吉祥寺の時計修理工房「マサズパスタイム」店主時計屋マサの脱線ノート

東京都武蔵野市吉祥寺でアンティーク時計の修理、販売をしています。店内には時計修理工房を併設し、分解掃除のみならず、オリジナル時計製作や部品製作なども行っています。


テーマ:

 

バラバラになった手巻きの腕時計の部品は、思ったより数が少なかった。
 

複雑に噛み合った部品が手に負えないくらいあるのではと思っていたが、、あれっ、こんなもんか、と拍子抜けするほど。
 

 

 

事務机の上にお菓子の箱の蓋を置き、部品が周りに飛び散らないようにその中でひとつひとつの部品を観察してみる。
 

しかしルーペで拡大して部品を見てみると、、、やはり細部はかなり精密。
 

こりゃあ、壊れたら直すのは大変だなと想像がつく。
 

 

 

一通り観察が済んだら、今度は綺麗にしてみたくなった。
 

並びの久野文房具店に走り、ガラスのシャレーと絵の具用の筆を買って来て、ジッポーオイルで部品の洗浄(?)開始。
 

そもそも修理に出して間もない時計だからそんなに汚れている訳はないのだが、、シャーレーの中には溶けたグリスや部品から落ちた僅かな錆などが混ざった薄茶色の汚れがそれなりに残り、部品はいくらか綺麗になったような気がした。
 

洗浄した後はいよいよ組み立て。
 

と言っても持っていた道具はピンセットとルーペ(キヅミ)、それから時計用の精密ドライバーのみで、グリスもオイルも無い。
 

今考えれば、注油しないまま組み立ててもしょうがないのだが、、その時はとにかく組み立ててみたかったのだ。
 

 

 

しかし、、組み立ては、分解のようにはいかない。
 

大雑把に言えば、機械式時計は 「地板」 と 「受け板」 という2枚の金属板の間に歯車その他の部品が挟まる格好になるものだが、、

 

多くの歯車の軸は上下それぞれの板に埋め込まれたドーナッツ状のルビーの穴に入って回転する仕組み。
 

つまり、いくつもの歯車の軸を片方の板のルビーの穴に刺して立てた状態にしておいて、その上からそぉーっと受け板を乗せて上側の軸の先を受け板のルビーの穴に入れてやらなければいけないのだが、、。
 

この時、うまく軸が穴に入っていないまま板を押さえつければ軸先は簡単に曲がる、または折れる。
 

そして最悪な場合は、ルビーまで割れてしまう。
 

 

 

カチャカチャ、うーん、太い方の軸が入ったと思ったら、細い方が入らない。
 

カチャカチャ、、、んー、やっぱりやり直し。
 

そんな感じで何度もやり直しているうち、、カチャッ、お、全部入った!
 

そーと押さえたまま、急いで受け板のネジを締め付ける。
 

よーし、次はアンクル、そしてテンプ。
 

特別デリケートな部品だけに恐る恐る、、壊さないようにそぉーっと。
 

しかし、アンクルはいくら立てておいても直ぐに倒れるし、ヒゲぜんまいはちょっと触っただけでボヨヨヨーン、。
 

 

 

フ一ッ、、。
 

一息入れて外を見れば、、商店街の灯りはとっくのとうに消えていて、道行く人もいない。
 

店のシャッターを半分閉じ、心を落ち着けて再度挑戦すること数時間。

 

夜空が少し白地んできた頃、、、時計は組み上がった。
 

そして、恐る恐るゼンマイを巻いて揺すってやると、、、ヨロヨロと動きだしたではないか!
 

「よっしゃー!!」
 

 

今考えれば、注油をしていないままの時計を動かすなど無茶もいいところだが、、その時は自分が組み立てた時計が動くのを見てみたくて仕方がなかったのだ。
 

いずれにせよ、この日から私は時計いじりに夢中になり、、、毎日、朝から晩まで事務机にかじりついて分解・組み立てを繰り返すようになったのだった。

 

 

 

(続く)

 

 

マサズパスタイム ホームページ

☆Twitter☆
☆Youtube☆
☆Instagram☆

☆Facebook☆

AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

マサさんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

SNSアカウント

最近の画像つき記事  もっと見る >>

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。