2019.11.04 どんとこい家
突き抜け感ある一杯を求め、3週間の無沙汰を経て此方を再訪します。
ランチタイムの繁忙時終了後に入店、先客1名、後客2名の落ち着いた雰囲気の店内です。
常と変わらぬ口頭注文と会計を済ませ、カウンター末席へ陣取ります。
チャーシューメン ¥ 900
此方は消費税率引き上げ後、一部サービス内容が変更されましたが、“全品値上げしません” との嬉しい対応です。
御主人より “お好みはいつもので?“ との声掛けを頂き、其れをお願いします。
”麺柔め、味薄め、油少なめ“ ですから長めな待ち時間を、業務用天井カセット形エアコンが静かに稼働する客席で快適に過ごします。
泰然自若な御主人のワンオペをカウンター越しに拝見すると、麺茹で機への麺の投入、器のプレヒート、カエシ、鶏油、薬味長葱と順次器に投入され、板海苔を準備し、低温調理レアロースチャーシューの切り出しをなさってます。
肉の断面からの酸化防止のために、注文毎に肉塊から切り出す丁寧なオペです。
”呼び戻し” スタイルで仕込まれた豚骨スープが、ストレーナーで濾され器へ注がれます。
お次にデポを使用し湯切りされた麺が投入され、食材の盛付け後、カウンター高台に配膳され、やおら引き取り着丼です。
赤いデコラ貼りのカウンターに鎮座した丼に、卓上に用意されたキクラゲと摺り胡麻をチャージし、完成形とします。
チャーシューメンとの御対麺は7月末以来ですが、黒色の丼に折り畳まれて盛付けられた薄紅色のチャーシュー、白濁してカエシと混じり合った豚骨スープ、板海苔の漆黒、ほうれん草の深緑、其々鮮やかな個性を主張し、変わらぬ ”映える“ 丼顔です。
先ずはスープを啜ると、しっかりと炊き出され、若干の粘度と甘味さえ感じられる濃厚クリーミーな豚骨感が前面で主張し、カエシと鶏油が脇を固めて、素晴らしい出来栄えですわ。
柔めに茹で上げられた “大橋製麺多摩” の低加水中太平打ち短尺麺は、もっちりとした食感で、スープのノリも良く安定した美味しさです。
肌理細かく、しっとりとした食感と、厚手に切り出された故に肉々しい食べ応えを有し、
シンプルな塩胡椒と炭火焼きの風味が下支えし、此れ又堪らぬ旨さです。
更に板海苔、ほうれん草は無論、薬味長葱までもが、其々の役割をしっかりと果たす事で個性を主張し、上質な一杯へと昇華させています。
“どんとこい家” さん、突き抜け感ある一杯を御馳走様でした。
どんとこいや君への挨拶を済ませて退店しましょうね。
103-2019