こんにちは。

ティヴォリのエステ家別荘といえば、噴水に彩られた緑の庭園がイメージされますが、貴重な装飾や調度品が全て持ち去られたとはいえ、邸宅に残された天井画や壁画、モザイク、建築プランはとても魅力的です。


現在美術館となっている邸宅の入り口は、トレント広場に面して、邸宅に施主が眠るサンタマリア マッジョーレ教会脇に有り、チケットオフィス、ブックショップを抜けると直ぐに中庭、館に入ると直ぐプライベートチャペルとなっています。

(サンタマリアマッジョーレ教会です。この右サイドに別荘入り口があります)

ポルティコが回らされた中庭中央にヴィーナスの噴水があり、庭園邸宅の要となっています。

(背景はティヴォリの景色で庭園邸宅装飾で繰り返し用いられるヘラクレスと黄金のリンゴがここにもあります。当初は金箔が貼られ本当に黄金のリンゴの姿だったそうです。エステ家はヘラクレスの子孫という伝説があり、エステ家の家長の名にヘラクレスのイタリア語エルコレが複数登場します。)

中庭から建物を繋ぐ前室脇のプライベートチャペルです。全面を覆う美しいフレスコ画のみ残されています。


イッポーリト2世枢機卿の寝室だった部屋の格天井です。木彫に金箔をふんだんに使った豪華な作りです。天井装飾の直ぐ下のフリーズ装飾の白抜きの部分は未完の為だそうです。

上階の大広間の天井も重要性が高いものが描かれる予定だっただろう大きな区画が白抜きなのは何とも残念です。

その下部の壁面は全く装飾がないのですが、かつてはタペストリーや金唐革と呼ばれる、スペイン産の皮革に打刻金箔や着色を施した壁面装飾を貼っていたため、フレスコ画装飾がないそうです。


階段を降りると天井に少し立体的なモザイクを施した天井の廊下があり、壁面にかつて噴水だったモザイク装飾があります。

上部左三角に開けられた窓は中庭からの明かり取りで、中庭から見ると地下、庭園側からは2階に当たる空間です。



(中央に唯一キリスト教主題のフレスコ画が描かれているノアの広間です。壁面は水にある景色)
その奥のモーゼの間、ヴィーナスの間は見学できませんでした。

(ティブルとローマの戦争をテーマにした広間)

(邸宅の地下から発掘されたローマ時代のドムス跡)


(大木が視界を遮ってしまっている邸宅からの庭園の景色)


(写真右、騙し絵のフレスコに描かれた枢機卿と教皇の帽子はイッポーリト2世枢機卿の願いが垣間見られます。)

(1568年当時の別荘と庭園が描かれたフレスコ画)

螺旋階段を降りると、自動販売機が設置されているカフェテリアが有り、庭園に出ます。
ガイドブックを見るとダイアナの洞窟も閉ざされていて見学できませんでした。
 
 エステ家は直系男子が途絶えたことを理由にフェッラーラの統治権を教皇庁に取り上げられ1598年、本拠地をモデナに移し、フェッラーラに残るエステ家のルネサンスを代表する高い文化サロンの名残はやはり建築物とそこに付随したフレスコ画のみ、残念です。