が初めて対面で会談するかに注目



文在寅大統領が2019年12月24日、中国成都の国際会議センターで行われた韓中日首脳会議で、中国の李克強首相と日本の安倍晋三首相との記念撮影をしている=成都/大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領と日本の菅義偉首相が、11~13日に英国のコーンウォールで行われる主要7カ国首脳会議(G7サミット)の期間中に初の対面での会談をするかに関心が集まっている。凍りついたまま2年以上平行線をたどっている両国の関係で「歴史問題」でのもつれを解くきっかけを作れるか注目される。文大統領のサミットへの参加を控え、韓米日首脳会談と韓日首脳会談の開催の可能性は絶えず提起されてきた。主に日本メディア発の報道だったが、韓国政府でも微妙に反応が変わっている。
 

 大統領府高官は9日、記者団に、韓米日首脳会議は「現時点では予定されている日程はない」としながらも、韓日対話は「常に開かれているという立場」だと述べた。また、「3国間の様々なコミュニケーションと協力に対し、開いている立場」だと強調した。まとめて要約するならば、3国での首脳会議について「可能であれば行いたい」というシグナルだと読みとれる。実際、外交界では韓米日首脳会談が行われる可能性は高くはないが、韓日首脳での接触は短時間だとしても行われる可能性があるという観測が出ている。文大統領は2019年11月、タイのバンコクで行われたASEAN+3首脳会議でも、当時の日本の安倍晋三首相に「少し座って話しましょう」と述べ、11分間言葉を交わしたことがある。
 

 9日(現地時間)米国ワシントンで行われた韓米外交次官協議でも、韓米日の協力と韓日の協力が主要なテーマとして扱われたとみられる。その席でチェ・ジョンゴン外交部第1次官は「3国の協力に積極的に臨む」とし、「韓日の間には機能的に解決しなければならない問題は多いが、過去の問題が韓日関係を傷つけるようにはしたくない」という見解を明らかにしたことが分かった。過去の問題と実質的な協力の問題を分離して対応するという文在寅政権の対日「ツートラック(二つの軌道)政策」の方針と異なる発言ではないが、一方では、文在寅政権の対日政策がもう少し積極的に変わる兆しではないかという分析も出ている。
 

 政府は最近、日本軍「慰安婦」被害者団体との初の「慰安婦」官民協議会を開いたり、個別に強制動員被害者に会い意見を聞くなど、停滞している「歴史問題」の解決策を模索しようとする試みも行っている。ただし、日本政府は、1965年の韓日請求権協定と2015年の韓日政府間の「慰安婦」合意で一段落した二つの問題について、韓国側が前向きな解決策を提示しなければならないという態度を固守しており、ただちに意味のある変化が起きる可能性は低い。最近、強制動員被害者が起こした日本企業への損害賠償請求訴訟を韓国の裁判所が却下し、韓国政府が負担を減らしたという評価もあるが、一審判決であるうえ、2018年の最高裁(大法院)判決が有効な状況であるため、大きな意味はないという分析が多い。複数の政府当局者は「我々はずっと日本との対話に対し開いているが、特に韓日関係の流れには変化はない」と述べた。
 

 韓国政府は日本との対話に“開かれた態度”であることを強調しているが、公に示している日本政府の反応はぱっとしない。G7サミットを機に韓日首脳が会って対話する案についても、日本側はかなり消極的な雰囲気だ。最近、共同通信は日本政府当局者の言葉を引用し、「歴史問題で韓国から実効性のある打開案は示されておらず、菅義偉首相が対話に臨む環境は整っていないと」と伝えた。さらに日本政府は、G7サミットで文大統領と会う案について「何の準備も検討もしていない」と伝えた。
 

 昨年9月の就任後に対面での多国間の外交舞台に初めて参加する菅首相が解決しなければならない他の優先課題が多いという点も、韓日関係改善の優先順位が下がっていることに影響を及ぼしているという分析もある。菅首相は今回のサミットで東京五輪開催への支持を引き出さなければならず、「中国けん制」という中心課題をめぐり各国首脳と論議しなければならない。毎日新聞は「外交面では、菅総理はG7首脳との個別会談でいっぱいだという反応」だとし、「韓日首脳会談には消極的」だと報じた。外務省幹部は読売新聞に「首脳同士が顔を合わせた際、言葉を交わす程度ではないか」という予想を伝えた。両首脳が英国でどのような形で遭遇するのかは未知数だが、接触がなされれば、2019年12月の韓中日首脳会議後では初めてとなる。
 

キム・ジウン、キム・ソヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/998872.html
韓国語原文入力:2021-06-10 17:51
訳M.S

 

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04 

釜山の大学生1700人、「日本は独島の領土表記を削除せよ」
登録:2021-06-15 11:16 修正:2021-06-15 13:48


14日、釜山市東区草梁洞の日本総領事館前の平和の少女像前で大学生たちが独島を自国の領土と表記した日本政府に削除を求める記者会見を開いている//ハンギョレ新聞社

 

