ヨモギ Artemisia vulgaris L. var. indica Maxim.
本州、四国、九州、小笠原および朝鮮半島の山野をはじめ、至る所に生育します。
夏から秋にかけ、ヨモギは花序を出して目立たない花を咲かせます。
今まで、注意して見たことがなかったのですが、確かに花らしきものが咲いています。
色は紫褐色で、花が咲いているとは思えないようすです。
春になると、いたる所で芽を出じ、春の若菜は餅と混ぜてヨモギ餅にします。
お灸に使うもぐさ(艾)は、乾燥させた葉の裏側の綿毛を集めたものです。
ヨモギの若い芽や、若い株は、干してから煎じて飲むと、健胃、腹痛、下痢、貧血、冷え性などに効果があります。
葉は、艾葉(がいよう)と言って、止血作用があります。
また、育った葉は、干してから風呂に入れると腰痛や痔にとてもいい効き目があるとされます。
ヨモギという名前は、「よく燃える草」という意味であるらしいですが、はっきりした事はわかりません。
確かに乾燥した葉は毛がたくさんあるので火付きがよく,大昔は木をこすり合わせて火種をおこすのに使ったのかもしれません。
ヨモギはセイタカアワダチソウと同様に、地下茎などから他の植物の発芽を抑制する物質を分泌します。
自らの種子も発芽が抑制されますが、ヨモギ自身は地下茎で繁殖するので、特に問題なく生育します。
ヨモギが密生して生育するのは、そんな理由からなのでしょう。
私たちのイメージするヨモギは、春のものです。
夏が過ぎて、今の時期はようすが違っています。
