今週月曜日(2017/10/09)の日経朝刊15面の法務欄に「AI時代のサムライ業(下)」が掲載されていた。 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO2198412006102017TCJ001/

 

 前回(2017/09/25)は、「AI時代のサムライ業(上)代替の危機 新事業に挑む 弁理士、商標サイトで起業/司法書士、M&Aなど仲介も」 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO21422780S7A920C1TCJ000/

 

 今回は日本弁理士会渡辺敬介会長と日本弁護士連合会中本和洋会長に対するインタビュー記事である。

 


 渡辺敬介会長に対する渋谷編集委員の質問内容は以下の通り

 1.「野村総研などの研究で、弁理士の仕事の実に92.1%がAIで代替可能と指摘されました。」

 2.「手続き業務も合わせれば、5割代替されるということでは。」

 3.「それでも弁理士の業務は減りますね。」

 4.「弁理士志願者が減る懸念はありませんか。」

 


 大体、野村総研などの研究結果(92.1%の仕事がAIで代替可能)を鵜呑みにしたこと自体、果たしてどうなんだろうという疑問がわく。

 

 仮にそうだとしても、92.1%の仕事がAIで代替可能ということは、それだけデータ化が可能であることを示唆しており、実は素晴らしいことなのでは?

 

 これは、AIの活用で仕事の効率化を図り、顧客に対するよりよいサービスをこれまでよりも廉価で提供できるようになることを意味するのでは?

 

 何故、そう思うかのかは、「日本の弁護士はいつまでもITやAIに無縁でよいのでしょうか。」という質問に対する、日本弁護士連合会中本和洋会長のコメントである。
 「日本は他国に比べて法的紛争の分野の情報化が遅れており、デジタル化された判決は全体の3~5%にすぎない。AIが学習するためには情報がデータ化されている必要がある。だが、日本の法曹界はIT化、AI導入の前提すら整っていない。これでは弁護士業務をAIによって効率化することもできない。」から思ったことである。

 

 AIで弁理士の仕事が減る、だから弁理士志願者が減るなどという、質問自体、余りにも短絡的。

 

 10年から20年後、AIが弁理士の代替となり、弁理士なんて要らなくなると、考えるならば、それはそれでいいと思う。


 予測する人によるが、大体、未来予測など当てにならないからである。

 

 これについては、TED Talks David Autor 「自動化で人間の仕事はなくなるのか?」が参考になる。

 「これはあまり耳にすることのないパラドックスですが、1世紀に渡り人間に代わって仕事をする機械が作られてきたにもかかわらず、アメリカで仕事に就く成人人口の割合は過去125年の間増え続けているのです。どうして人間の労働が余計になったり、人間のスキルが廃れたりしないのでしょう? 仕事の未来に関するこの講演で、経済学者のデイヴィッド・オートーが、なぜ未だこんなにも多くの仕事があるのかを問い、驚きと希望に満ちた答えを出します。」

 興味のある方はグーグルで検索してみては。

 

 「AIが人間の仕事を代替。仕事が無くなる。」ということがいかに馬鹿げたことであるかが分かる?

 


 繰り返すが、AIで弁理士は定形的業務から解放され、もっと発明の保護の仕方や利用の仕方について専念できるようになるのでは?

 

 下品な言い方をすれば、どの側面からアイディアを捉えてクレームにすれば、競業者を抑えてより多くのお金を稼げるのか、どのような仕方でライセンス契約をすれば、ライセンシーから効率よくライセンス料を巻き上げるかなどを手助けする、などなど。

 

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