「回想」 その47 | 吉祥寺の時計修理工房「マサズパスタイム」店主時計屋マサの脱線ノート

吉祥寺の時計修理工房「マサズパスタイム」店主時計屋マサの脱線ノート

東京都武蔵野市吉祥寺でアンティーク時計の修理、販売をしています。店内には時計修理工房を併設し、分解掃除のみならず、オリジナル時計製作や部品製作なども行っています。


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2000年の梅雨の最中、そんな風にしてめでたく一児の父親になった私。

 

しかし一方で、パスタイムの人手不足はいよいよ深刻化した。
 

いくらなんでも、乳児を抱えた悦ちゃんに店を手伝わせる訳にはいかないし、本業の傍ら週末に手伝ってくれていたサユリちゃんにも、これ以上無理は頼めない。
 

弱ったなぁ、、、誰かいい人いないかなぁ、、。
 

 

 

時計の針を少し戻した私は、、、かつてプランタン銀座の催事で、某アンティーク家具屋のスタッフとして働いていた 「0さん」 を想い出した。
 

アンティーク家具屋としては大手のその店はジャンクヤードの右手奥の広いスペースに出店していて、家具が売れる度、スタッフがお客様をレジに案内して精算するから、自ずとレジの横に位置していたジャンクヤードの前を通る。

 

その店のスタッフは女性、男性合わせて数人いたような気がするが、、、「Oさん」 ばかりが私の目についたのは、決して彼女が美人だったからではない。

 

いや、正直を言うとそれもあったのだろうが、というかあったのだが、、、それ以上に、彼女が誰よりも頻繁にお客さんを連れてレジに来ていたからだ。

 

 

 

歳の頃は私と同じくらいだから、当時30前くらいだったろうか?

 

利発的な感じの 「Oさん」 は、いつもジーンズにポロシャツといったカジュアルな服装ながら、お客さんから聞かれたことにテキパキと的確に答え、それでいて時折笑いも交えて、和やかに商談を運んでいる様子。

 

もっとも当時の私と彼女は売り場でも挨拶程度といった感じで、、長話をすることは無かったと思う。

 

ただ何となく 「仕事の出来る人(美人)だなー」 と感心しているうち、、、ジャンクヤードは、催事の出店を辞めたのだった。

 

 

 

プランタンに出なくなってしばらく経ったある日、、、不思議なことに、その 「Oさん」 から店に電話が入った。

 

1階のHさんが2階に電話を回し、、、「あのー、プランタン銀座で出店していたアンティーク家具のOさんだそうですけど、、。」

 

ちょっとドキドキしながら電話に出ると、受話器の向こうの彼女曰く、、、最近、友人の女性が世田谷にアンティークアカデミーなるものを開校し、アンティーク各分野の、講師陣を集めている。

 

既に家具やジュエリー等の講師は集まっているが、時計の分野には知り合いがいない。

 

近々当人を連れてジャンクヤードに行くので、時間を作って欲しい、とのことだった。

 

 

 

「そうですかそうですか。 はいはい、いつでもいいですよ。 お待ちしています。」 と、私は2つ返事。

 

電話を切って修理台に向かっても 「ふふふーん たららーん ♪」 と鼻歌混じり。 

 

「アンティークアカデミー」 なるものがどういうものかはサッパリ分からなかったが、、、何となく、面白そうな話だなとは思った。

 

しかしそれより何より 「時計専門の誰かを」 ということで、Oさんが他の誰でもない私を薦めてくれたことが、私を上機嫌にしていたのだ。

 

 

 

友人の 「K」 さんを伴ってOさんがジャンクヤードに来たのは、確かその翌週、。

 

そこで聞いたのは、2人はかつて留学先のパリで知り合った長年の知り合いだということ。

 

ルーブル博物館で勤務した経験を活かしてKさんが始めたアンティークアカデミーは、世田谷の経堂、彼女の自宅ビルの2階部分にあり、、カフェのような雰囲気の中、お茶を飲みながら一年を通して各分野のアンティークの講義を行い、年度末には卒業旅行と称してフランスのアンティーク巡りの旅に出掛けるという趣旨のものだということ。

 

時計の分野は知識、人脈ともに皆無なので、、学期ごと、年間数回で構わないから、講師を引き受けて欲しい、とのこと。


3人とも同年代だということもあって何かと話しは弾んだ。

 

結局、その日のうちに私は講師の話しを引き受けたのだったが、、これは頻度こそ減ったものの、その後20年近く経った今でも続いている。

 

 

 

時計の針を再び元通りにした私は、改めて気が付いた。

 

そうだ、Oさんだ!

 

講師を始めてから何期かが過ぎて、その間、ジャンクヤードはパスタイムになり、Oさんとはあれ以来ご無沙汰していたが、、今、どうしているだろう?

 

まだアンティーク家具の仕事をしているのだろうか?

 

さっそくKさんに連絡してみると、「 マサさん、Oさん、ちょっと前にお店辞めたのよ。」 

 

「え? ホントッ?!」

 

 

 

Oさんをパスタイムに迎えたのは、それから間もなく。

 

アンティークの知識は元々あるし、誠実で真面目、フランス語は勿論、英語もなんとかなる。

 

時計の修理でてんてこ舞いの私も岩田も、大いに助かる。

 

でも、それだけではない。

 

乳母車に乗せた長女に向かって彼女が名前を呼び掛けると、、、泣きっ面の長女も、クシャクシャになって笑う。

 

聞く人の誰でもがホッとするような、、、そんな優しい声を持っていた。

 

 

 

(続く)

 

 

 

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