8月25日 術後13日目 | 下垂体腺腫(非機能性下垂体腺腫)になりました

下垂体腺腫(非機能性下垂体腺腫)になりました

下垂体腺腫になりました。同じ病気の人や身近にこの病気を抱えている人へ、一つの症例としてわたしの話を書こうと思います。誰かの役に立てますように。
(下垂体の手術後水分コントロールが一時的に出来なくなりました。そのお話も詳しく書いていきます。)

最近は実は朝3時台4時台に目が覚めます。

喉が渇く・・・〆時間までトイレがまん。

わたしの尿量は朝9時からスタートし、4時間おきに〆て量と比重の平均値を出して先生に報告がいっているようです。飲水量は毎朝1日分を伝えています。

そこまでわかってしまったので、4時間ギリギリに行ってしまうと、どうせ薄い尿がたくさん出て、その4時間全体の比重を下げ、量を増やしてしまう結果になりそうで怖いので、4時間経過した次の回に新規にトイレに行ったり・・・そんな姑息な手まで習得してしまいました。

そんなことしたって自然じゃないと退院後の生活もあるし意味なんてないんですけどね・・・

また飲水制限をされたり、また投薬されたりしたら嫌だ。

だからトイレに行くタイミングも、我慢出来る場合は調節したりするようになりました。


よし、5時になった。
心機一転、トイレに行きました。

おおお!
量といい、比重と言い、とても良い尿が出ました。
素晴らしい!


朝ご飯。
めちゃくちゃ喉が渇いていましたが、フルーツやらヨーグルトやら、昨日友達にもらったぶどうを食べたりしました。そしたら渇きがなんだか収まりました。

やった!

トイレに行きました。

また良い尿!!!

偶然でないことを祈ります!!!


お昼を食べてトイレ。

まだ尿は大丈夫。
おおお!とても良い兆候だ。
しかしやっぱり比重が落ちて薄まってきた・・・




毎日毎日干上がっては喉が渇くと言い、たまに・・・キツイ・・・と弱音を吐くわたしのことを、色んな看護師さんが知っていました。

わたしが低ナトリウム血症になってめちゃくちゃ具合が悪くてしんどかった状況も、皆さん見ていて知っていました。

そんなわたしが遂に水分無制限になったこと、これも皆さん知っていました。

わたしを見つけては声をかけて歓びを分かち合ってくれる・・・
本当に本当に嬉しかったです。

そうだ、この人たちはヨレヨレでICUから車いすで運ばれてきたわたしのことを最初から見て来たんだ。なんか、そう思うと感動してまた泣いて鼻がつまりそうなので、今度ゆっくり考えることにします。


毎朝恒例の耳鼻科の処置。
昨日感動して泣いたら鼻が詰まって戻らなくなった、と言いました。
鼻を通して下さいました。
はあ、楽になった。
これでまた鼻呼吸ができる。



また研修医の若い脳神経外科の先生がベッドまで様子を伺いにやって来ました。
今日は少し笑顔です。
でも疲れてるな・・・短い会話で去って行きました。
好きだからとはいっても、休みもなく、昼夜を問わず働いてたら、そりゃ疲れますよね、人間ですもの。


そして恒例の屋上での深呼吸とラジオ体操をしました。

ずっと飲みたかったけど飲水量節約のため我慢していたカフェラテをものすごく久しぶりに飲みました。
風に吹かれながら・・・ささやかな楽しみ。小さな幸せ。


そして部屋に帰ってソーダ味のシャーベットも食べました。


今日は月曜恒例の教授回診があります。

「食事も含め、4000くらい飲んでますね。」

と脳神経外科の教授に言われました。
げ!
そんなに???

でも他の先生が、「Paxxさんは普段からたくさん水分を取るそうで・・・」とフォローしていました。

そうなんです、わたしはいつもたくさん飲みますし、むしろ普段は排出されなくて常にむくんでいたくらいです。今は出てるからまだいいくらいです・・・

「ナトリウム値も安定してきたし、もう少し様子をみましょう!」
と言われました。

はーい。


わたしは6人部屋のいわゆる大部屋にいるんですけど、形成外科のおばあさんと脳神経外科のわたしを除いては全員耳鼻科の患者さんです。
入れ替わり立ち替わりがなかなか頻繁にあります。

蓄膿の手術だったり、鼻の通りをよくする手術だったり・・・

また今日も退院しては、新しい人がやってきて・・・


入院16日目、色んな患者さん、色んなご家族、色んな病気、色んな症状を目の当たりにしてきました。

なぜこんなことに???

