不正出血からレディースクリニック受診、がんセンターの予約までが終わり、ついに色々な事が始まるんだという不安でいっぱいでした。
そして夜になるにつれて襲う怖さ。
もしかしたら年を越せないかもしれない、次の誕生日を迎えられないかもしれない、大切な人達とすぐにお別れする日が来るかもしれない。
そんな事ばかり考えていました。
布団に入って思い浮かぶことは、小さい頃の私と両親です。特別思い出に残っている場面はないのに、私の記憶にある楽しい時間が次々と浮かんでくるのです。あんなに嫌だったはずなのに、両親より先に旅立つかもしれないと思うと、とても辛くて涙が止まらなくなりました。
私死ぬのかな?もう死んじゃうのかな?
そんなの嫌だ、生きたい。絶対死にたくない。
そうやって毎日考えては泣いていました。
今までは周りの人と話す会話で「来年やればいいんじゃない?」といった内容もありました。
その時はその言葉に何の意味も感じていませんでしたが、今となっては来年というものが私に来るのかどうかも分からない、どうして未来が必ず来ると前提していたんだろう、今となってはもう明日が来ることさえ分からないと思っていました。
こうして頭の中は常にがんの事でいっぱいでした。
気晴らしに本を読んでも、ふと浮かぶのは自分ががんになってしまったという事。
美味しいご飯や大好きな焼肉を食べていても、自分はがんなんだと急に思い出していました。
そうしているうちに、ふと思い出していたがんであるという事実は、当たり前のように頭の中に住み着いて、思い出すのではなく毎日考えてしまうようになりました。
考えても今は仕方ない。出来ることは何もない。がんセンターの検査を待つしかない。
でもどうしてだろう、とても怖い。涙が止まらない。自分はこんなに弱かったんだな…。
そう思いました。
死との恐怖。
死ぬなんてまだまだ先の事だと思っていたのに、どうして今考える事になったんだろう。
私はまだ35歳。これからやりたいことも沢山あったのに・・・。
私の考えは全てネガティブなものへと擦り変わっていました。