おはようございます!
今日もいい天気ですね!
このページでは主に中高生向けて
製菓学校の
「1年制・2年制・夜間」
の話をしてみます。
※通信制もありますが私はこれまで通信制の学生・卒業生にかかわったことが無く感覚的な部分でわからない事もあるのでここでは触れません。
※別ページで製菓学校進学を考えている人向けのページもあります。
👇よかったら。(前後編あります)
他のシェフと考え方に違う部分もあるかと思いますが少しでも参考になるようにお話してみます。
~それぞれのメリット~
1年制
・製菓理論やその他座学(食品衛生、衛生法規など)の基礎知識を身に付けるのに1年間は十分な時間です。
学費面も抑えられるので金銭面での負担が少ないのは家庭事情によっては大きなメリットです。
💵
・1年間の中でカリキュラムが組まれるので入学してすぐに生徒の就職への緊張感が高まりやすく、全体的に
「お菓子教室感覚」
「学生気分」
を持つ生徒は少なくなり授業にも集中します。
早い段階でプロ予備軍の意識が芽生えやすくなります。
2年制
・製菓の基礎を学ぶ以外の時間が作れるので学内コンクール(姉妹校がある場合は合同で行われる学校もあります)や洋菓子協会主催のコンクールへの参加など、それ用の授業を設け充実している学校もあります。
※例えは飴細工やマジパン細工などの授業&練習に時間を割く。など
・海外研修と言う名のヨーロッパ旅行やスポーツ大会など学校行事も多くあり学生生活としても充実したイベントがあります。
🎊🚩
🏃🏻♂️
・学校によっては販売実習も複数回実施されるので実際に自分たちで作ったお菓子を一般の人に販売する経験が出来ます。
・最近の多くの製菓学校は2年次に製菓衛生師の試験が組み込まれているので授業で過去問を解いたり学校からのアドバイスもあり合格率が上がります。
※2年制の製菓学校でも製菓衛生師の受験が組み込まれていない学校もあります。
※1年制の製菓学校でも厚生労働省の認可校であれば卒業時に受験資格を得られます。
(私はこれで製菓衛生師を取得しました。)
※学校に通わなくても2年間の実務経験があれば受験資格は得られます。
・1年次に先輩の就職活動を見る事で積極的な生徒さんには良い見本になります。
多くの製菓学校で1年制2年制共に和菓子、製パン、洋総菜の授業がカリキュラムに組み込まれていますが割かれる授業時間と内容は学校によって様々です。(洋菓子専攻科などの場合は除きます)
※現場で働くのキュイジニエ(料理人)やブーランジェ(パン職人)に外部講師を依頼する製菓学校もありますが、自校にそれぞれ専任の先生が在籍しているか姉妹校に調理師学校がある場合その先生に授業をしてもらえると役に立つことが多いと感じます。
夜間
・昼間、洋菓子店でプロとして働く事が可能なので、その場合リアルな課題や疑問を学校で学び職場とつなげる事が出来ます。
反対に学校で習ったことを現場で実践するケースもあるのでより技術と知識の習得度が上がります。
バイトとは全然違います。
※最初は販売だけのお店もありますがそれはそれで大きな学びです。
・夜間の学生を受け入れているパティスリーは基本的に学生に対する理解が深いので時間的な融通や仕事内容なども考慮してくれるお店が多いと感じます。🕐
・金銭的にも学費は抑えられ働く事で収入もあり経済的にも自立した生活が出来ます。
・夜間のクラスメイトには年齢や経歴に様々な人がいて社会勉強にもなります。
~気を付けた方が良い部分~
2年制
・ダレた時間を過ごしてしまう生徒さんも見かけます。
これは伝染したりグループ化したりします。
就職活動への始動と言うかエンジンのかかりが悪くなりがちで「甘え」のようなものがなかなか抜けない生徒さんが少なからず出てきます。
夜間
・学生とプロの現場(パティスリー)、わかっていても切り替えが難しい人もいるようです。
学校の勉強と現場での作業が違っている事も出てくるので学校か働いている現場どちらかに不信感を持ってしまう人も出てきます。
…?
・万が一気持ちが折れると学校と職場を一度に辞めてしまう事もあるようです。
1年制
・向き合う姿勢や習得能力によって生徒さんの力の差が開きやすいと感じます。
2年制でも同じですが1年制でモチベーションの高い人は特にガンガン行くので気持ちで圧倒されてしまう人もいます。
実習などでガンガン行く生徒さんについていけないと焦ったりしょんぼりしたりしてしまう人も出てきます。
「若いうちの1年くらい変わらない」
という考え方もその通りですが、スポーツや勉強と一緒で人によっては
「現場に入るのは1年でも早い方が良い」
という考え方もあります。
私個人としてはどのカテゴリーのコースに行くのがお勧めとかは言えません。
選ばれる製菓学校にもよります。
2年制の方が実習の時間がたくさん取れるので良いと感じられる人もいますが、私は1年制の卒業生と比べて技術に大きな差があるとは感じません。
技術の習得で言えば当たり前ですが現場に1年早く入ったの方が多くの経験をします。
🧸
また
家庭事情の中には
「実家から通う」
「行きたい学校の近くに一人暮らしを始める」
など「本人の意思」もあります。
「目的意識の方向性」
によって判断されるのが良いと思います。
それでは皆さん
愛ある一日を!
~おまけ~
このページを書いたきっかけでもありますが
パティシエになる為に製菓学校を考えている学生やその親御さんから
「やはり2年制が良いのでしょうか?1年制では不十分なのでしょうか?」
という質問をされることが稀にあります。
この質問はもっとあっていいと思うのですがかなり少数です。
つまり前提として
「専門学校イコール2年制の方がより良い」
という考えが一般的なようです。
私にこの質問が少ない一つの理由は製菓学校のオープンキャンパスや学校案内で出来る質問だからだと考えています。
業界以外の方が個人より学校を信頼するのは自然です。
つまり親御さんもソコで
「答えを聞けた」「理解した」
となります。
しかしその答えは当然ですが学校のメリットを中心に話します。
製菓学校がアピールしたい部分が中心で、隠している訳ではないと思いますがあまり触れない部分もあります。
※学校は生徒さんを集める事が収入になります。
例えば…18歳人口が減って学校には生徒の取り合いがあります。
そして同じ人数なら2年間通ってもらった方が収入が大きくなります。
又、最近では2年制の製菓学校の卒業生がシェフになったり独立している人が多くなりました。
自身の成功体験から
「2年制の方が良い」
という感覚のシェフが多くなるのも自然だと思います。
一方で
「学校は行っても行かなくても」
「1年制でも夜間でも」
人それぞれだと考える若いシェフも多くいます。
「絶対に製菓学校に行くべきだ!」
と考えている人は少数派だと思います。
~おまけのおまけ~
わたしが高校卒業後に通ったのは1年制製菓学校で当時は調理師学校や製菓学校は2年制の割合は今ほど多くはありませんでした。
製菓学校自体もまだまだ少なく、
高校の先生に
「セイカガッコウ」
と言っても何の学校か理解してもらえないような時代でした。
私の年代やちょっと上の先輩(1960年代前半生まれ)は製菓学校ではなく調理師学校からお菓子の道に入った人が多くいます。
更にもう少し上の世代は専門学校には行かず中学又は高校卒業後すぐ現場で働き始めた人がほとんどです。
もちろん時代が違いますのでこれは
「そんな時代があったんだ」
と言う感じで良いです。
という事で私は製菓学校からは
嫌われる覚悟です。笑🐧