柘榴の実とギリシャ神話 | こけしちゃんのブログ

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常に何の拘束からも解放され、自由でありたい我儘人間。
仕事が多すぎて忙しい時は、自由時間が欲しくなります。いろんな束縛から開放され、自由時間を手にすると、暇をもてあまして何かやることを探し始めます。人は、ほんとに贅沢で我儘な人種です。


ザクロ Punica granatum L. 小アジア、 イラン東部から北インドのヒマラヤ地方原産。平安時代に中国を経て渡来したと伝えられています。


ということは、シルクロードを経て日本に渡ってきたに違いない…などと勝手に考えているところですが、Punica(プニカ)は、ラテン語の「punicus(カルタゴの)」が語源です…。


…となれば、ザクロの原産地がカルタゴだったのかもしれません。カルタゴは、北アフリカの今のチュニジアあたりということになります。


また、ギリシャ神話にザクロの実の話が出てきます。


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神話によると、収穫の女神デメテル(Demeter)と、ゼウス(Zeus)との間にペルセポネ(Persephone)という美しい一人娘がおりました。


ある日、ペルセポネは野原でニンフたちと花を摘んでいて、ひときわ美しい水仙の花を見つけます。


スイセンは死の国との境に咲く花です。ペルセポネはそれを忘れて思わず手折ってしまいます。


突如大地が裂け、光り輝く黄金の馬車が勢い良く飛び出し、それに乗っていた冥界の王ハデス(Hades)がペルセポネをさらってしまいます。


実はこの水仙は、ハデスが彼女を連れ去りやすいように父であるゼウスが用意したものでした。冥府で暮らす事の多いハデスは女性への接し方が解からず、女性経験が豊富でペルセポネの父親であるゼウスに相談したのです。


ゼウスは『強引な方が女性に好かれる』とハデスに知恵をつけ、ペルセポネを誘拐するように仕向けたのでした。そしてゼウスはそれに協力する形で水仙の花を用意したのでした。


母親である女神デメテルは嘆き悲しみ、神殿に奥深く篭ってしまいます。収穫の神が隠れてしまったのですから、世界中の草木は枯れてしまいました。


こうして、冬が生まれることになるのです。


さすがのゼウスも困り、ハデスに「ペルセポネをデメテルに返すように」と命じます。


避けられないと知ったハデスは一計を案じ、ペルセポネにザクロの実を食べさせます。


冥界のものを食べた者は冥界から出られないということを知らず、ペルセポネはザクロの実を4粒食べてしまいました。


そして母デメテルの元に帰還したペルセポネが、冥府のザクロを食べてしまった事を母に告げます。


冥界の食べ物を食べた者は、冥界に属するという神々の取り決めがあった為、ペルセポネは冥界に属さなければならないのです。


デメテルはザクロは無理やり食べさせられたと主張し反対しましたが、デメテルは神々の取り決めを覆す事は出来ませんでした。


そして、食べてしまったザクロの数だけ冥府で暮らす事になり、一年のうちの1/3を冥府で過ごす事となりました。


彼女は冥府王妃ペルセポネとしてハデスの元に嫁いで行きました。


そしてデメテルは、娘が冥界に居る時期だけは、地上に実りをもたらすのを止めるようになりました。

これが冬という季節の始まりでした。


ペルセポネが地上に戻る時期は、母である豊穣の女神デメテルの喜びが地上に満ち溢れました。


これが春という季節で、そのため、ペルセポネは春の女神(芽吹きの季節の女神)とされるようになりました。


ギリシャ神話……おもしろかった。(=⌒▽⌒=)