「雨漏り」 | 吉祥寺の時計修理工房「マサズパスタイム」店主時計屋マサの脱線ノート

吉祥寺の時計修理工房「マサズパスタイム」店主時計屋マサの脱線ノート

東京都武蔵野市吉祥寺でアンティーク時計の修理、販売をしています。店内には時計修理工房を併設し、分解掃除のみならず、オリジナル時計製作や部品製作なども行っています。

 

全く酷い雨だった。

 

 

台風19号の迫った金曜日、夕方から店は防災モード。

 

パスタイムの正面は全面ガラスで、シャッターがない。

 

「経験したことのない暴風雨」 が来て、ガラスが割れたら? 

 

店内に雨風が吹きすさぶ場面を想像し、、これはまずい!

 

 

「おーい、 そろそろ始めるぞー!」

 

まずは前面ガラスの大きさに合わせて10m×10mのブルーシートを切って内側をしっかり被い、ディスプレー棚の柱にロープや釘で固定。

 

その後は店内の商品や修理品時計を全て引き上げ、厳重に金庫内に保管。

 

それからは各自おのおの自分の機材や道具を片付けて作業台自体をスッポリ被うと、、、店内はさながら工事現場の様相になった。

 

 

「まあ、さすがにこれで大丈夫だろ。」

 

この時点ではまだ雨は降っていなかったが、なんとなく気味の悪い南風が吹き出す中、全員が急いで帰宅した。

 

 

翌日土曜は、やむなく臨時休業。

 

図らずも世間並みの3連休になった私は、、珍しく、家族とニュース番組や録画してあったラグビーなどを観ていた。

 

日中はさほど荒れた様子は見せなかった台風19号も、午後遅くなると風雨が強まる。

 

 

そして庭先の木が大きくしなりだした夜8時前、ビールの缶をプシュっと開けると間もなく、私の携帯電話が鳴った。

 

着信は、、、見覚えのない番号。

 

「ん? まさか!?」

 

でも、そのまさかだった。

 

 

「いつもお世話になっております。 私、セコムの○○と申しますが~」

 

ドキっとしながら話しを聞くと、、、床の浸水で漏電して電源が落ち、警備装置が遮断されたとのこと。

 

幸い前面のガラスは破られていないが、床の半分以上、特に辻本と私の作業スペースがある前の方の床は水浸しらしい!

 

 

「わかりました。 こんな天気の中ありがとうございます、、。」

 

電話を切った私に 「店、どうなの?」

 

心配そうにのぞき込むカミさん。

 

 

努めて冷静に状況を説明した。

 

床の半分以上が水浸しだけど、前面のガラスは無事であること。

 

主だった機材その他はプル~シートで万全に対処してあること。

 

ただ、それでも金庫の中の時計が、、ちょっと心配なこと。

 

 

時計の針は8時を回り、雨脚も風も明らかに暴力的になってきた。

 

テレビの情報によると首都圏直撃は9時頃、、、つまりもうすぐそこまで来ている、。

 

 

「心配だから行こうよ! 私運転するよ!」

 

一口とは言えビールに口を付けてしまった私に代わり、かみさんがハンドルを握って店に向かった。

 

自宅のある国分寺から店までは、おおよそ30分~40分の距離。

 

到着する頃に、ちょうど直撃する計算か、、。

 

 

さすがに車はほとんど走っていなかったが、凄まじい雨で視界が悪いし、道を流れる水にハンドルが取られる。

 

店に駆けつけて真っ暗な店内を懐中電灯で照らすと、、、床はまさに水浸し。

 

見上げると、天井から、壁から、ボタボタボタボタと、水が流れてきている。

 

 

「もうすぐ直撃するぞ。 急げ!」

 

そんな風にしてカミさんと2人、釣り用のクーラーボックスに全ての時計を詰め込み、、、荒れ狂う暴風雨の中を帰ったのだった。

 

 

 

 

 

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