国内優先権主張出願の可否

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以前に出した問題の回答です。

(再掲)

先の出願Aが存在する(出願済み)

Aの利用発明Bが一応完成した。発明Bは出願Aに国内優先権主張して追加可能(主体的要件、時期的要件、単一性等の要件は満たすものとする)

利用発明Bは1年以内に、より完成度の高い包括的なデータが出る予定


利用発明Bは先の出願Aに国内優先権主張出願すべきか?

国内優先権主張して出願する場合と、しないで出願する場合の手続きと利害得失を述べよ。

(答え)

この場合には発明Bについては国内優先権主張出願をすべきでない。

もし、Aに国内優先権主張をしてBについて出願をすると、1年3月後にAが取り下げられ、1年6月後には優先権主張出願Bが公開されてしまう。すると、その後、Bの包括的なデータが出たとしても、公開された出願Bが元で進歩性が否定されるおそれがある。

それよりも、Aの出願はそのままにしておいて、国内優先権主張をせずにBの出願をし、Bに国内優先権主張出願をして包括的な権利取得を目指す方が広い権利が取れると考えられる。この場合、Bは利用発明が成立するので、出願Aが公開されたとしても特許性は問題ない。また、BはAの利用発明であるが、Aに追加して包括的な権利が取れるものではないのでAに追加する意味はほとんどない。

このように、国内優先権主張出願が可能だからといって常に国内優先権主張出願をすればよいというものではない。

出願も戦略的に行う必要がある。