米国特許法改正 その1

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 今まで楽天ブログ「弁理士安瀬のブログ(6月4日「弁理士安瀬の徒然ブログ」に変更した)」で知的財産関連、団塊世代、環境問題等について備忘録として書いてきた。


 今回、知的財産関連はAmebaの「知的財産の雑感ブログ」に掲載し、それ以外の団塊世代、環境問題等は楽天ブログ「弁理士安瀬のブログ」に掲載するように、テーマごとに分けることにした。 特別な理由があるわけではない。


 当ブログでは先ず米国特許法改正について書くことにした。


 米国特許法改正については、2011年11月14日に東京医科歯科大学で開催されたセミナー 「米国特許法改正と特許出願・技術移転実務への影響」 講師 竹中 俊子 氏 ワシントン大学ロースクルー教授 に出席し、また2012年01月13日に弁理士会 国際活動センター主催の 「米国特許法改正セミナー」 於:砂防会館 に出席し、さらに2012年5月23日に弁理士会館で開催された研修 「米国特許最新動向」 講師 木梨 貞男 氏 米国特許弁護士 に出席した。


 同じテーマで3つのセミナーにそれぞれ出席したのは、誤って理解してしまった箇所がないのかを確認するためと、異なる観点(切り口)から改正法をみてみたいとの訳の分からない(意味不明の個人的)理由からである。


 講師の方々が強調している箇所をみることにより、改正法のポイントが分かる。


 上述した3つのセミナーで講師の方々が強調したのは、102条(b)(1)、100条(i)(1)の改正である???


 要するに最長2年間のグレースピリオドが認められるとのこと。


 最初凄いと思ったが、しかしよくよく考えてみればこれが役立つのは極めて希なケースだけではないのか。


 通常は考えない方がよい?


 万策尽きて、最後の手段として使う?


 具体的には、米国のみで権利化を予定していた。しかし、管理不行届で発明を公表してから1年には至らないものの9カ月以上経過してしまった。米国出願するための準備(翻訳など)の時間が足りない。さあどうしょう。そんなとき先ず公表した発明について日本出願を行い、その後、この日本出願を基礎に優先権を主張して優先権期間内に米国に出願する。最長2年間のグレースピリオドがこの場合に生きてくる。


 米国以外に中国あるいはEPなどでも権利化する予定がある場合には使用できない。その場合、巷でいわれているように、発明を公表する前に日本出願をすること。これは厳守。そしてこの出願に基づいて優先権を主張してパリルートあるいはPCTルートで各国に出願(移行)すること。


 竹中氏は、今回の法改正(グレースピリオド関連)に対して警告を発している(?)


 出願実務への影響
  出願前の開示のリスクとして
  ・EPでの特許取得は不可能である
  ・開示内容・開示日の立証の困難性がある
  ・実施可能要件を満たさない開示は優先日の基礎とはならない
  開示に依拠するのは最後の手段である
  ・従来通り予備出願を活用する
  ・開示内容・開示日を立証する客観証拠を確保すること


 いろいろと米国特許法改正関連情報をウオッチしているが、このような種々のリスクを指摘したのは知っている限り竹中氏だけである。今後、出てくるかも知れないけれど。

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