 釜山の大学生たちが、大使館のホームページなどで独島(ドクト)を自国の領土と表記した日本政府を糾弾し、削除を求めた。
 

 「釜山大学生キョレハナ」は14日、東区草梁洞(トング・チョリャンドン)の日本総領事館前の平和の少女像前で記者会見を開き、「日本政府は大使館などのホームページに載せた独島が日本領土だという主張を削除し、東京五輪の聖火リレーの地図にある独島の日本領土表記も削除せよ」と要求した。
 

 同団体は8~10日の3日間、日本大使館と総領事館などのホームページに掲載された独島が日本の領土だという主張の削除を求め、釜山の9つの大学から1773人の署名を集めた。同団体は「日本政府は東京五輪の聖火リレーの地図に独島を日本領土と表記し、これを削除するよう求めた韓国政府と国民の要求を無視している。また、日本大使館や総領事館などのホームページで独島を日本領土だと宣伝し、韓国政府が独島を不法占拠していると主張している。恥知らずで図々しく常識外れだ」と批判した。
 

 同団体はまた、「日本政府の厚顔さは怒りに堪えない。日本軍慰安婦問題、強制徴用問題、独島領有権主張の問題まで、日本政府の破廉恥な行動をずっと見守っている。過去の歴史を記憶しこれからの歴史を正すべき未来世代として、日本政府のこうした主張に強く立ち向かって行動に立ち上がっていく」と強調した。
 

 この日の記者会見に参加した大学生のLさんは「日本軍『慰安婦』問題、強制徴用問題、放射能汚染水海洋放出など、日本政府は破廉恥な行動を続けている。戦争犯罪を認めず謝罪のない日本に対する反対運動を熱く繰り広げる。 全国の大学生の声を集め、日本政府の批判に積極的に取り組むつもり」と述べた。
 

キム・ヨンドン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/area/yeongnam/999269.html
韓国語原文入力:2021-06-14 14:10
訳C.M

 

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05 

裁判所「日本、韓国内の財産目録を提出せよ」…「慰安婦」被害者勝訴

登録:2021-06-16 03:33 修正:2021-06-16 07:52

 

裁判所、強制執行に向けた財産明示申立てを認める 
「対日関係悪化の考慮は司法府の領域を外れる」



2019年8月14日、ソウル鍾路区の在韓日本大使館前の平和路。正義記憶連帯の主催で第1400回日本軍性奴隷制問題の解決のための定期水曜集会と第7回世界日本軍慰安婦メモリアルデー世界連帯集会が開かれた=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 

 日本政府を相手取って起こした損害賠償請求訴訟で勝訴判決を勝ち取った日本軍「慰安婦」被害者たちが、賠償金を取り立てるため、韓国にある日本政府所有の財産のリストを確認することを求めた申立てを裁判所が受け入れた。担当法廷は、強制動員被害者の損害賠償請求訴訟で「外交関係への懸念」などを理由として却下判決を下したキム・ヤンホ部長判事とは異なり、このような判決を下し、「強制執行実施後に発生しうる対日関係の悪化(の考慮)は、司法府の領域から外れる」と指摘し、注目を集めている。
 

 ソウル中央地裁民事51単独のナム・ソンウ判事は15日、故ペ・チュンヒさんら12人の「慰安婦」被害者が提出していた財産明示申立てについて、9日に「『日本は財産状態を明示した財産リストを提出せよ』と決定した」と明らかにした。ペさんらは日本を相手取って1人当たり1億ウォン(約984万円)の賠償を求める損害賠償請求訴訟を起こし、今年1月に一審で勝訴。日本が訴訟に対応しなかったため、判決は確定した。しかし、訴訟そのものを認めない日本政府は賠償金を支払わない可能性が高く、原告は韓国国内にある日本政府の財産を強制執行するという方式で賠償金を取り立てるとし、今年4月に強制執行の前段階に当たる財産明示を申し立てた。
 

 ナム・ソンウ判事は「日本の行為は国家免除の例外に当たるため、強制執行申立ては適法」と判断した。国家免除(主権免除)とは、一主権国家は他国の裁判所で裁判を受けないという国際法の原則で、日本政府は国家免除論を根拠に被害者の訴訟を認めていなかった。しかし同法廷は「国家によって犯された殺人、強姦、拷問などのような人権に対する重大な侵害行為に対して国家免除を認めれば、国際社会の共同利益が脅かされることになり、むしろ国家間の友好関係を害する結果をもたらす恐れがある」とし、「ある国家が強行規範に違反した場合、その国家は国際共同体が定めた境界を越えたことになるため、その国家に与えられた特権(国家免除)は没収されることが適当」と決定の理由を明らかにした。
 

 こうした判断は、ソウル中央地裁民事34部(キム・ヤンホ裁判長)が、今年3月に被害者が勝訴した訴訟に関する費用を整理する過程で、国家免除論を根拠として「訴訟費用は日本から取り立てられない」とした決定とは相反する。通常は敗訴した側(日本)が訴訟費用を負担するのが一般的だが、当時の法廷は「国庫による訴訟救助取り立て決定」で、「(被害者勝訴の判決を下した) 本案訴訟は、日本政府の国家免除を認めず原告勝訴の判決を確定した」とし「外国に対する強制執行は、その国の主権と権威を傷つける恐れがあるため、慎重なアプローチが必要だ。訴訟費用は日本から取り立てられない」との判決を下している。このような決定を下した法廷は先日、強制動員被害者とその家族85人が日本企業を相手取って起こした損害賠償請求訴訟で、(2018年10月の)最高裁判所全員合議体の判決に従わず、却下判決を下して物議を醸した。
 

