「バラが咲いた」が流行したとき。

ボクはまだ、子どもだった。

でも、子どものボクにも、ちゃんと感じられた。

「バラが咲いた」。

その曲は、ボクが今まで聴いてきた音楽とは明らかに違っているということを。

バラが咲いたは、明るくて、シンプルで、覚えやすかった。

一度耳にすれば、誰でも覚えられ、くちずさむことができた。

だから、バラが咲いたはボクら子どもたちの愛唱歌にもなった。

バラが咲いた バラが咲いた 真っ赤なバラが 淋しかったボクの庭が 明るくなった


若林で見た空


同じ言葉を繰り返すという意味でもう一曲思い出に残るのは、小坂明子さんが歌った「あなた」だ。

もしも私が家を建てたなら というこの曲。

あなた あなた あなたの繰り返しがサビの部分。

そしてこの曲も、庭に真っ赤なバラが登場する。

真っ赤なバラと 白いパンジー 子犬の横には 子犬の横には、あなた あなた あなたがいて欲しいと熱唱する。

「あなた」

大ヒットした。

バラが咲いたと同じく。

皆がくちずさむ曲となった。


ところで、バラが咲いたの方だけど。こちらは、「あなた」と違って、メタファに感じを受ける。

家の庭にバラが咲いたということは、他の何かを表しているように感じる。

「ははぁ~ん。マイクのやつ。とうとう彼女ができたな。」

なんて小学生のときに、考えることはなかったけど。

今思うに、何かとても嬉しいことがあって、それをバラが咲いたと歌っているのだなと捉えられる。

ここが、家を建ててそこにあなたがいて欲しいとダイレクトに歌う「あなた」と少し違うところだ。


いずれにしても、この2曲。昭和を代表する「フォークソング」。

今でもボクらの世代は皆、口ずさめる名曲だ・・・。


*浜口庫之介さん・・・、間違っていたらごめんなさい。