「時計工房」 | 吉祥寺の時計修理工房「マサズパスタイム」店主時計屋マサの脱線ノート

吉祥寺の時計修理工房「マサズパスタイム」店主時計屋マサの脱線ノート

東京都武蔵野市吉祥寺でアンティーク時計の修理、販売をしています。店内には時計修理工房を併設し、分解掃除のみならず、オリジナル時計製作や部品製作なども行っています。

 

昨夜、自宅工房の片付けに手を着けた。

 

工房と言っても、自宅の3階部分にある小狭いスペースのことだが、、。

 

いつでも時計がいじれるようにと5年ほど前に作り、当初は結構こもっていた場所。

 

このところあまり家で時計をいじることがなくて、、、ちょっと荒れた感じになっていた。

 

 

何かに夢中になると、一時はそのことばっかりになる。

 

冷静に考えればそこまでしなくてもというようなところまで手を着けて、しばらくするとフッと熱が醒める。

 

そのままそのことは忘れて別の事に夢中になるけど、、、何年かすると、またまたそこに戻ってくる。

 

何に対しても、私には昔からそういうところがあった。

 

 

先週から引き続き、オリジナルムーブメントのテンプのことが頭から離れない。

 

こうがいいかなー、あーがいいかなー、、あ、でもそれだと空気抵抗が大きくなって調子悪そうだなー。

 

居間のテーブルで下手くそな絵を書いてみては、どれも没、没、没。

 

そんなことをやっているうちにそばにある水槽の魚やイソギンチャクの調子が気になったり、翌週の釣りの道具いじりが始まったりして、、、またテンプの設計は先延ばし。

 

 

いかんいかん。

 

これを繰り返していたら、いつまでたっても前に進まない。

 

もう数年で還暦を迎える年になっているんだから 「いつかそのうちやってやろう」 などと言っている余裕はないのだ!

 

でも今日は、、、あまりに眠い、、。

 

 

晩飯後、居間の床で寝落ちした私が目を醒ますと、テーブルでは中学生の次女が勉強していた。

 

時刻は深夜の12時を回っている。

 

「あれ、遅いなー。 早く寝た方がいいぞ。」  「うん。でももうちょっと。 期末試験だから。」 「ふーん。」

 

風呂に入っていると、「父ちゃん、出たら教えて。 まだ入ってないから。」 とガラス戸の向こうから長女。

 

レポート提出がギリギリになっているようで、長女もまだ戦闘モード。

 

風呂から上がって気が付けば、パソコンの前ではカミさんも店の経理作業中だった。

 

そういや確か税理士の先生から 「もう少し早めに締めるように」 とハッパを掛けられていたか、、。

 

 

よーし、俺も。

 

すっかり目が醒めた私は、そのまま3階に上がった。

 

階段を上がったあたりに散乱しているガラクタを跨いで、時計スペースに突入(?)

 

この組立ての作業台の前に座ったのは、何か月振りだろうか、、?

 

右手にある旋盤台には薄っすら埃が被り、左手の研磨台には削りかけの刃物が置きっぱなし。

 

 

久しぶりにマジマジと眺めた。

 

組立台も旋盤台も研磨台も、どれも5年前に自分で作ったものだ。

 

大工仕事が苦手な私が何度もホームセンターに行っては材料を買い込んでギコギコ、トントン、ニスを塗ったりペンキを塗ったり。

 

 

しばらくいるうち、段々と夢中になっていた時の気持ちが蘇って来た。

 

うん。 これだ、この感じ。

 

店で時計に接している時とは全く違う 「心地良い引きこもり感」 とでもいおうか。

 

 

しばし高揚感に浸っていると、、、ドタ、ドタ、ドタ。

 

階段の途中まで上がって来たカミさんが 「ねぇ、こんな時間に何してるのー?」

 

「あっ、邪魔しないで。」 

 

ドタ、ドタ、ドタ、、、何も言わずに降りて行った。

 

もう30年以上の付き合いになるから、きっと解っているだろう。

 

 

少しづつ片付けが進むと、そこに足りないものが見えてきた。

 

あれも、これも、、、今度の休みに店から持って来なければ。

 

確か店には使っていないのがあったはず。

 

足りない材料や工具をメモし終えると、机の上に開いたままになっていたイギリスの技術本が目に入った。

 

そう言えば、これもまだ途中だったな。

 

 

本を手に取った私はそのまま下に降りてベッドに入り、夢中になって続きを読んだ。

 

そして窓の外がうっすらと明るくなり始めた頃、、、ぼんやりしていたテンプのイメージが、少しずつ形になって見えてきたのだ。

 

 

 

 

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