 一方、財産明示命令を下したナム判事は、強制動員被害者訴訟で却下判決を下した際に「外交関係の毀損」などを理由としてあげたキム・ヤンホ部長判事の判決とは反対の論理を展開し、注目を集めた。ナム判事は「日本に対する強制執行の実施後に発生しうる対日関係の悪化、経済報復などの国家間の緊張関係の発生という問題は、外交権を管轄する行政府固有の領域であり、司法府の領域を外れる」とし「この事件の強制執行申立てが適法かどうかを判断するにあたって、考慮事項から除外し、法理的判断のみを行うことこそ適切」と強調した。
 

 またナム判事は、損害賠償請求権をめぐってもキム部長判事と判断を異にした。キム部長判事が「強制動員被害者の損害賠償請求権は、韓日請求権協定の対象に含まれている」「被害者たちの強制執行申立ては、ウィーン条約第27条に反する」と判断したのとは異なり、ナム判事は「強制動員された労働者たちの日本企業に対する慰謝料請求権は請求権協定の適用対象に含まれないため訴求できると判断した最高裁判決があり、この事件の被害者の損害賠償請求権の性格は、強制動員労働者たちの損害賠償請求権と異なると考えることはできない」とし「この事件の強制執行申立てはウィーン条約第27条に反すると考えることもできない」と判断した。
 

シン・ミンジョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/999486.html
韓国語原文入力:2021-06-15 17:05
訳D.K

 

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06 

日本は「感情に流される国」になりたいのか
登録:2021-06-16 03:35 修正:2021-06-16 07:32

[現場から]文大統領がコーンウォールで菅首相に近づいた理由は


G7サミット出席のために訪英中の文在寅大統領が13日(現地時間)、英国コーンウォール州カービスベイで開かれた「気候変動と環境」対策を扱う拡大会議セッション3に英国のボリス・ジョンソン首相、日本の菅義偉首相と共に出席している/聯合ニュース

 

 韓国を扱う日本メディアの態度には、常に「上から目線」があると痛感する。「上から目線」とは、道徳性と実力で優位な立場に立つ者が自分より劣った者に教えようとするような態度を意味する。「韓国は常に感情に流される国」「自分がした約束を守らない国」「支持率回復のために反日感情に依存する国」といった報道をあふれさせ、それからしばらく経てば、今度は外交的努力を通じて両国はそろそろ関係を回復すべきだとする社説での口出しが相次ぐ。
 

 例はたやすく探せる。日本のリベラルを代表する朝日新聞は5日前の10日の社説で、英国のコーンウォールでの主要7カ国首脳会議(G7サミット)を利用して「たとえ短時間でも互いに向き合い、事態を打開する機運を模索」することを求め、保守を代表する読売新聞は9日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領に「責任を持って日韓間の懸案に対応することが重要である」と述べた。
 

 2018~2019年に展開された激しい対立以降、日本を見つめる文在寅政権の態度には少なからぬ変化が表れていると感じる。特に昨年9月の菅義偉首相の就任後は、関係回復に向けたすさまじい外交努力を続けている。昨年11月にはパク・チウォン国家情報院長を東京に送り、「東京五輪を平和五輪として開催しよう」とのメッセージを伝え、1月の年頭記者会見では、文大統領自ら、現在差し押さえ手続きが進められている日本企業の資産が「現金化されるのは望ましくない」と述べた。3・1節記念式での演説では再び「相手の立場に立って考える」精神を強調し「いつでも日本政府と向き合って対話する準備ができている」と和解を訴えている。
 

 それでも日本が態度を変えないため、両国の外交当局の「事前合意」により、12日に菅首相との「略式会談」に臨むことになった。7月23日に開かれる東京五輪の開会式に出席するので、これを機に冷え込んだ両国関係を解決しようとのメッセージを伝えるためだった。加藤勝信官房長官は14日、略式会談が行われなかったのは「時間の都合」のためだと説明したが、詭弁にすぎない。匿名の外務省幹部の言葉を引用した15日の読売新聞の報道によると、日本も「『立ち話』程度なら可能」との立場を韓国に伝えており、慰安婦の話が出た場合に備えて「回答要領」を作成したという事実も確認できる。菅首相も文大統領が対話のために自分に二度も近づいてきたことを認めている。米国のジョー・バイデン大統領との初の電話会談のために午前0時47分に電話機の前で待機していた菅首相には、足りなかったのは「時間」ではなく相手に対する「誠意」ではなかったかと思う。
 

