本日(2015年8月5日)の日本経済新聞朝刊第2面の真相深層に 「米特許出願6年ぶり減、前長官に聞く」「乱訴の規制、予想外に浸透」「トロール」けん制が裏目 のタイトルの記事が掲載されていた。

 
 「発明を優遇するプロパテント(特許重視)政策で技術革新を促してきた米国で今年度、特許の出願件数が6年ぶりに減少に転じる見通しだ。背景には、特許権者に不利な特許法改正や司法判断が相次いだことがある。日本の知財立国の手本だった米国で何が起きたのか。」


 企業の出願意欲が減退した理由の一つとして、13年までに施行された改正特許法で、従来の再審査制度(reexamination)や訴訟よりも、利用しやすく費用がかからず且つ結論が出るのが早い手続きとして2つ(?)の異議申立て制度(Post-grant review proceedings, Inter partes review proceedings )を導入したことを挙げていた。


 昨日、特許異議申立について、異議申立された特許権者側の留意事項と異議申立する側の留意事項について触れたが、日本では無効審判に比して特許の取消が容易である特許異議申立が原因で企業の出願意欲が減退するようなことは起こり得るであろうか?


 最近の特許異議申立制度の変遷をたどってみると、
 平成6年(1994年)法改正で特許付与前の異議申立制度から特許付与後の異議申立制度に移行、
 平成15年(2003年)法改正で特許付与後の異議申立制度を廃止、特許無効審判に統合、一本化、
 平成26年(2014年)法改正で特許異議申立制度の創設
と、ほぼ10年毎に法改正がある。


 「特許庁ステータスレポート2015」
http://www.jpo.go.jp/shiryou/toukei/status2015.htm
などによると、
 特許出願件数のピークは2000年で、2006年以降漸減傾向となっている。


 特許出願件数と特許異議申立制度との間に相関関係が有るのか、無いのかは不明である。


 特許出願件数は国内の景気の動向などによっても影響されるもので、特許異議申立制度により影響を受けることなど殆どないという意見もある。


 そうはいっても今回の特許異議申立制度の創設が出願インセンティブに与える影響は興味がある。


 なお、話しは変わるが、今回の特許異議申立制度の創設で考えたことがある。
 それは、それは特許査定後の分割出願である。

 これについては、2014年6月18日の本ブログ http://ameblo.jp/patanze/entry-11880030444.html  で取り上げた。


 明細書等に記載されている別発明を権利化するために分割出願することは、権利化後に受けるであろう特許異議申立に対する防御策になるのでは。


 異議申立を受け、取消理由ありと判断され、訂正請求の機会が与えられてから対処するよりもより望ましいかたちで権利を確保することが出来るのでは?