誰も聞いたり言ったりはしません。

最近、同じフロアの脳神経外科の患者のおばあさんがよく狂います。

ネガティブな言葉をただただ連発する。
説得には応じず、何時間も叫んで抵抗する。
普通の会話は出来ない。
でも、その行動全てが、本来の自分の意志に反していることだけは間違いないと思います。
気の毒です。
家族ですら手に負えない。

耳を澄ませて聞いていると、
本人はただ、立って歩いて外に出たい、人と触れ合いたい、違う景色が見たい、
そう言葉にはしませんが、主張がそれだとわかりました。

長らくベッドで寝たきりなので、そのような気持ちが強く出ているのだと思いました。

なんだかとても悲しくなりました。



夕方、今度は耳鼻科の教授回診がありました。

耳鼻科の先生たちには、毎日毎日たくさんお世話になっています。
毎朝の処置、毎夕の回診、教授の方針なのかもしれませんが、丁寧にいつでも患者を見ているそのシステムが素晴らしいと思います。

ここの耳鼻科の教授は若くて優秀だと、話していてすぐにわかります。
そしてまた人間性も素晴らしい。
いつも患者が安心するように、わかりやすい説明と不安を取り除いてくれる話術に感動します。
わたしの手術もこの教授が鼻は執刀してくださいました。

教授に「あ!もうすごく良くなってますね!」
と一目顔を見ただけで言われました。

どうですか?お鼻の調子は?と言われたので、
鼻がある程度治ってきて、左の鼻の縫ってある糸がなんとなくつっぱる感じがしてきた。
と言いました。

「もう術後結構経ってますもんね・・・」

そう、あのICUで隣にいた同じく下垂体を手術した子は術後8-9日で退院したのに、わたしはお水のトラブルで術後13日目・・・あせる

「もう抜歯しちゃいましょうかね?回診が終ったら僕、抜歯しちゃいますから、またお呼びしますね!」
と教授が言ってくださいました。



その後、お呼びがかかり、教授自ら抜歯してくださいました。
学生さんや研修医など、15人くらいに囲まれながら。

痛いですか?

と聞きましたが、

「痛みはないですよ、ほんのちょっと取るだけですから。チクチクして気になりましたよね。」

と教授。

フワッとした感覚がありましたが、それが抜歯だったようです。


え???

もう終わり???


全然痛くない!

「(止血剤もないし、)これでもうお鼻の中には何も入っていませんからね。後は毎日のお鼻の洗浄を続けて頂いて、そしたら手術で使った右の鼻の粘膜も徐々に復活して綺麗に治りますから!」

と言ってくださいました。


この教授は本当に素晴らしいな、ものすごく好きです。

わかりやすい説明、患者の気持ちをくみとってくれるこの人間性、自分の言葉一つが患者の心理にどれだけ影響するか、ものすごくよく自覚している方だと思います。

今後一生、この教授がここにいる限り、耳鼻咽喉科で何かあったときは必ずこの人に診てもらおう、そう誓いました。


夜、起きていると喉が渇くし飲んでしまうので、また睡眠薬を飲んで寝ました。

21時に寝たのに、22時に起きてしまいました。

色々考えて、気が立っていたのかもしれません。

わたしは日中もお昼寝は一切しません。
全く眠れない夜でした。
何もしてないので疲れてないせいか、考え過ぎか・・・

結局この日は、3500mlも飲んでしまいました・・・・

ヒドイ・・・自己嫌悪。

でも我慢出来ないほどに口が渇くんです・・・

また感動してうるっときたりして鼻が詰まって、完全に口呼吸になってしまったから余計に渇きました。

食事と合わせたら5000近くかな・・・・


脳神経外科の教授にまたびっくりされちゃうや・・・。