BGM:君は風 歌「佐々木幸男」
http://www.youtube.com/watch?v=9nsl2iatSo0
現在大ヒット中のジブリ映画「風立ちぬ」。
その中で、たばこを吸うシーンが多過ぎるのではないかと、日本禁煙学会がスタジオジブリに要望書を出したことが報道された。
未成年の人たちが、映画などで喫煙シーンを見ることにより、タバコに対する憧れを抱くことを危惧したものと思われる。
ただ、今回の「風立ちぬ」という映画の時代背景は昭和初期。
日本における男子の喫煙率は今より高く、当時の社会状況を考えると、喫煙シーンが多いことは「その時代を表す手法として適当である」という、意見も出ているようだ。
ボクは若い頃、タバコを吸っていた。
当時。
喫煙率は、今よりずっとずっと高い時代だった。
大学生で、タバコを吸ってる人。ボクの周りにもたくさんいた。
ところで、ボクがタバコを吸いはじめたきっかけ。
それは、映画を見て憧れたからなんかじゃなかった。
ちょっと恥ずかしいけど、実は「声」を変えたいから、というのが理由だった。
ハスキーな声。
当時、ボクは軽音楽部に所属していて、とっても下手だったけど、歌もちょっとだけ歌っていた。
ボクの憧れの声は、ハスキーな声だった。
例えば。
佐々木幸男さんのように。
はたまた、上田正樹さんのように。
でも、ボクの声は、ハスキーじゃなかった。歌うと高音で、女の子みたいな声だと言われていた。
どうしたら彼らのような素敵な声になれるのだろう。
考えた末、ボクはタバコを始めた。
タバコを吸っているうちに声がかすれていくかもしれない・・・。そう思った。
残念なことに。その願いは叶わなかったけど。それが、ボクがタバコを始めるきっかけだった。
日本禁煙学会の方々が、そうした背景を受けて。
今度はハスキーな声の人たちに要望書を出したら困るなぁって思う。
ハスキーな歌声を聞いて、タバコを始める若者が日本に一人でもいたら困る。
「ハスキーな人はテレビで歌わせないで欲しい。」
な~んて文脈で、芸術だとか、文化だとかを否定しはじめちゃったら、ちょっと活動の方向性があやしくなっちゃうのではないかとも思われる。
この論争の最中、いろんな人の意見を読んだけど。
「禁煙の精神は、表現の自由をも上回る」と論評されている方がおられるのを見てビックリした。
そこまでいくと、ちょっと怖いなぁ。
ボクは、西洋の魔女狩りを思い出した。
*日本禁煙学会が言われる、「未成年の喫煙」を誘発するような表現については、ボクも反対です。
未成年の喫煙は触法行為であり、たばこの害云々以前の問題であるということも併記いたします。