 35年にわたる植民地支配の苦しみを記憶している韓国人の心は、日本人の小さな妄言一つに大きく揺れもする。東京五輪のウェブサイトに載った地図にかすかに独島が表記されているというニュースが伝わり、与党の主な大統領選候補たちは「五輪をボイコットしよう」と主張している。そのような極端な意見に対峙しつつ菅首相に近づいた文大統領の気持ちを日本も察してほしい。加藤官房長官は15日、文大統領の訪日をめぐり韓日が協議中との読売新聞の報道について、「報道にあるような事実はない」と答えたが、それで日本が得ようとしているものは何なのか。「いつも感情に流される日本」、(慰安婦問題を記憶し、後世に教育するという河野談話の)「約束を守らない日本」、(30%台に落ちた支持率回復のために)「反韓感情に依存する日本」。そのような軽蔑のこもった視線で最も近い隣人を見つめないように、韓国人は本当に必死に努力している。
 

キル・ユンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/999471.html
韓国語原文入力:2021-06-15 16:12
訳D.K

 

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07 

韓国裁判所「韓日関係は司法府が検討すべき問題ではない」

登録:2021-06-17 02:16 修正:2021-06-17 08:44

 

「強制動員訴訟却下」を真っ向から批判


2019年8月14日、ソウル鍾路区の在韓日本大使館前の平和路。正義記憶連帯の主催で第1400回日本軍性奴隷制問題の解決のための定期水曜集会と第7回世界日本軍慰安婦メモリアルデー世界連帯集会が開かれた=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 

 ソウル中央地裁民事51単独のナム・ソンウ判事が、(日本軍「慰安婦」被害者が申し立てた日本政府所有の財産明示について)韓国内の財産リストの提出を日本政府に命じたことは、実効性は大きくないように思われる。まず、裁判そのものに無対応で、一審敗訴判決に控訴もしなかった日本政府が、命令に従うとは思えない。また、国内に日本政府の財産があるかどうかも不確実なうえに、大使館などの公館関連財産はウィーン条約に則り強制執行の免除対象だからだ。
 

 しかし、賠償責任を否定する日本政府に対して判決執行の意志を強調した点で、この決定は意味がある。被害者は、日本政府は判決を履行しないと思われるとし、強制執行を実施してでも賠償金を受け取るとの立場だ。
 

 また、今回の決定は、日本政府の不法行為の賠償責任を問う本案裁判ではないものの、対日歴史訴訟の争点を網羅する判断を下したという点で注目される。「慰安婦」被害者らによる損害賠償請求訴訟(1つ目の訴訟)の訴訟費用に関する決定、原告の「慰安婦」被害者らが敗訴した「2つ目の訴訟」、強制動員被害者が日本の民間企業を相手取って先日敗訴した訴訟の争点に関して、「重大な不法行為の責任は免除されない」という立場を明確に提示したからだ。外国の裁判所は日本という国(政府)を審判できないとする主権免除論や、1965年の韓日請求権協定で個人の請求権は消えたとするソウル中央地裁の先の判断に、真っ向から反論する内容となっているのだ。
 

 3月にはソウル中央地裁民事34部(キム・ヤンホ裁判長)が、故ペ・チュンヒさんらが1月に勝訴した事件の訴訟費用を整理する過程で、主権免除論を根拠に「訴訟費用は日本から取り立てられない」とする決定を下している。通常は敗訴した側が訴訟費用を負担するのが原則だが、同法廷は「外国に対する強制執行は、その国の主権と権威を傷つける恐れがあるため、慎重なアプローチが必要だ」と述べた。原告はこの決定を不服として14日に抗告状を提出している。先に「2つ目の訴訟」を担当していた同地裁の法廷も、主催免除論を根拠として4月に却下判決を下している。
 

 しかしナム判事は、重大な人権侵害犯罪に対して主権免除を認めれば、むしろ国家間の友好関係を害しうるとし「ある国家が強行規範に違反すれば、その国家は国際共同体が定めた境界を踏み越えたことになるため、その国家に与えられた特権(主権免除)は没収されることが適当」と述べた。
 

 ナム判事は、日本政府に訴訟費用を支払わせることはできないとした同じ裁判所の民事34部が、強制動員被害者が日本企業を相手取って起こした訴訟を今月7日に却下したことに対しても、真っ向から反論するような判断を下した。ナム判事は「強制動員被害者の賠償請求権は請求権協定で解決済み」との判断について「強制動員された労働者たちの日本企業に対する慰謝料請求権は、請求権協定の適用対象に含まれていないため訴求できると判断した最高裁判所の判決があり、この事件(慰安婦事件)の賠償請求権の性格は強制動員労働者の賠償請求権と異なると考えることもできない」と述べた。
 

 またナム判事は、民事34部が日本や米国との関係悪化の可能性を賠償請求が受け入れられない理由として挙げたことについても、対日関係悪化問題などは政府が扱うべきであり、司法府が検討すべき問題ではないと強調した。日本政府や日本の民間企業の財産に対する判決と強制執行は、法理のみを問うべきであり、裁判所が外交関係まで判断理由にするのは不当だということだ。
 

シン・ミンジョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/999530.html
韓国語原文入力:2021-06-15 22:12
訳D.K

 

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08 

[ニュース分析]韓国の「慰安婦」関連訴訟で裁判所の判断が分かれるわけは
登録:2021-06-17 06:25 修正:2021-06-17 08:18


日本軍「慰安婦」被害者たちが日本政府を相手取って起こした2回目の損害賠償請求訴訟の一審で敗訴した4月21日午前、イ・ナヨン正義記憶連帯理事長がソウル瑞草区ソウル中央地裁で日本軍慰安婦被害者支援団体ネットワークの立場を明らかにしている=キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞社

