「くるみ割り人形と魔法の王国」AEONシネマズ | サーシャのひとり言

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音楽や絵画など日々見たり聴いたりしたことの備忘録的ブログです。

公開されたばかりのディズニー「くるみ割り人形と魔法の王国」を見てきました。
以下、ネタバレを含みますのでこれからご覧になられる方はご注意ください。



ディズニーらしい非常に美しい映像美の作品です。
特に冒頭、クリスマスのロンドンを鳥の目線で浮遊する場面はまるで自分が飛んでいるような素晴らしいわくわく感。
あっという間に映画の世界に引き込まれました。照れ

音楽も指揮はドゥダメル、ピアノはラン・ランと豪華な布陣。劇中劇で踊るのはミスティ・コープランドとセルゲイ・ポルーニンです。

とにかく美少女ぶりが際立っていたクララ役のマッケンジー・フォイ。

キーラ・ナイトレイは金平糖の精。
衣装の美しさも映画のみどこの一つ。

劇中劇でくるみ割りを踊るミスティ・コープランド。


ストーリーは、いわゆるくるみ割り人形の後日談的なものですが、別のオリジナル作品と考えた方がいいと思います。
母マリーを亡くしてその悲しさから立ち直れず家族とも距離を置く孤独な少女クララ。
そんなクララはメカニック大好きでリケジョの側面も。
娘へのクリスマスプレゼントとして母の遺した不思議な卵型の物体を開ける鍵を探す彼女は、ドロッセルマイヤーさんの屋敷の部屋からいつしか見慣れない別世界に迷い込みます。

亡き母が女王を務めていたというその別世界の平和を取り戻すためにクララとくるみ割りのホフマン大尉の冒険が始まります。

冒険を境に成長したクララはやがて心を開いて自分の居場所を見つけ、母の死を境にばらばらになっていた家族は再生を果たす、というもの。


(以下は辛口です。映画を楽しまれた方はスルーしてください)



かなり突っ込みどころが多いストーリー。
普通に家族の再生物語と考えれば、まだ一応納得はいきますが、くるみ割りとして考えると正直非常に微妙です。
ここは、元々のくるみのことは忘れて、マッケンジー・フォイの美しさを堪能するイメージ映画と考えても良いでしょう。
ドレスはもちろん軍服姿も本当に輝いていました。

一方、ドロッセルマイヤーさんやくるみ割り人形のホフマン大尉、劇中バレエでこの世界へ来た頃の母マリーを踊るキャストは黒人の方が演じていました。
皆さん役者さんやバレエダンサーさんとしては好演しているのですが、いかんせんその雰囲気に合うかというと疑問です。
ディズニーなので人種を平等に配置したということなのかもしれませんが、その意図が却って浮いている感じもしました。

クララの母マリーが、不思議なマシンを用いてくるみ割り達人形に命と感情を与えた女王様としていまだ崇められている設定も、ここだけ未来SF映画のようです・・。
しかもそのマシンは命を奪うこともできるという・・ここまで来るとホラー!!
まぁ、クララが機械大好きリケジョ少女の面目躍如でマシンの設定を変えて争いを解決するのですが・・。

結局、ネズミ達は良い人側だったという不思議なオチ。
皆が恐れていたマザー・ジンジャー、普通の気のいいおばあさんでした!ガーン