手塚治虫のブッダ展             The Story in Manga and Art | ヤンジージャンプ・フェスティバル

ヤンジージャンプ・フェスティバル

基本はシュミ日記です。
…遊びをせんとや生れけむ 戯れせんとや生れけん…
  

藝大美術館を離れ、次はいつものトーハクへ・・・。


ヤンジージャンプ・フェスティバル-トーハク



青い空をバックに堂々とそびえる本館の姿!
もう何度も何度もここへ来ている僕ですが、この建物を見るたびに一気にテンションが上がります。


そして、本日のお目当てはこちら・・・。


ヤンジージャンプ・フェスティバル-ブッダ



トーハク史上初という、漫画をテーマにしたこの展覧会。
仏像も手塚治虫も好きな僕にとってはまさに夢の共演・・・!!!


とはいえ、今回の特別展。
本館の入り口正面の1室を使っての展示。
平成館の1フロアをまるまる使う大きな特別展とは違う、ちょっぴり地味~な展示。

そんなこともあってか、はたまた単に平日だからかは判らないけれども、お客さんの入りも「ほどほど」といったところ。

イイネ!
これはゆっくり展示品を楽しめそうだぜ・・・
ってんで、大人気声優(たぶん)の水樹奈々さんによる、音声ガイドをレンタル。


「わあーい!」と駆け出したくなる気持ちを抑えつつ・・・・。
まずは、展覧会の概要を紹介いたします。


【開催概要】
“漫画の神様”といわれる手塚治虫。
『鉄腕アトム』『ジャングル大帝』などの名作で知られる手塚治虫がその晩年、10年以上の歳月をかけて制作した作品が『ブッダ』です。
『ブッダ』は、仏教の開祖“釈迦”の生涯(仏伝)を手塚治虫独自の解釈で描いたもので、手塚の永遠のテーマである「生命の尊さ」がダイレクトに感じられる作品です。
本展は、この『ブッダ』のオリジナル原画と仏像そのものを同じ空間に展示するという日本初の試みで、文化遺産と現代文化を融合しながら、手塚が追及したブッダの世界を間近に鑑賞していただこうとするものです。

(「ブッダ展」オフィシャルHPと、トーハクHPでの概要を融合してみました)


展示室に入ると、まずは手塚先生によるブッダの誕生~入滅までを描いた原画がズラリ・・・。

この方の描く絵というのは、独特な線のタッチが魅力だよなぁ・・・と、漠然と思っていたのだけれど、こうやって原画を見ると、その漠然とした思いが一気に実感に変わった感じ。

大人気声優(らしい)の水樹奈々さんによる判りやすい解説と、手塚先生による美しい原画の数々・・・。
もう、この段階でかなりの充実感・・・・。


その後は、手塚先生の描いた「ブッダ」の原画と、その原画に描かれている場面に合わせた仏像が交互に展示されている・・・という展示スタイル。

動物の体毛の1本、1本。植物の葉っぱの1枚、1枚が、ほぼ手書きで描かれている原画にうっとり・・・。


そして、展示されている仏像は、手塚作品とは全く関係なく制作されているはずなのに、こうして並んで展示されていると、

「手塚作品の世界観を、原型師xxxが独特の表現で立体化!!!」

という雰囲気に見えてくるのも、また面白いところ。



・・・とはいえ「仏像展」・・・という見方だけをするのであれば、個人的には深大寺の仏像以外にはあまり魅力を感じられなかった展覧会だったというのは確か。

しかしながら、マンガと仏像を同じ土俵に上げてみる・・・というアイデアはものすごく面白かったと思うし、今後こういった展覧会がどんどん開催されていって、愛好家以外にも「博物館とか美術館とか面白くね?」という風潮が広がっていくのであれば、それは本当に素晴らしいことなんじゃあないかな・・・と思います。


・・・そんなわけで。

今後とも、トーハクさんにはどんどんこういう試みを続けていってもらいたいなぁ・・・と思います!

手塚治虫先生、または仏像に少しでも興味のある方、
ぜひともおすすめの展覧会です!