おはようございます!
今日もいい天気ですね!
「タルト シュークル」
【Tarte au sucre】
一般的には聞きなれない名前のお菓子だと思っていましたが中にはご存じの人もいるようです。
プロでも知らない人は割と多いと思います。
※【La Vaquette du Mineur】という呼び名もあります。
同じお菓子を指しますがこのページではタルトシュークルの表記でお話します。
どちらがオリジナルなのか?など詳しい事はわかりません。
※ガレット・オ・シュークル【Galette au sucre】
も聞いたことがあります。
「タルト シュークル」は
ベルギーと接するフランスの北部ノール県のお菓子です。
仏菓子にお中では
イースト菓子・発酵菓子
と呼ばれるカテゴリーですが日本的には菓子パンの部類に入るのかな?
という感じです。
👇よかったら。
特徴としては
「シュークル ヴェルジョワーズ」
という茶色い砂糖を振りかけ焼きます。
やや癖のあるお砂糖ですが乳風味との相性が良いと感じます。
👇この写真の「タルトシュークル」ではカソナードを使って焼いています。
~少しお砂糖のお話し~👨🏻🍳
茶色い砂糖を大きなくくりで
「シュークル ルー」
【sucre roux】
と言いますが、その中で
「シュークル ヴェルジョワーズ」
【vergeoise】
は甜菜(てんさい)から作られる
シュークル ルーです。
そしてサトウキビから作られるシュークル ルーが日本ではクレームブリュレでよく知られるようになった
「カソナード」【cassonade】
です。
初めにお話したように
「タルト シュークル」は
フランス北部の寒い地域の伝統菓子です。
この地域はサトウキビ栽培に向かないので寒冷地で育つ甜菜(てんさい)が多く栽培されています。
ノール県ではこの甜菜が原料のシュークルヴェルジョワーズを使ったタルトシュークルが、パティスリーやブーランジェリーはもちろん家庭でも作られ楽しまれています。
話は逸れますが同じ寒冷地のカナダのケベック州では、日本でも知られている楓の樹液を煮詰めて作る砂糖「メープルシュガー」が名産でお菓子にも使われます。
少し調べると現在のタルトシュークルにはヴェルジョワーズ以外に
「カソナード」
が使われていたり、白く精製された一般的な
「グラニュー糖」
が使われていたり
「2つの砂糖を混ぜて」
使われていたりと好みに合わせ大らかな砂糖のチョイスがされているようです。
私が働いていたルクセンブルクの店でもタルトシュークルがありましたが白いグラニュー糖で作っていました。
当時は何も疑いませんでしたが、今思うと
「それでいいのか?」
ともなります。
※でもいいみたいです。
もう一つの特徴としてはバターをちぎって乗せて焼きます。
割と大胆な感じですがこのお菓子
”食べ飽きる”
感じがしないのは食べる部分によって少し食感や味が違ってくるからかもしれません。
発酵した生地に幾つもくぼみをつけてアパレイユを流しますが、それも関係していると思います。
「どこを口にしても同じ」
とはまるで逆のような感じなので几帳面な日本人には思いつかないようなお菓子なのかもしれませんね。
※ここで紹介した以外にタルト型にブリオッシュ生地を敷き込み、〈砂糖〉を敷き〈バター〉をちぎって入れ、上からアパレイユを流して焼くタルトシュークルもあります。
「フランスの北部」
「砂糖の使い方」
「仕込み方」
など食文化としても興味深く面白いお菓子だと思っています。
いかがでしょうか?
こんな感じで
フランスの地方菓子にはまだまだたくさんの面白さがあるので少しずつお話したいと思っています。
それでは皆さん
愛ある一日を!
~おまけ~
砂糖は日本の三温糖や黒糖、和三盆などで作っても美味しいと思います。
むしろ日本人の口にはあっているかもしれません。
アレンジしやすい部分だと思いますのでピザの様に1/4づつ変えてみたりして楽しめるかもしれませんね!
※日本では北海道を中心に甜菜が、逆に温かい沖縄ではサトウキビが栽培されています。
砂糖に限らずフランスでもかつての植民地を含めると様々な気候に合った食材を使う事で食文化を構成させてきたと言えると思います。