親知らずは、総合的に判断して抜かない場合もあるけれど、カナダでは基本的に抜くのが一般的です。

簡単にぽこっと抜けそうな場合は、日本と同じように麻酔をして抜歯します。だけど、4本同時に抜く事が多いので、IV SEDATION(静脈内沈静法)という点滴か、錠剤の薬を飲んで、ぼーっとしている間に抜く方法が一般的です。ちなみにこのIV SEDATIONは、トレーニングを受けた歯科の先生が行うことが多いです。


アメリカでは全身麻酔で親知らずを抜くんだよ~という話を聞くことがあるけど、IV SEDATIONの事かな、と思います。治療が終わった頃に目が覚めて、ぼーっとしてしまうので、必ず付き添いの人に来てもらい、自分で運転して帰らないようにと注意があります。


ところで、私は日本で親知らずを抜いてもらいました。乳歯は全部自然に抜けて、抜歯自体が初めてだったので、とても緊張しました。麻酔もあまりした事がなかったので、口の中に注射~!と思うだけでコチコチになってしまって、すごくドキドキしていたのを覚えています。先生も横についてくれたアシスタントの人も、(たぶん私が挙動不審だったので、笑)こわがらせないように、ずっと声をかけてくれてとても優しかったです。なのでこちらの人も、こうやって優しく対応したら、意外にsedationなしでも出来るんじゃないかな~、と日本人の私は思ってしまいますが、基本的に北米の人は痛みを我慢する考えがないからなのかな、と思います。出産も麻酔なしで産む人はなかなかいないのです。帝王切開の事ではなくて、EPIDURAL という麻酔を背骨の下の方に注射しての出産が一般的な出産スタイルです。最近は自然派思考で自然分娩も見直されているようだけど・・・日本人は出産の時は普通は麻酔しないよ、と言うとえっなんで?とびっくりされるのです。国によって文化も習慣も、普通、と呼ばれる考え方も違っておもしろいです。


ところで、カナダには国民保険のようなものがあるのですが、歯科はカバーされません。会社勤めの人達は、会社で保険に入ってたいてい問題ないですが、アルバイトや自営業となると、大きな治療になると出費も大変です。自分で保険に加入することも出来るけれど、カバーされる額は低いし、掛け金が無駄になる場合もあるので基本的に自費になってしまうのです。カナダの歯科治療は高いので、お金がなくて治療が受けられない、極端な場合、救える歯もしょうがなく抜歯、といったケースもあるのです・・・治療費のことを書くと長くなりそうなので、また明日続きを書こうと思います。