* 本 * フランケンシュタイン☆メアリー・シェリー | 。+゚定禅寺大学2年生゚.:。+゚

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夫の赴任先仙台から地元に戻り、英語のプロを目指してがんばっているアラフィフ主婦です。



科学者に作られた化け物。

フランケンシュタインというのは作った人の名前だけど、それが化け物の名前として定着している。


 翻訳特有の文章で、イギリスの風景の描写などが延々と続き、退屈で何度も途中で投げ出そうと思いました。


それが化け物の独白が始まると、急に文章が生き生きして、もう読むのが止められない。

見た目は酷いけれど優しい心を持っている化け物。

結局化け物はその醜さゆえに、人間にわかってもらえることはないのだけど、自分の妄想の中で「美女と野獣」のようなハッピーエンドのお話を作ってしまうほど、化け物の心の美しさに胸を打たれました。

救いようのない結末。

どうしてこんな悲しい話を作ったのだろう。


近頃言われているルッキズムは、人間の本能で数百年前にも当たり前にある概念、ということも考えさせられる。

途中で投げ出さないで読んで良かった。

いつまでも心に残る名作に出合えました。


☆☆☆☆

「フランケンシュタイン」

 メアリー・シェリー 著/芦沢 恵 訳

新潮文庫

1816