「ジミー」 | 吉祥寺の時計修理工房「マサズパスタイム」店主時計屋マサの脱線ノート
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吉祥寺の時計修理工房「マサズパスタイム」店主時計屋マサの脱線ノート

東京都武蔵野市吉祥寺でアンティーク時計の修理、販売をしています。店内には時計修理工房を併設し、分解掃除のみならず、オリジナル時計製作や部品製作なども行っています。

 

今朝、目を開けたら身体中に力が入っていた。

 

「くそー、、やられたか、。 ジミーの野郎!」

 

まだ完全に目醒めていないから、リアルな悔しさがそこにある。

 

でもベッドの上に身を起こすと夢の残像はサーっと消えて、、「あ、夢だったか!」

 

そう分かった瞬間、私は幸福感に包まれた。

 

 

ジミーを最後に見かけたのは、20年くらい前だろうか。

 

その頃の私は年に2~3回、アメリカに本部のある全米時計協会(Nawcc)の会合に出席していた。

 

会合はいつも決まった場所で開かれるわけではなくて、ある時はニューヨーク、ある時はシカゴ、なんて感じに、あちこちの街を順繰り。

 

会合と言っても時計に関するセミナーや技術伝承のためのデモンストレーション等はオマケのような感じで、主目的は会員同士のアンティーク時計の売り買いだ。

 

テーブルの上にショーケースをセットして時計を売る者と、私のように商品の買い付けに回る者。

 

凄まじく大きなコンベンションホールは世界中から集まる時計屋でごった返すが、そんな中、ジミーはいつも単なる見物人のように会場のどこかをふらついていた。

 

 

年の頃は当時の私と同じくらい、30過ぎくらいだろうか?

 

アメリカ人としては短躯の部類だが、全身筋肉質でゴツゴツ。

 

マイクタイソンをそのまま白人にしたような感じの顔をしていて、目つきが鋭い。

 

秘書だか彼女だか分からないが黒いアタッシュケースを持った飛び切りグラマーなブロンド美人を従えてフラフラしているのだが、、時折、ふいに一カ所のガラスケースにへばりつく。

 

そしてガラスに付くんじゃないと思うほど顔を近づけ、何かをブツブツつぶやき始める。

 

と同時に、横のブロンド美人はパチパチと素早く電卓を叩き始めるのだ。

 

 

初めて見た時は何をしているのか全く分からなかったが、奴は、1人の業者の持っている時計を、全部まとめて値踏みしているのだ。

 

そして横の彼女が差し出した電卓を覗き、自分なりの計算が成り立つと思うと、、、相手に密かに数字を告げる。

 

この段階になると、周りの連中はソワソワ、ガヤガヤ。

 

来るか? 始まるか?

 

あたりには、期待を伴った緊張感が漂う。

 

そして皆が密かに見守る中、ジミーがアタッシュケースをドンと開き、大量のドル札の束をポンポンと相手に渡し終えると、、、パーティーは始まるのだ!

 

 

(続く)

 

 

 

 

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