・・・車を持てば、おなごにもてる・・・
玉名クンの発言は、ボクら若い男子の心を突き崩すに十分すぎる破壊力を持っていた。
「んだば、おらも買う。」
岩手県大船渡は、すぐに考えを改めた。
「だども、ゼニコがね。」
「そこですたい。プロレタリアート大船渡クン。」
玉名は声のトーンを一段と高くして、こう言った。
「いろいろ検討した結果、これにすれば買えるですたい。」
左門玉名は、ボクらにあるチラシを提示した。中古車屋さんのチラシ。
そこにはなんということでしょう。
当時の金額で、3万円の車が載っていた・・・。
車種は「スバル360」。かっちょよくて、かわいらしい車だった。
「たった3万円で、おなごがみんなボクらのものになるですたい。」
「うぉぉ~」
AHO3人組である。
3バカ大将である。
ボクらは神様の罰なんてことはすでに忘れ果てていた。
そして、3万円ならなんとかなるねな話に全ては変化していた。
まさに、おなごの力絶大。その日。
3バカ大将は、仲良く電車に乗って、中古車屋さんに出かけた。そこには・・・。
光輝くスバル360が、鎮座ましましていたですたい。