「豊漁」 | 吉祥寺の時計修理工房「マサズパスタイム」店主時計屋マサの脱線ノート

吉祥寺の時計修理工房「マサズパスタイム」店主時計屋マサの脱線ノート

東京都武蔵野市吉祥寺でアンティーク時計の修理、販売をしています。店内には時計修理工房を併設し、分解掃除のみならず、オリジナル時計製作や部品製作なども行っています。

 

先々週の日曜は、久しぶりの豊漁だった。

 

このところまともな釣果のない日が続いていたから、なんだか懐かしいような。

 

魚がたくさん入ったクーラーボックスを運んだのも久しぶりだが、、、空っぽの時よりもむしろ軽く感じるから不思議なもの。

 

 

天候が許す限り、そして特別な用事がない限り、毎週海に出る。

 

今年大学に行きだした長女が生まれた頃からだからもう20年近くになるが、困ったことに?ちっとも飽きない。

 

この分だと、おそらく身体がいうことをきかなくなるまで続けることになりそう、、。

 

 

もっともこの間、変化はあった。

 

最初のうちは魚が釣れることに夢中になって、それこそ釣れるだけ釣っていたのだ。

 

小魚でもなんでも。

 

大きなクーラーボックスに入りきらないほど釣り上げてもまだ気が済まず、発砲のクーラーボックスを買って詰め込んだり。

 

夜中まで掛かって魚を捌いて、実家やご近所さんに配ってまわったり。

 

 

でも何年か経って、フと気付いた。

 

毎週食べきれないほどの魚を釣って持って来たら、さすがに家の連中も喜ばなくなる。

 

ご近所さんや知り合いだってもらってはくれるが、、、本当は有難迷惑なこともあるんじゃないか、と。

 

 

それからは、比較的簡単に釣れる方法、釣れる魚を避けるようになった。

 

めったに見ない大物や、個体数の少ない深海の珍魚等々を狙う。

 

餌も持たずに出掛けて、デッカイ鉛のルアーだけで釣ってみたり。

 

 

当たり前だけど、途端に釣れなくなった。

 

一日海に出て、何も釣れない。

 

釣れないどころか、アタリすらない日も。

 

それでもたまに、本当にたまにだけど、本命の魚がガツンとくる。

 

そんな時は、思わず一人でガッツポーズが出たりするのだ。

 

 

自他ともに認める 「環境にやさしい釣り人?」 になった私だが、、、やっぱりたまにはたくさん釣りたくなる。

 

季節のおいしい魚を食べたくなった時などが、そんな時。

 

 

「このところ、アカムツが釣れてるよー。」

 

船着き場の仲間からそんな風に聞いて、久しぶりにアカムツが食べたくなった。

 

アカムツと言っても馴染みのない方も、ノドグロと言ったら聞いたことがあるかもしれない。

 

何年か前、テニスの錦織君が試合後のインタビューで 「帰ったらノドグロが食べたい」 と言ったその魚。

 

深海に棲む赤い小ぶりな魚だが、刺身にしても焼き物にしても脂が乗っていてほっぺたの落ちる旨さなのだ。

 

 

もっとも、欲しい時に限って魚は釣れない。

 

それに近年は特に個体数も減っているようで、それじゃ今日はアカムツでも何匹か持って帰るか、なんて簡単な魚でもない。

 

深海の釣りをする人なら分かると思うが、、、大概は本命が釣れる前に小さなカサゴだのサメだのが掛かって、アカムツの顔は拝めずに終わることも多いのだ。

 

 

で、9時過ぎにノンビリ出港すると、あれっ!

 

悪いことに魚群探知機もGPSもスイッチが入らない。

 

あちゃー。

 

もう15年以上使っているロートルだから、いよいよ壊れたか、、。

 

しかしこいつらがないと自分がいるところの水深も分からないし、魚がいるのかどうかも分からない。

 

ダメだこりゃ、、。

 

 

諦め半分で、大体の目星をつけた海上に到着。

 

潮の流れは殆どなくて、、状況的には厳しいか。

 

冷凍焼けしてくたびれたスルメイカの切り身を付けた仕掛けを落とすと、数分後にオモリが着底。

 

リールのカウンターを見ると、、水深はおおよそ330メートル。

 

まあまあ見当通りかなーとホッとしていると、、、ビビンと竿先が震えた。

 

 

「おっ、何だ?」

 

電動リールのスイッチを入れて、巻き上げ開始。

 

「ウイーン、ウイーン、、」

 

残り300メートルまで、魚はちょっと暴れてる。

 

「ウイーン、ウィーン」

 

残り200メートル、、引かなくなった。

 

全然引かなくなったところをみるとサメではないから、ホッと一息。

 

「何だろ?」

 

 

残り100メートル、ビクンビクン、と竿先が暴れた。

 

「おっ! もしかして?!」

 

経験から言うと、、、このあとまた引かなくなって、残り10メートル近辺で再び激しく暴れたら、、アカムツの可能性が高い。

 

 

「ウィーン、ウィーン」

 

残り13メートルくらいで、、、激しくビクンビクン!

 

「ん? きたかっ!? 」

 

ピーー。

 

電動リールの巻き上げが止まった。

 

残りの糸を手繰ると水中に見える魚は、、、赤い!

 

 

1投目から本命の顔を拝んだこの日、、2投目も、3投目もアカムツが連発。

 

その後も、美味しいゲストフィッシュと共に何匹も釣れ続けた。

 

いつもと違って、ポイントも水深も当てずっぽうだったのに、、。

 

 

海は本当に分からない。

 

こうして家族や実家の両親だけでは食べきれないほどのアカムツを釣った私は、、エビス顔で早上がりしたのだった。

 

 

 

 

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