最近、当ブログでは実用新案についてくどくどと書いているが、他に書くことはないかと問われれば、あるけれど(ホントかよ?)、正しく理解されていないようなので、あえて書くというのが本音。

 

 権利行使については、実用新案技術評価書の提示(実用新案法29条の2)、実用新案権者等の責任(実用新案法29条の3)などを除いて特許の場合と同じであるが、留意しなければならないことがある。

 

 それは、侵害訴訟において、被告側から無効の抗弁が主張されたとき、この対抗手段として明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面の訂正(実用新案法14条2)が可能かということ。


 すなわち、訂正の再抗弁が可能かということ。

 

 訂正は、最初の評価書の謄本の送達があった日から二月を経過するまで、又は無効審判について最初に指定された答弁書提出可能期間を経過するまでに制限され、かつ全期間を通じて一回のみしか認められていない(実用新案法14条2第1項柱書、1号、2号)。

 

 そうすると、実用新案技術評価書を提示して警告し、それでも侵害行為を止めないときに権利行使に及ぶのが、この時には既に最初の評価書の謄本の送達があった日から2か月経過してしまい、時間的に無理があるのでは?

 

 常識的には無理だろう。

 

 でもね、でもね、請求項の削除だったらどうなの。

 

 請求項の削除を目的とする訂正については、実用新案登録請求の範囲の減縮などを目的とする場合と異なり、回数制限なしに、原則としていつでも可能だよね(実用新案法14条2第7項)。
 ただし、無効審判が係属している間は、審判の迅速な処理の観点から審理終結通知(41条において準用する特156条1項)の後は訂正を行うことができない。審理終結通知後に審理が再開された場合(41条において準用する特156条3項)には、その後更に審理終結が通知されるまでは訂正が可能。

 


 訂正の抗弁が有効となるには、
 訂正によって無効の抗弁で主張された無効理由が解消されること
 訂正後のクレームであっても侵害であることを主張立証すること
が、必要となるけれど、果たしてこれが可能なのかと、いう疑問がある。

 


 訂正の再抗弁、特許の場合でも結構難しいが、実用新案の場合、さらに難しいことを留意する必要があるということ。