西日本、豪雨による被害、お見舞い申し上げます。

 毎年、多数の死者が出ることに対し、何とも遣る瀬無い思いに駆られる。

 毎年繰り返されるけど、過去の災害の教訓、本当にいかされているのか、疑問に思うことがある。

 


 ところで本題に戻ると、 第11回知的財産分科会での配布資料の「特許行政が直面する課題 平成30年6月 特許庁」で気になる記述があった。
 https://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/shingikai/pdf/tizai_bunkakai_11_paper/03.pdf


 それは、海外出願人にとっての日本の位置づけを表したグラフである。
 黄色は日本に出願がないものの割合を示す。
 青色は日米欧中に出願があるものの割合を示す。

 

 

 

 

 参考として掲載した「各国における国外からの特許出願件数の増減推移」をみても分かる通り日本だけが2009年のリーマンショック以前の状態に戻っていない。

 

 

 

 上記知的財産分科会での配布資料「特許庁の取り組むべき課題」では、

 日本市場の相対的な重要性が低下する中で、日本の知財システムの魅力が十分に発揮されていないのではないのか、と現状分析をしている。

 そして、

 「特許審査の品質をさらに高めるため、AIによる審査支援を早期に導入する」、

 「国際的に魅力のある知財制度や紛争処理システム(以前当ブログで紹介した東京国際知的財産仲裁センターのことか?)を実現する」など

と、提言している。

 

 海外出願人が日本を出願対象国としない理由は、「日本の市場に魅力がない」からと、単純に考えていい場合と、そうではない場合があるのでは?

 

 日本の市場に魅力はないが、日本に特許出願をする必要性がある場合として、例えば半導体露光装置の分野があるのでは???

 半導体露光装置の分野では、オランダのASMLと日本のニコン、キヤノンの3社しかない。かっては日本のニコンとキヤノンの2社で世界の市場をほぼ独占していたが、現在はオランダのASMLが世界の市場をほぼ独占している状況。

 「ASMLホールディング 半導体露光装置で圧倒的シェアでEUVに期待」を参照

 https://www.americabu.com/asml

 

 日本の市場に魅力がないならば、ASML、あえて日本に特許出願をする意味は無さそうだが、ASMLの競業者であるニコンとキヤノンが日本にあるので、世界での独占状態を維持するための一環として日本に特許出願するのでは???

 

 ちなみに液浸関連について、特許出願件数を検索すると、

 ASMLが  287件

 ニコンが  689件

 キヤノンが 137件

 

 EUV関連では

 ASMLが  164件

 ニコンが  119件

 キヤノンが  97件

 

 EUV関連ではASMLが力を入れていることがうかがえる。

 

 何がいいたいかというと、競業者を牽制するために、たとえ市場に魅力がないとしても特許出願をする必要性があると、いうこと。

 

 まあそうはいっても、市場に魅力が無いので日本に出願をしないというのが殆どであろう。

 

 特許庁が考えている日本の知財システムの魅力云々の問題ではない。

 AIを導入するなどして特許審査の質を高めることはいいことかもしれないが、それで海外から日本への出願が増えるかというと、疑問である。