中学生のボクにギターを教えてくれたのは。

実はその後、従兄弟のNりあきちゃんだった。

父方の従兄弟Nりあきちゃんは、ボクより5歳年上。

当時彼は、高校2年生だった。


若林で見た空


Nりあきちゃんは、ボクにコードを教えてくれた。

先ずは、Cだった。

「C」、ドミソ。

左手でそれを頑張って押さえ、右手でジャランと弦をはじくと。

先生がピアノで起立の時にたたく音「チャン チャー チャン」のチャンと同じ音だった。

感動だった。

「ボクは音楽をしているぅ。」

そう実感した。音楽は素晴らしい。その場で、叫び、むせび泣きたいくらいの感動を覚えた。

それなのに。ボクが、感動をググググっと味わっているにも関わらずNりあきちゃんは、「はいはい、次はAmだよ。」とレッスンを進めた。

Am(ラドミ)。

うぉ~、ラドミ。

ちょっと変えたらドラミちゃんになってしまうではないか。

繋がっている。音楽は、何かと何かをつなぎ合わせる不思議な媒体なのだ。

とボクがまたまた感動していると、Nりあきちゃんは、「はいはい、次いくよ。」

「次は、Fだよ・・・。」と冷静にレッスンを進めた。

ところが・・・。

ボクはここで躓いた。

F(ファラド)の音が出ないのだ。

人差し指を一本に立てて、薬指、中指、小指で弦を押さえる。

頑張ってそれをやると、指が引きつった。ボクは生まれて初めて指が痙攣を起こしたような感じを覚えた。

Fのマスター。

実はそれに、ボクは時間をとっても費やした・・・。