育てる宝石 | 溝辺真珠オンラインショップ PEARL STYLE <パールスタイル>

育てる宝石

育てる宝石


もともと漁師だった祖父が真珠の養殖を始めたのが約50年ほど前。それを父が引き継ぎ、僕も2年前からスタッフとして加わっています。3代にわたって真珠養殖を続けているわけですが、真珠づくりというのは、つくづく奥が深く難しい仕事だと痛感させられます。たとえば金属やガラスなどの素材を使ったアクセサリーであれば、素材を見極める目と、それを加工する技術さえ身につければ、一定以上のレベルのものを作ることは可能です。でも真珠の場合は、そうはいきません。というのも、真珠というのは母貝が持っている自然の力に委ねて作られるもの。意外かも知れませんが、真珠ができるメカニズムは天然も養殖もほぼ同じなのです。もちろん母貝の選び方や育て方、核入れの技術など、人の力によって真珠の品質が左右されるのは確かです。それでも人の手ですべてをコントロールすることは不可能で、結局は自然に委ねるしかないんです。水温や潮の流れが少し変わっただけで貝は死んでしまいますし、いくら手間をかけても、貝の健康状態や気象条件によっては、真珠がうまく育たない。


ともかく真珠ほど、謙虚に自然の力を借り、人の愛情と手間が注ぎ込まれている宝石はありません。その意味で、真珠というのは「究極のナチュラルアート」といえるんじゃないでしょうか。実際、貝を開けて美しく深みのある光沢の真珠ができていた時など、素晴らしい芸術と出会った時のような感動があります。これから真珠が出来る過程を書き込んでいく予定です。

 ハリセンボンの真珠うんちく