 

 「慰安婦」被害者たちが日本政府を相手に起こした損害賠償訴訟をめぐり、韓国の裁判所が相次いで異なる判断を下している。二つの訴訟で片方だけが勝訴した上、訴訟費用の請求や財産の明示をめぐっても相反する決定が出され、被害者が混乱している。
 

 1回目の訴訟と2回目の訴訟を引き受けた下級審の判断が分かれた主な理由は、主権免除(主権国家は他の国の裁判所で裁判を受けないという国際慣習法の原則)と1965年韓日請求権協定及び2015年韓日慰安婦合意の適用や、それに対する評価が食い違っていたからだ。ソウル中央地裁は今年1月、故ペ・チュンヒさんら12人の訴訟(第1次訴訟)で原告勝訴の判決を下し、「日本に主権免除(国家免除)を適用できず、被害者の賠償請求権も認められる」との判断を示した。「主権免除の理論は恒久的かつ固定的なものではなく、国際秩序の変動によって修正され続けるもの」とし「他国の個人に大きな損害を与えた国家が、主権免除理論の裏に隠れ、賠償を回避できる機会を与えるために形成されたものではない」という理由からだった。主権免除論を絶対的な原則と見なすことはできないと判断したのだ。また、個人賠償請求権は「反人道的不法行為に対する慰謝料」の請求であるため、請求権協定で消滅しておらず、「慰安婦合意」についても「被害者らの委託なしに個人の権利を国家が処分できない」と明らかにした。



第1496回日本軍性奴隷制問題の解決に向けた定期水曜集会が今月16日正午、ソウル鍾路区の駐韓日本大使館前の平和の少女像前で、正義記憶連帯の主催で社会的距離を維持しながら開かれている。同集会は4週間後に1500回目を迎える=キム・ボンギュ先任記者//ハンギョレ新聞社

 

 一方、今年4月にイ・ヨンスさんら20人の訴訟を審理したソウル中央地裁民事15部(ミン・ソンチョル裁判長)は、「日本を相手取った賠償請求はできない」として訴えを却下した。同地裁は「国際慣習法において『不法行為に関しては主権免除が否定される』という変更が行われたわけではないため、日本の主権免除を認めるべきだ」として、1回目の訴訟の担当裁判所とは反対の判断を下した。欧州諸国が第2次世界大戦当時、ドイツの不法行為に対して訴訟を起こしたが、国際司法裁判所(ICJ)が主権免除を理由に却下したという事例も挙げた。「慰安婦合意」についても「多くの被害者に現実的補償が行われた」とし、判断の根拠の一つに取り上げた。
 

 同じ事案に正反対の判決が出たのは、法理解釈が分かれるうえに、慰安婦被害者訴訟が韓国国内で初めて提起されたという点も影響を及ぼしたものとみられる。日本企業を相手取った強制動員賠償訴訟は早くから提起され、2018年の最高裁判所全員合議体の被害者勝訴の確定判決につながった。その後、下級審は概ね被害者側の訴えを認めている。一方、慰安婦訴訟は、韓国国内では2015年に提起された1回目の訴訟が初めてだ。
 

 食い違う判断は、訴訟費用や財産明示の決定にもつながっている。最近、ソウル中央地裁民事51単独のナム・ソンウ判事は、1回目の訴訟で勝訴が確定した原告らが賠償金を受け取ることができるよう、「日本政府は韓国内の財産目録を公開せよ」という財産明示決定を下した。ナム判事は「国家による殺人、強姦、拷問といった人権に対する重大な侵害行為に対し、主権免除を認めることになれば、国際社会の共同利益が脅かされ、むしろ国家間の友好関係を害する結果を招くことになる」とし、日本の主権免除を認めなかった。今年3月、「敗訴した日本政府から訴訟費用を取り立てることができるかどうか」について、ソウル中央地裁民事34部(キム・ヤンホ裁判長)が主権免除論を根拠に「取り立てることはできない」と決定したのとは正反対だ。
 

シン・ミンジョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
 

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/999706.html
韓国語原文入力:2021-06-16 23:41
訳H.J

 

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日本マスコミ、相次いで「菅首相は韓国との対話に乗り出すべき」

登録:2021-06-17 20:35 修正:2021-06-18 06:53

 

毎日新聞「問題があるからこそ対話が必要」 
「韓国が解決法を用意すべき」前提条件つけた菅首相に向け 
日本経済新聞も社説で「日韓は地域安定へ対話探れ」



菅義偉首相=首相官邸ホームページより//ハンギョレ新聞社

 

 最近主要7カ国(G7)首脳会議で韓日首脳の略式会談さえできなかったことに対し、日本のマスコミでは菅義偉首相が対話に乗り出さなければならないとの声が高まっている。
 

 毎日新聞は17日付けの社説で「韓国の朴槿恵(パククネ)前大統領が慰安婦問題を理由に日本との首脳会談に応じなかった時、日本政府は『問題があるからこそ対話が必要だ』と説いた。首相は、この姿勢を思い出すべきではないか」と指摘した。これは、日本軍「慰安婦」と強制動員被害者に対する韓国側の解決策作りという「前提条件」が満たされなければ対話には出ないという菅首相に直接向けたものだ。
 

