67.

" A Wandering Travel 流浪の旅 39  "


== 芽衣  + 沢木薫 ==



 翌日も昨夜自宅に帰って行った薫くんが10時前に
宿に迎えに来てくれた。


 今日も私の家へ行く予定にしていたから。

 フローリング部分や窓枠なんかを薫くんが拭いてくれることに
なったので、私は台所用品やら衣類やら日常的に使うモノなんかの
細々としたことに取り掛かることにした。



 広縁続きの和室もリビングも窓全開で開けっぱなして
掃除やら片付けをしているうちに、風がいきなりゾヨゾヨって
違う、ブワァーッて吹いてきて・・。


 あぁ、メモの紙が外に吹き飛んでっちゃう~・・駆け寄って拾えたのだけれど
目の中に異物が混入してしまって、私は停止してその場に固まってしまった。


  「芽衣さん?」


 「うん?」
 薫くんに返事をしながら私は瞼をそっと触った。
 痛いっ、少しチクっとする。

 やだぁ、こんな時にゴミが目の中に入ったみたいだわ。

 涙が出て来たので、このまま涙が出続けてくれればそのうち
ゴミは出て行くだろうと思っていたのだけれど、そうは問屋が卸さないぜと
ばかりに、涙は出るものの目の中に入った異物が出で行ってくれない。

 ンもうこんな時に・やだなぁ。



「あのね、すぐ取れると思うんだけど目に何か入ったみたいなのよ」


 しばらくすると何やら水の音が聞こえて、薫くんが雑巾洗ってるんだな
って思いながら擦るに擦れない目を目の周りの筋力だけを使って
何とかゴミを出そうと戦った。


 だめだぁ~、混入した異物はなかなか涙と一緒に流れていっては
くれない。いやん、いやん、と心の中で呟き続けた。


 そんな私のすぐ目の前にぬっと薫くんが現れて・・。



 「見せて・・芽衣さんの目」


 私が薫くんの方に向けて目を見せると、彼が言った。


 「じっとしてて、俺が取ってあげるよ。あっ、ちゃんと除菌洗剤で
手洗ってるから安心していいよ」


 

 

 

  
  

 

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