吉祥寺の時計修理工房「マサズパスタイム」店主時計屋マサの脱線ノート

東京都武蔵野市吉祥寺でアンティーク時計の修理、販売をしています。店内には時計修理工房を併設し、分解掃除のみならず、オリジナル時計製作や部品製作なども行っています。


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アンティークバザール開催から、数日が経過。
 

連日の散々な結果に、私は打ちのめされていた。
 

商品量も商品知識も、それから接客の経験も、、、周りより劣っているのは、最初から分かっていたこと。
 

でも正直、ここまで徹底的な差がつくとは、予想していなかったのだ。
 

 

 

2日目まではひたすらGケースの前でじっと立っていた私も、3日目からはケースの前から離れ、棚の商品を磨きながらさりげなくお客さんに話しかけたりして、、自分なりに工夫してみた。
 

ケースの中を覗き込んでいるお客様がいれば、視線の先にある品物を出して、手にとって見てもらったり、、。
 

それ自体は間違ってはいなかったと思うのだが、、とにかく結果は出なかった。
 

 

 

初日に檄を飛ばした課長も 『この50,S のマグカップなんかいいんだけどねー、。 値段も悪くないし。』 なんて感じで時折様子を見に来てくれていたが、、、気の毒に思ったのか、それとも諦めたのか、そのうち何も言わなくなった。
 

内心 『次回から業者を入れ替えなきゃ』 と思ってるかも、、 。

 

 

そして、あれはそんな日が1週間ほど続いた頃のこと。
 

 

それまではいつも別館にある従業員食堂で昼食を済ませていた私は、、、その日初めて、気分転換したくて外に出た。
 

確か、プランタン別館の裏手、有楽町寄りの角にある中華料理屋のランチを食べて、そのあとちょっと銀座の街をフラフラと。
 

ブランド物のブティック、、、画廊、、、高級そうなレストラン、、どれもこれも自分には全く関わりのないから、親しみが湧かない。
 

 

 

なんで俺は今、銀座のデパートで物売りをしているんだろ?

 

いや、実際には殆ど売れていないけど、、そうだ、売れてなかった!!
 

そろそろ戻って少しでも取り返さないと、、、店が潰れちまう。
 

 

 

私はプランタン銀座の前まで来ると、、本館の正面口から店内に入った。
 

本来は、ビルの裏手にある従業員口から入り、専用エレベーターで上がらなければいけないのだが、、、面倒くさいし、それに、何となくお客さんと同じように入店してみたくなったのだ。
 

 

 

正面口から店内に入ると、右手のインフォメーションカウンターには、洒落た帽子をかぶった綺麗な 「案内係」 の女の子。

 

身振り手振りで、外国人のお客様に何か説明している。

 

 

靴や洋服のショップを覗きながら歩いていると、、、あちこちから 「いらっしゃいませ」 の声。

 

業者バッジを外している私は、彼らから見ればお客様なのだ。

 

 

登りのエスカレーターに乗った。

 

何を言っているのかは解らないが、、、軽快なフランス語のアナウンスが、耳に心地良い。

 

そして、エスカレーター脇の壁には 『アンティークバザール』 のポスターが、いくつも貼ってあった。

 

 

当然のことながら、百貨店としてもこの2週間という長期の催事に、相当な力を入れているのだ。

 

そう思うと、、、尚更、自分の貧果が情けなくなる。
 

 

 

エスカレーターは、私を6階に運び終えた。
 

催事場の入り口には、 大きな横長の  「第〇回 アンティーク バザール」 のサイン

 

いつも裏側から出たり入ったりしているから、、、こちら側を見るのは初めてだった。

 

 

 

従業員バッジを着け直して入口を入ると、角の店は、人だかりになっていた。

 

何人もの人がテーブルの上にあるブローチやイヤリングを手に取って目の前にあるアンティークの鏡で見映えを確かめていたり、、さらに高価な商品の展示されたガラスケースの中を覗き込んでいたり。

 

ちょうど店の女性に代金を手渡しているお客さんもいて、、、なにしろ活気がある。

 

「アーバン アンティークス」

 

アメリカ物中心の雑貨や古着、ジェリーや時計、人形、万年筆、その他、幅広い商品群で、、、初日から、ひっきりなしにレジと店とを行き来している、人気の店だった。

 

 

 

そこから人越しに奥の方を見渡すと、レジの向こうに私のブースが見えた。

 

対照的に、、そこには人っ子一人いない。

 

そこだけが、まるで別世界のように、、スコーンと空いている。

 

 

 

無力感、敗北感。

 

初日から何日も感じ続けてきたが、、、改めてその明らかな 「差」 を目の前に突きつけられて、、、昼飯を食ったばかりの身体から、血の気が引いた。

 

 

なんでだ? 

 

どうしてここまで負けるんだ?

 

 

気が付けば自分の店に戻る気はとうに失せ、、、私はガラスケースの前で放心したように立っていた。

 

 

 

 

(続く)

 

 

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