 同紙は、歴史問題に対するこの間の韓日の葛藤を説明した後、「それでも首脳会談すらできない状況を放置し続けるわけにはいかない」と強調した。さらに国際情勢が急変する中で、日韓関係の悪化を放置するのはお互いの利益に反すると指摘した。
 

 同紙は「(韓日関係の悪化は)日韓共通の同盟国である米国との関係にも影響する」として「対北朝鮮政策の基本である3カ国連携に支障が出かねない」と分析した。また「米国は、中国に依存しない戦略物資のサプライチェーン(供給網)を構築しようとしている。半導体や蓄電池で世界有数の企業を擁する韓国は重要なパートナー」と付け加えた。同紙は「責任を互いに押しつけ合うばかりでは、展望は開けない。両首脳は正面から向き合い、事態打開へ動くべきだ」と促した。
 

 これに先立って日本経済新聞も16日付け社説を通じて、日韓が対話を探るよう強調した。同紙は「(11~13日に英国で開かれた)主要7カ国首脳会議(G7サミット)で同席しながら、会談せずに簡単なあいさつだけに終わったのはもったいなかった」として「(日本が韓国を)『重要な隣国』と位置づけるのなら、首脳間でメッセージを直接伝え合うべきではなかったか」と指摘した。この新聞は「日本政府は対話で決着させる姿勢を失ってはいけない」と強調した。
 

キム・ソヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/999766.html
韓国語原文入力:2021-06-17 11:40
訳J.S

 

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日本政府、「従軍慰安婦」表記した教科書の修正を圧迫
登録:2021-06-18 20:18 修正:2021-06-19 06:40

「従軍慰安婦」は不適切、「慰安婦」に変えるべき 
出版社20社を参加させ、異例の説明会 
「訂正指示として受けとめた」出版社は憂慮



平和の少女像=資料写真//ハンギョレ新聞社

 

 日本政府が「従軍慰安婦」という用語が強制性を意味しているとし不適切だと決めたのに続き、教科書を作る出版社を相手に事実上の修正圧迫に乗り出したことが分かった。


 日本の文部科学省は先月18日、教科書を作る約20の出版社の編集担当役員を対象に、検定に合格した教科書の記述訂正に関連したオンライン説明会を開いたと朝日新聞が18日報道した。教科書の個別の字句に対して政府が説明会を開くのは異例だと同紙は指摘した。
 

 会議に参加した出版社は、「訂正申請に対する説明会は聞いたことがない。(教科書を)訂正しろという指示として受けとめた」と反応したと伝えられた。同紙は、複数の出版社の関係者を引用して「文科省が『従軍慰安婦』表現に関連して訂正勧告の可能性も言及した」と明らかにした。出版社が自発的に修正しなければ、政府が勧告を通じてでも変えるという圧力と見られる。文科省の教科用図書検定規則に勧告規定があるものの、これまでは出されたことはないという。ある出版社の執筆者は同紙に「勧告が下されれば(政府の)“勧告を受けた教科書”という烙印を押され、教科書採択に不利になるだろう」と懸念を示した。昨年と今年検定を通過した中学校・高等学校教科書のうち一部に「従軍慰安婦」という表現が記されている。
 

 政府規則に書かれた検定教科書の基本原則は、教科書の訂正は文部省の承認を受けて出版社がするよう規定されている。政府が教科書を修正するよう出版社をねじ伏せるのは規則違反と見られうる。これを意識したためか、文部省は「(このような説明会は)あまりないことではあるが、国会で議論されたことを紹介する目的」とし「訂正は出版社の判断」と明らかにしたという。



日本の歴史教科書資料写真=東京/聯合ニュース

 

 日本政府が教科書の修正圧迫に乗り出したのは、4月の閣議決定が直接的な影響を与えたものだ。日本政府は、日本維新の会の馬場伸幸衆議院議員が「従軍慰安婦」という用語には軍によって強制連行されたという意味が含まれていると質問したことに対応し、4月27日の閣議で「従軍慰安婦の代わりに『慰安婦』と表現することが適切だ」という答弁書を採択した。

 

 「新しい歴史教科書をつくる会」など日本の右翼勢力は、「慰安婦」の強制性を消すために「従軍慰安婦」表現を削除するよう持続的に要求してきたが、国会議員の問題提起を通じて政府が呼応した形になった。「従軍慰安婦」は1993年に日本政府が公式発表した「河野談話」にも使われた。今回の教科書修正は、日本軍「慰安婦」の動員と生活での強制性を認めた「河野談話」を後退させるための延長線上にあると解釈される。
 

 一方、最近韓国でも「従軍慰安婦」という表現は使っていない。理由は日本と全く異なる。「軍隊について戦場に行く」という意味の「従軍」が、被害者が自発的に慰安婦になったとの誤った認識を持たせることを警戒して、この用語を使っていない。代わりに、日本軍の責任を明確に表わすという次元で、日本軍「慰安婦」と表現している。国連報告書は日本軍「慰安婦」を「性奴隷」と規定している。
 

