究極のタイムスリップ1
第1話

西暦2015年秋。長年の談合入札の結果、ついに軍事宇宙開発省の完全日本版のスペースシャトルが完成した。総称は「H2GTR-RW」。第一号の名称は、公募で「ヤマト」となった。審査員にアニメの宇宙戦艦ヤマト世代の人間が多かったからだと憶測された。(まあそんなことはどうでもいいが・・)

乗り組み定員は7人。第1号「ヤマト」は、船長、副船長兼科学主任1人、機関士2人、操舵士2人、天体物理化学者1人の構成だった。打ち上げ予定は10月22日。目的は、取り敢えず地球を周回して無事に戻ってくること。有人飛行については中国に先を越された上に、反日デモで国旗を焼かれて、当時の政府が「みていろおまえら!」って気になって、ようやく宇宙開発税という目的税を導入して、それまでの事業団を数階級特進させて省にまで格上げして、官民総力を挙げて開発した。だから、宇宙と言われる領域に、日本人乗組員が日本人のお金で日本人のために、無事に行って帰ってくることだけでもすんごいことであった。

                                            続く