Allium tuberosum Bottl. ニラ(韮、韭)は、ユリ科 ネギ属の多年草。黄緑色野菜。
古事記では加美良(かみら)、万葉集では久々美良(くくみら)、正倉院文書には弥良(みら)として記載があります。
このように、古代においては「みら」と呼ばれていたようですが、平安時代の院政期頃からm→nという子音交替を起こしたために、「みら」が「にら」になり、現在に至っているそうです。
旧大陸の温帯に分布し、山野にはえ、葉を食用に畑で栽培しています。特有なにおいがあります。
ニラに含まれる硫化アリルは、ビタミンB1を体内に長く留めておく作用があり、スタミナ増強食品として使える他、新陳代謝も促すので、食欲増進、風邪の予防などにも効果が期待できます。
ただし、胃腸の弱い人やアレルギ-体質の人は、食べ過ぎに注意した方が良いそうです。
ニラは、摘んでも摘んでも、すぐ芽が出てくるという生命力の強い植物です。10回ぐらいは収穫ができるのだそうです。
昔から農家の自家用野菜として栽培されていましたが、一般に普及したのは、戦後のことのようです。
戦後、一般家庭でも中華料理が作られるようになったことで需要がふくらみ、市場に出回るようになったらしいです。
ニラの穂も食用として用いられていますが、穂をそのままにしておけば最後には花が咲きます。とても綺麗な可愛い花ですね。

