「3人組」 その2 | 吉祥寺の時計修理工房「マサズパスタイム」店主時計屋マサの脱線ノート

吉祥寺の時計修理工房「マサズパスタイム」店主時計屋マサの脱線ノート

東京都武蔵野市吉祥寺でアンティーク時計の修理、販売をしています。店内には時計修理工房を併設し、分解掃除のみならず、オリジナル時計製作や部品製作なども行っています。


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3人組の仕事は、開店準備から始まる。
 

1年生の二人は、掃除機掛け、ショーケースやウィンドーの時計の陳列、台所の湯沸かし。
 

3年生の寺田は留守電メッセージや着信メールのチェック、時計の配送手配等。
 

そういった作業を一通り終え、それぞれ自分が担当している時計の精度を測ったり、ドライバーやピンセットの手入れをしているうちに、開店時間の11時がやってくる。
 

 

 

1年生の佐々木と真下は、ベーシックでシンプルな時計の整備を担当、寺田は少し付加機能のある時計をいじることもある。
 

当然ながら技量はまだまだ発展途上だから、後ろに座っている岩田に進行具合を見せながらといった感じで仕事を進めるが
 

「えーっ? えーっ? 何これっ?  ありえねー。」 「アホか! 最初によく見て考えねーと!」
 

というような指導(?)を受けることもしばしば。
 

 

 

当然、店の入り口付近に座っている私にもそういった声は聞こえていてくるが、、出来る限り黙っている。
 

ネジやスプリング、天真などといった部品の製作は覚えるまで一定の時間が必要なものだし、それに万一失敗してもやり直せばいいことなのだ。
 

しかし叱られている内容が危険に関することの場合、、例えば、一つ間違ったら時計を台無しにしてしまう危険のあるような話しの時は、黙っている訳にいかなくなる
 

これはやってしまってからではどうにもならないから、そうなる前にその怖さを徹底的に身に滲みつけないといけない。
 

「バカヤロー!!」 「お前、今度そんなやり方したらタダじゃおかねーぞ!」

 

自ずと口調は厳しくなり、他人様が聞いたらパワハラまがい(そのもの?)の説教になることもあるが、、、その甲斐もあって、四半世紀以上の間時計を壊した者は一人もいないまま来ているのだ。

 

 

 

営業が始まると、3人組は作業台を離れることが多くなる。

 

お茶汲み、到着荷物の開封や配送荷物の出荷、伝票や領収書の整理、電話の応対、時計の画像の印刷やお見積りの連絡等々。

 

来客の多い日だと、ロクに時計をいじらずに一日が終わることもあるほど。

 

作業台に座ったと思ったらまた台所へ行ってお茶の用意、、また座ったと思ったら電話が鳴って、、。

 

この辺は一般の時計修理会社などと大きく違うところかもしれないが、、、残念ながらうちには接客や事務職の選任スタッフを雇用する余裕は無いから仕方がない。

 

その分、3人組は定休日の好きな時間に店に入って、思う存分(?)時計いじりが出来るようにしてはあるのだ。

 

 

 

閉店時間がやってくると、片付けの始まり。

 

店頭の時計を金庫に仕舞う者、台所の洗い物をする者、、。

 

「おーい、テー!」

 

在庫品の片付けを手伝わせようと、岩田が寺田を呼びつける。

 

岩田はちょっと前まで寺田を 「テラー」 と呼んでいたがそれも面倒になったのか、、、いつの間にか 「テー」 だけになってしまった、、。

 

ちなみに佐々木は 「少年」 真下は 「群馬」 。

 

 

 

閉店後、子供の幼い岩田と辻本は直ぐに引き上げるが、大概、私と3人組は残って作業の続き。

  

この時ばかりは、全く中断することなく時計に向き合えるから、貴重な時間なのだ。

 

昔のように遅くまで作業することは無くなったが、ちょっと根を詰めたかなという時は、3人を連れて焼き鳥屋で一杯。

 

 

 

もっとも寺田は完全な下戸で、、、いつもコーラかジンジャーエールの連発。

 

秋田出身の佐々木は米どころだけあってかなり日本酒をやるがダイエット中とかであまり食べないし、真下はビール程度で、やはり食事は控え目。

 

この辺はやはり今どきの若者なのか、皆飲んで賑やかになる訳でもなく総じて物静かで、、、親方の奢りとなったらガツガツ食べて飲んでワーワー騒いでいた昔の連中とは、大分違うようだ。

 

 

さてさて、この若者3人組が、これから後どう成長してゆくのか?

 

過去の経験から考えて、ある程度の仕事がこなせるようになるには最低5年は掛かるとすると、、、寺田があと2年半、新人2人は4年半。

 

これからも色々なことがあるだろうが、、、私がちょうど還暦を迎える頃にも、3人揃って仕事していたらいいかな。

 

今はそんな風に思っているのだ。

 

 

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