健康保険の被扶養者の資格が遡及して取り消されたため、また、被扶養者認定日が届出日となったため健康保険の空白期間ができた。
この間は国民健康保険に加入することになる。
そして、空白期間中に病院などで治療を受けていた場合は、一旦その時に利用した健康保険へ治療費の7割部分を返還し、改めて国民健康保険へその7割部分を請求する。(これを療養費の支給申請という)
今回話してきた流れだ。
ただ、この7割部分を国民健康保険がすんなり払ってくれる可能性は70%だ。
もし、あなたの住んでいる市町村が残り30%に当たっていれば、残念ながら支給されない。
通常保険証を持って病院で治療を受けた場合、窓口では治療費の3割部分を払い、残り7割は病院がその保険証を発行した健康保険(保険者という)に請求する。
つまり、7割部分は治療の現物給付を受けたこととなる。(これを「療養の給付」という)
しかし、何らかの理由で保険証を利用・提示できなかった時は療養の給付に替えて、療養費が支給される。
例えば、旅先で急病になり病院にかかったが保険証を持ち合わせていなかったため、病院の窓口で治療費の全額を支払った場合などに、後日申請により療養費が支給されるのだ。
ここで関連してくる法律が3つある。
一、国民健康保険法第54条第1項および第2項より
療養費の給付はやむを得ない場合だけの措置であって、そのやむを得ない場合かどうかの判断は保険者が行う。
二、国民健康保険法施行規則第3条より
国民健康保険被保険者の届出は14日以内に行わなければならない。
三、国民健康保険法第3条より
国民健康保険の運営者(保険者)はそれぞれの市町村および特別区である。
つまり、国民健康保険は市町村ごとに運営されており、保険料(市町村によっては保険税)の計算方法、その納付回数、基準や運営方法がバラバラなのである。
したがって、住んでいる市町村によっては届出期限が14日だから、それ以上遅れた場合は給付を行わない。というところもあるのだ。
その上、給付は行わないが保険料の徴収は時効の2年分(国民健康保険法第110条)支払えと言ってくる市町村さえある。
これが前回お話したリスクだ。
あなたが30%に当たっていないことを祈る。
「そんなの納得いかねえ!」
もし、あなたが30%に不幸にも該当し、かつ、役所と戦う気があるなら次回戦うネタ(30%のネタ元でもある)を授けよう。