受益権売買 | 政治政策論争ブログ2 By R.近藤

受益権売買

私は収益物件を中心とする不動産コンサルタントをしています。クライアントは収益物件を購入したがっている会社や収益物件を売りたがっている会社。実物不動産の売買が中心ですが、実は受益権での売買のほうがずっと楽なんですね。かつては税制上の優遇もありました。いまはありませんけど。

受益権と言うのは通常、所有者が委託者兼受益者となって信託設定をします。信託は信託銀行を使いますからロット的にはかなり大きいものでないと難しいです。信託銀行といっても大手である必要はないのでオリックス信託あたりでも別にかまいません。

信託を設定すると受託者が物件の管理を管理会社に依頼します。最近では管理会社といわず
PM プロパティマネジメントという言い方がはやっていますが、まあ管理会社と似たようなもんです。ちょっと違うのは、管理業務だけでなく、信託の設定をしたり、サブリースをしたりやや業務範囲が広いのがプロパティマネジメントといえるかもしれません。

ついでにいうと、物件を自分で持って転売でかせぐことはアセットマネジメント業務と言いますね。株式投資信託ではアセットマネジメントは投資指図だけなんだけど、不動産の場合はデベロッパー業務とかがアセットマネジメントって感じですね。

さて、受益権を設定すると毎年一定の信託報酬コストがかかりますが、転売がスムーズになり、融資も受けやすいですね。収益物件でも、転売の際は管理会社やテナントに所有権の譲渡の手続きをたらなくてはならず、これが結構面倒なんですが、(だってテナントの数が多いといちいち賃料の振込口座の変更とか依頼するの大変)受益権売買だと、管理会社さえ引き継げば、法律上テナントへの通知もいらないし便利。

融資については、不動産担保でなく、受益権担保で設定可能ですね。受益権だと小口にして分売もできるし、不動産の共有に比べ法的手続きが安定してます。