7月のきこえカフェのテーマは「学びにまつわる何でもトーク」です。

 

前々回から「病院にまつわる・・・」「職場にまつわる・・・」と続いていますが、テーマを限定すると、話が飛びませんので参加しやすいかもしれません。

 

ただ最近、大学教員・心理士主催のおしゃべり会のせいか心理学、カウンセリング関係のお話がよく出て来ます。

 

きこえに障害がある誰々さんが心理職、心理学教員に就いたんだから「私もなれる!」という夢を思い描く人もいるようですが、簡単になれるものではありません。

 

「わたしカウンセラーになりたいんだけど、勉強がめんどくさい!」などと言ってなれるものではありません。

(難しい、しんどいならわかりますが、めんどくさいは理解できません。)

 

Owlの指導教授は7年かけて上級カウンセラーになりましたが、この長い年月にいろんなことがあったと思います。

TA講師も4~5年かけてなるのが普通です。

 

まずは勉強が好きであること。(知的能力の高さを要求される)

自己一致していること。(自分自身の問題をきちんと解決できていること)

 

・・・が、条件だと思います。

 

そして自分の醜い部分、汚い部分、弱い部分にきちんと正面から向き合える勇気が必要です。

 

しかしこれを完全にマスターしている人などまずいません。

人間はお釈迦様ではありません。所詮、煩悩にまみれた人間なのです。

 

Owlはベテランの心理士、カウンセラーが切れる場面を結構見て来ました。

 

結局、これを商売にしている人は仕事を辞めるまでスーパーヴィジョンを受けなければいけないのではないだろうか?と思うぐらい大変な世界です。

 

「クライエントの挑発行為にはのらないで!」と言ったところで簡単にのってしまう人達の何と多いことか・・・。

 

やっと信頼関係がとれてきたと思ったところで、挑発行為をしてくるのがクライエントです。

 

この瞬間、「裏切られた!」と思って激しい怒りの感情が出てくるようではとてもカウンセラーは務まりません。

(これを逆転移と言います)

 

現代社会はきこえる人達でさえ精神を病んでしまいます。

きこえに障害がある人達になると、その治療行為はさらに難題になってしまうでしょう。

 

そのせいか昔からきこえの障害、難聴の問題を扱える心理士、カウンセラーはほとんどいません。

 

子どもは扱えても大人はお断りするという心理士が多いようです。

 

本人が元々抱えている根深い問題にプラスしてきこえの障害まで入り込ん来るのが難聴です。

 

昔から自助会等は当事者がリーダーになることが多く、支離滅裂になる現象を何度も見て来ました。

 

転移-逆転移が起こりやすいからです。

 

当事者同士、似た者同士だからといってお互いに分かり合えるという世界ではないのです。

 

自助会等には専門家が必要、ルールが必要と言われるのはその為です。