BGM:ライオンキング

http://www.youtube.com/watch?v=LiziwxZBIH0


子どもの頃、ジャングルに憧れた。

ジャングルには、いろんな動物がいる。

木からへぇび(へび)がぶら下がってるし。

木々の葉の間から目がピカって光る。

それは、トラの目であるのかもしれないし、フクロウの目なのかもしれない。

いずれにしても、ワクワクである。

ワクワク動物ランドである。


若林で見た空


木々の葉がワサワサって揺れて、鳥が羽ばたく。

地響きを立ててイノシシが走る。

「ウンニャー」という声が聞こえる。

「んんっ?」「ウンニャーってなんだぁ?」って思われる人がいるかもしれないから説明しよう。

「ウンニャー」とは、ライオンキングのオープニングソングの最初に叫ばれる声なのだ。

「えぇっ?ウンニャーなんて叫んでいないぞ」って人も若干いるかもしれないが、ボクにはそう聞こえるから、それでいいのだ。話を進める。


そしてである。

小学生低学年の時。

ボクらの小学校にもジャングルを作る計画があると、担任の先生から聴かされた。

話を聴いて、ボクらアホな小学生は狂喜乱舞した。

「ウンニャー」。

とうとう我が小学校も、ジャングル化する。

毎日が冒険王。胸躍る日々がやってくる!!って、そう思った。


ところが、その後出来上がったジャングルを見て、ボクらは唖然とした。

担任は、「これがジャングル・ジムだ」と言った。

果たして、これのどこがジャングル・ジムなのだ。

目がキラリもないし。

木々のワサワサワサもない。

単なる鉄パイプを組み合わせただけの遊具じゃないかぁぁぁぁぁ・・・・。

ジャングル・ジム。

完成品を見た時の絶望感は、ユーラシア大陸よりも大きかった。


でもでも、アホな少年たちの立ち直りは早かった。

その後、休み時間のたびにボクらはひたすらジャングル・ジムに群がることになる。

今思うと、ジャングル・ジムのどのへんにボクらは引き寄せられたのか、よくわからない。

ただ、しばらくの間。

そのパイプを組み合わせただけの遊具に、ボクらは立ち向かい続けた。

ウンニャー。