キム・ソヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/999959.html
韓国語原文入力:2021-06-18 14:00
訳J.S

 

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[寄稿]日本軍「慰安婦」・強制動員訴訟の相反する判決と人間に対する礼儀

登録:2021-06-21 06:19 修正:2021-06-21 07:37

 


リュ・ヨンジェ|大邱地方裁判所判事
 

 最近、日本軍「慰安婦」訴訟と日帝強占期(日本の植民地時代)の強制動員訴訟で相反する判決が相次いで言い渡された。
 

 事実上の同一事案について複数の訴訟が提起された場合、裁判を行った複数の法廷でそれぞれ異なる判断を下すのは、裁判独立の原則上自然なことだ。すでに宣告された最高裁の判決が存在する中で、事実上の同一事案に対して下級審の裁判所が最高裁の判決に反する判断を下すことも、韓国の法制上許される。下級審のそれぞれ異なる判断は、上級審に豊富な視点を提供する。そうすることで上級審はより熾烈な検討を経て最終的な判断を下すようになる。すでに下された最高裁判決に反する下級審の判決は、最高裁の判例変更を導き、規範解釈を発展させたりもする。さらに、宣告された諸判決は市民社会に公開され、支持または批判を受けることになるが、これは民主的司法統制または司法の責任の観点から望ましい。したがって、日本軍「慰安婦」訴訟と日帝強占期強制動員訴訟で出ている相反する諸判決と、これをめぐる韓国社会の議論は、韓国の司法制度が予定しているところに従っているという点で、それそのものに意味がある。
 

 ただし、この議論において、明らかな誤りまたは不当な観点は除外される必要がある。
 

 第一に、日帝強占期強制動員訴訟で、被害者は日本企業に損害賠償を請求できないという一審判決が下されたことを機に、ヤン・スンテ元最高裁長官在任当時の強制動員訴訟に関して裁判所と政府、そして日本企業の代理人の間で交わされた非公開協議を正当化する見方が再登場している。いわゆる司法壟断事態の中でも最も深刻だとされるこの事案は、裁判所が政府や被告とともに原告を敗訴させる方策を秘密裏に論議して遂行したという点で、犯罪が成立するか否かにとどまらず、三権分立および裁判制度の根幹を揺るがすものである。
 

 ある人はこれを「アミカス・キュリエ(Amicus Curiae、法廷助言人)」と呼ぶが、明らか
に誤った主張だ。アミカス・キュリエは、裁判所が政府や被告とともに原告を敗訴させる方策を原告に知られぬように裏で議論するようなやり方では決して行われない。たとえ外交的事案に対する司法の自制が必要だとしても、それは適法な手続きによって行われなければならない。水面下で裁判所と政府と被告が原告を排除して原告敗訴の裁判結果を事前に決め、その結果が出るように裁判の進行のあり方を協議し、その水面下の協議に沿って芝居のように裁判を進行するやり方で司法が自制してはならない。それは民主主義と法治主義を採る国家のやり方ではない。三権分立と適法手続きの原則の毀損を擁護してはならない。
 

 第二に、日本軍「慰安婦」裁判や日帝強制動員裁判の意味を「金銭賠償」へと矮小化して解釈する見方は不当である。裁判を担う過程で知った事実だが、民事裁判のことを単に「誰からであれ、金さえ受け取れれば勝ちの手続き」と考える当事者はめったにいない。裁判当事者のほとんどは、正当な権利を行使して相手に適切な金銭支払いの義務を負わせる手続きだと考える。一般的な金銭関係でもそうであるのに、人権侵害の被害者たちはなおさらであろう。
 

 深刻な人権侵害を経験した被害者が加害者を相手取って損害賠償を請求する際には、金銭的に賠償されるという目的のほかにも、自分が経験したことが不法で不当な人権侵害だったということを公的に確認してもらうとともに、被害者の持つ正当な権利を行使して加害者に適切な責任を負わせるという目的も併せ持つ。こうした人権侵害の被害者の幅広い権利は、韓日を含む国連加盟当事国すべてが全会一致で採択した「犯罪及び権力濫用の被害者に関する司法の基本原則の宣言」にも規定されている。
 

 自分が経験した被害の深刻さと違法性を公的に確認してもらえない状態にあって、祖国さえ彼らを忘れてしまっている時、彼ら自らが、自分の人生を貫いていた不法を確認し、加害者に対し公的な責任を問うために始めた裁判だ。被害者の主張が法理上常に正しいとは言えない。したがって、被害者たちの請求を却下した裁判所の判断に同意も表しうる。しかし、そのような立場であっても、日本軍「慰安婦」被害者や日帝強占期強制動員被害者が単に「金を受け取るために」裁判を受けていると解釈するのは、明らかに不当である。少なくとも、「もう韓国も豊かになったのだから、日本から金を受け取ろうというあさましい考えはやめよう」といった言い方で被害者を侮辱してはならない。何を主張するにしても、人間に対する礼儀は守り抜くべきである。


  //ハンギョレ新聞社


リュ・ヨンジェ|大邱地方裁判所判事 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1000135.html
韓国語原文入力:2021-06-20 19:07
訳D.K

