チュン君は ディスレクシア(読み書き障害)である。
今のところ 平仮名 カタカナ アルファベットは
だいたい 読めます。
スラスラと…とまではいかないけれど
まあ 聞いてて内容が分かる程度のスピードでは読めるようになりました。
時間はかかるけど 書く事も まあまあ できます。
まだ 似たような字は 書き間違ったり
思い出せなくなる字もあるけれど。
でも 漢字は 難しいです。
私も 基本、一切 教えてません。
学校でも 特別 教えないでいいと 言っています。
まあ この辺に関しては 過去記事に色々書いてますので
省略します。
そんな チュン君。
でも チュン君 読める漢字は存在します。
例えば
山 ・ 川 ・ 中 ・ 上 ・ 下 ・ 人 ・ 木 などだ。
チュン君が読める漢字は 大体 全て
漢字の成り立ちが分かり易く(象形文字風)、字画が少ないものに限定される。
しかし
字画が多少 多くても読めるものもある。
いえ “読める” と言うよりは “分かる“ です。
その 良い例が
「日高昆布!」
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なんでやねん!
的 突っ込みが聞こえてきましたが…
実は チュン君 昆布のおにぎり大好き
で、コンビニに行くと 必ず
「昆布の おにぎり買って~
」と言いだす。
ある時、しばらく 帰りが遅くなる日が続き、
コンビニの食べ物で ちょっと小腹を満たして帰る日が続いた事があった。
そして 例のごとく
「昆布の おにぎり買って~
」
が 始まる。
そこで 私は 実験を思いついた。
←いいのか?
「昆布のおにぎり欲しいなら 自分で探して取ってくれる?
」
と 漢字の読めない チュンに条件を突きつける 意地悪ママ。
案の定チュン君
「え~
」と ブーたれる。
しかし 悪魔の微笑み miwaママ。
「大丈夫よ、チュン君。
ママは 何時間でも ずーっと待ってるから。
ゆっくり ゆっくり 選びなさいね
」
すると チュンの目に
(やってみよう!)の チャレンジの炎が見える。
「えーっと。これ?
」
首をふる私。
「じゃーこれ?
」
端っこから 順番に聞いてるだけやんか~!
の
突っ込みをとりあえず 押し殺し 首を振る私。
「じゃーこれ?
」
ええ 3番目に並んでるのが 昆布ですね…
と たまたま当たっただけの昆布だったが
「すごい!チュン君!どうして分かったのぉぉぉ?
チュン君には 本当に びっくりするね~
」
などと 散々おだてて 驚いて見せる私。
さぞや はたから見ると 怪しい親子だった事だろう…
そして 次の日も 同コンビニ。
おにぎりコーナーから 自慢気に
「日高昆布」と書かれたおにぎりを取るチュン君。
また また 大騒ぎして おだてる私。
ますます 怪しい親子 第二段だ。
そんなこんなで
彼の中で 「日高昆布」が定着した頃
私は 最終実験に突入した。←だから…実験って…
実験の目的は
「果たして チュン君は 『日高昆布』を “読めて” いるのだろうか?」
と言う事。
上記の出来事からすると 読めてんじゃん!になるだろうが
実は そうはいかない所が チュン君なのだから。
と、言う事で その日は
いつもと違うコンビニへ。
チュン君 おにぎりコーナーに走る!
しかし いつもと違って おにぎりコーナー前で オロオロ。
日高昆布がないのか?
いいえ ちゃんとあります。目の前に。
ただし
ここの『日高昆布』は いつもの ゴシック体で書かれた 『日高昆布』ではなく
毛筆書体で書かれた 『日高昆布』なのだ。
チュン君 がっかりした声で
「ここには 昆布 ないよ
」
そこで また 悪魔の微笑みの私。![]()
「ううん。あるよ。
ママ ずーっと待ってるから ゆっくり ゆっくり 探してごらん?」
すると チュン君
1つ1つの おにぎりを じっくりじっくり 観察し、
『辛子明太子』を手に取り、
「これ?
」
黙って 首を振る私。
すると まったじっくり 観察するチュン君。
そして
「あ!!あった!!分かった!!
」
と しっかりと 日高昆布を手に取った。
そう、チュン君の脳は 漢字を マークとしてとらえている。
あくまでも 字は図形なのだ。
だから そのマークが そのデザインで その商品にその形で描かれてあるから分かる。
だから 読めるっていうのとは ちょっと違う。
“分かる” のだ。
だから デザインが 変わると分かりずらい。
そりゃーそうだ。
私たちも
有名ブランドのマークが いきなり和風な筆で描かれたら
すぐには 分からなくなるだろう。
先入観もあるしね。
チュンは 今 初めて 日高昆布をデザインを省いた 形として覚えたのだ。
しかし チュン君 その時点では
『日高昆布』=『こんぶ』 となっている ふしがある。
なので もう1つ 実験。
← 我が子 どんだけ?
棒スーパーのおにぎりコーナー。
今度は
“昆布”とだけ書いてある おにぎりしかない。
すると やっぱり分からない。
あくまでも “日高昆布”で 1つのマークなのだから
いきなり 半分に切れた マークを観ても いまいちピンとこない。
おもしろい。実に おもしろい。
← いいのか それで?
そして チュン君にとっての漢字は
あくまでも 図形・マーク であると 改めて確信。
と、言う事は 大好きな物と そのマーク(漢字)
この組み合わせがあれば 必要な漢字を単語単位で覚える事は可能なのだ。
今 チュン君は 福岡1の中心地 天神を通って通学している。
電車やバスを乗り継いで。
そのルートを教える時 不安がるチュンに言った。
「何も不安になる事はない。
街の中には 字だけではなく マークがいっぱいあるんだよ。
トイレのマーク・駅のマーク・デパートのマーク
地下街のマーク・地下鉄のマーク
字を読まなきゃって思うから 不安になるんだよ。
字がなくても マークがあれば大丈夫って思わないと。」
「でも…マークがなかったら?
」
「色だよ
大きい赤い字の看板の所 とかって覚えたらいい。」
「赤い字がなかったら?」
「そしたら あなたの 立派な口があるでしょ?
誰にだって 聞いたらいい。あなたは出来る!
ママに電話する事もできるでしょ?」
「じゃあ 口がなかったら?
」
しるかよ…
と 言う事で
たくさんのシンボルマークとマーク化された漢字を見ながら
今では 天神で ウィンドーショッピングを
楽しんで 帰って来るほどに 余裕のチュン君。