 

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[フォトエッセイ]「慰安婦」被害女性たちの名前が刻まれた銅板…古び、色褪せても

登録:2021-06-29 03:38 修正:2021-06-29 09:34

 


金学順さんの名前が刻まれた銅板//ハンギョレ新聞社

 

 「真実のためにここに立った女性。金学順(キム・ハクスン)。1924.10.20~1997.12.16。中国吉林省生まれ。日本軍『慰安婦』被害者。17歳で中国河北省に連れて行かれる」
 

 ソウル鍾路区(チョンノグ)の旧在韓日本大使館前。2016年、「慰安婦」被害者の名前などが刻まれた銅板が、平和の少女像の前の歩道と車道の境界石に設置された。やるせない歳月を経て、銅板の上に刻まれた文字は古び、色も褪せて読むことさえ難しくなった。日本軍「慰安婦」問題を戦争犯罪として認めることと、真相究明、公式謝罪などを要求し、1992年1月8日に始まった水曜集会は、来る7月14日で1500回目を迎える。何一つ解決されることなく、計り知れない時が流れた。銅板の上の字は消えようとも、記憶しなければならない理由はあふれている。
 

イ・ジョングン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1001187.html
韓国語原文入力:2021-06-28 15:08
訳D.K

 

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ユン前検察総長、大統領選出馬会見で「文政権の理念偏向で韓日関係悪化」非難
登録:2021-06-30 05:45 修正:2021-06-30 09:04

日本と歴史・安保・経済を同時に解決する「グランドバーゲン」提案 
米中間のバランスより韓米日関係を重視…保守主流派の立場示す



ユン・ソクヨル前検察総長が今月29日午後、ソウル瑞草区の梅軒尹奉吉義士記念館で、第20代大統領選挙への出馬宣言をした後、口を固く閉じている/聯合ニュース

 

 ユン・ソクヨル前検察総長が29日、ソウル瑞草区(ソチョグ)の梅軒・尹奉吉(ユン・ボンギル)記念館で開かれた大統領選挙出馬記者会見で、文在寅(ムン・ジェイン)政権発足後の韓日関係の悪化と関連し、「理念偏向的な『竹槍歌』を歌っているうちに、今日に至った」と批判した。「竹槍歌」は日本政府の一方的な半導体材料輸出規制措置で非常事態に陥った2019年7月、チョ・グク元法務長官が自身のフェイスブックに掲載した歌(東学農民戦争を唄った歌詞で、1980年代の民主化運動当時広く歌われた)だ。
 

 ユン前総長は「政府が政権末期に収拾しようとしているが、うまくいっていないようだ」と現状を分析したうえで、「韓日関係において、過去のことについては、後代が歴史を正確に記憶するよう、真相を明らかにしなければならない問題があるが、未来については、将来世代のためにも実用的に協力していかなければならない関係だと思う」と述べた。


 そして「現政権が発足してからめちゃくちゃになった慰安婦問題や強制徴用問題、韓日間の安保協力や経済・貿易問題、このような懸案を全部一つのテーブルに乗せて『グランドバーゲン』を目指す形で問題にアプローチすべきだ」と主張した。明確には言及しなかったものの、日本が執拗に要求してきた安保協力分野で歩調を合わせる見返りに、歴史問題などで多少譲歩を得ようという構想と言える。しかし、日本政府がこれまで堅持してきた冷ややかな態度からして、「グランドバーゲン」構想に好意的な反応を示すと期待するのは難しい状況だ。日本は、強制動員被害者への賠償問題などの懸案で、韓国が先に受け入れられる譲歩案を示すべきという立場を貫いている。
 

 ユン前総長はまた、韓国政府が進むべき外交・安全保障政策について、「韓国が(世界に)文明国家の普遍的価値に基づいているという明確な立場を示すべきだ」と述べた。「国際社会は人権と法治、自由民主主義の価値を共有する国家間だけで核心先端技術と産業施設を共有する体制へと急速に変化している。外交・安全保障と経済、国内問題と国際関係が切り離すことのできない一つの問題になった」と述べた。米国のジョー・バイデン政権が進めている「サプライチェーン再編」の動きに触れ、韓国が「自由民主主義の価値を共有する国」と協力を強化し、中国などにも「普遍的価値に基づいているという明確な立場」を示し、断固たる態度で臨むべきという立場を明らかにしたわけだ。
 

 ユン前総長は自分の立場を改めて確認するように、「大韓民国がどんな国なのか、はっきりとしたアイデンティティを示し、敵と友人、競争者と協力者すべてに予測可能性を与えなければならない」と付け加えた。米中間で「戦略的バランス」を維持するため、苦心してきた文在寅政権とは異なり、自由民主主義的価値を共有する米日と安保協力を深めていく方向に重きを置いたものとみられる。この主張は韓国の保守主流派の主張を事実上代弁するもので、彼と同じ小学校を卒業し、外交・安保分野の諮問をしているキム・ソンハン元外交部第2次官の影響を受けたものと推定される。
 

キル・ユンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
 

https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/1001398.html
韓国語原文入力:2021-06-29 16:47
訳H.J

 

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